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インスピレーションを刺激するラグジュアリーブランドの最新ムービー
春の訪れとともに、世界的なラグジュアリーブランドの新作ムービーの公開が続いています。そのどれもインスピレーションが刺激される作品ばかり。
そこで今回は、ラグジュアリーブランドの最新映像の中から特に印象的なものを5本ピックアップして紹介したいと思います。
ラグジュアリーブランドの映像作品。4つの特徴
①アーティスティックな作品が多い
アパレル業界という括りはあっても、ブランドのフィロソフィーやアイデンティティ、社会的な立ち位置によってそのプロモーション戦略は大きく異なります。
近年、一般的な企業ブランドはコーディネートに提案や新作アイテムの紹介といった実践的なHow to系動画を中心にプロモーションを展開する傾向が強くなっていますが、ラグジュアリーブランドは、イメージ確立のために映像プロモーションを活用することが多いです。
ほとんどのブランドがシーズンスタートのタイミングで独創的な世界観を全面に押し出したアーティスティックな作品を発表しています。
②多彩なコラボレーション
多くのブランドは、世界的な知名度を活かして様々な企業やアーティストとのコラボレーションを積極的に展開しています。
その対象は音楽や映画界の一流クリエイターから有名テーマパーク等、業界やジャンルも多様です。誰もがあっと驚くような意外な組み合わせも少なくありません。
③音楽性が高い
音楽はプロモーションの一翼を担う重要な存在です。ファッションと音楽の親和性は非常に高く、特にラグジュアリーブランドの映像作品では、エモーショナルな雰囲気を創出する音楽が使用されるケースが多いです。絵画的なカットやシネマティックな映像に情緒的なBGMを掛け合わせ、印象に残る映像を制作しています。
④時代の空気感をビビットに反映
固定観念にとらわれない自由な発想で制作されるラグジュアリーブランドのアイテムたち。そのプロモーションムービーは、創造性と意外性に満ち溢れており、観る人に新鮮な喜びを与えてくれます。
昨今は、新しいジェンダー観を構築しようとする姿勢を明確に打ち出しているブランドが多く、映像作品の中でもそうした時代の空気を感じることができます。
クリエイティブ全開!5ブランドの最新ムービーをご紹介
①Christian Dior(クリスチャン・ディオール)
2023年2月に公開されたキム・ジョーンズによる2023春夏シーズン(メンズコレクション)のムービーが大きな反響を呼んでいるディオール。
YouTube動画の再生回数は600万回を突破しようとしています。
花々に彩られたガーデンを舞台に男性同士の密やかな関係性が描かれた本作は、旧来のジェンダー観にとらわれない新時代のファッションを象徴する一本と言えるでしょう。
ぜひ注目してほしいのは、ファッションだけでなく小物や植物等にも使われているアースカラーやパステルカラーの配色が、画面の隅々まで計算しつくされている点です。
その卓越した色使いの妙技は、自己のアーティスティックな感性や美意識に基盤を置きながらも、ロジカルな画面構成や色彩理論を意識した上で映像を作る重要性を教えてくれています。
②BURBERRY(バーバリー)
先日開催された2023-24秋冬コレクションから新CCOにダニエル・リー(ex.ボッテガ ヴェネタ)を迎えた新生バーバリー。
デザイナーの交代は、アパレルブランドにとって非常にエポックメイキングな出来事です。そうした中で、ブランドの強い意志表明や将来的な方向性を示す手段の一つとして、映像コンテンツは非常に有効であり、新しいプロモーション戦略を構築する上でも非常に重要です。
③LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)
デザイナーのヴァージル・アブローがなくなったことが話題になったルイ・ヴィトン。DNAの二重らせん構造からインスピレーションを得た2023春夏メンズコレクションのプロモーションムービーでは、個性的な色使いと小物の存在感が際立つユニークな作品を展開しています。
荒野に停められたヴァイオレットカラーの車、イエローとサックスブルーカラーのフラフープ、折り紙のような白色のストラクチャー、黄色のフラッグなど印象的な小物の数々が、コレクションウエアの魅力をヴィヴィッドに彩っています。
奇抜なアイデア光るルイ・ヴィトン渾身の一本は、次世代のクリエイターを奮い立たせるようなクリエイティブティに満ち溢れたものに仕上がっています。。
こちらの映像のドラマティックなシルエットが特徴的なウェアの数々は、女性のワードローブのスケールを再解釈して作り出されたもの。視聴者の目を惹くモデルハウスのミニチュア模型も、比率の再構築というコンセプトの延長線上にあるものです。
背景をシンプルにすることで、衣類の印象的なヴィジュアルを際立たせる配慮がなされている点もユニークです。
④GIVENCHY(ジバンシィ)
世界観が独創的な、GIVENCHY2023春夏シーズンのマシュー・ウィリアムズによる最新ムービー。単色のシンプルな背景と美しい衣装に身を包んだモデル、近未来的な響きの音楽。
ストーリー性やシーケンスなどの文脈的/構造的な要素ではなく、色彩や映像の質感といったテクスチャー的な要素を重視した本映像は、無駄を削ぎ落としたプロモーションの好例として参考にしたいところ。
こちらは、100周年のアニバーサリーイヤーを迎えたディズニーとのコラボレーション動画です。現実世界とアニメーションの世界がシームレスに溶け合った映像が面白く、ファンタスティックな喜びを与えてくれる作品。
ジバンシィのファッションを身に纏った人物たちがCGで構築されたディズニーの世界を旅する内容になっています。
⑤GUCCI(グッチ)
グッチの2023春夏シーズンのPRムービーでは、ジェンダーの区別ないコレクション全体の魅力を一つの映像で伝えています。
女性同士、男性同士の仲睦まじい瞬間をシンメトリーな構図で描いているユニークな一本。先に紹介したディオール同様、衣服のデザインだけでなく既存のジェンダー観にとらわれない関係性を映像だけで描き出している点も非常に印象的です。
まとめ
“流行”を作っていくのが一つの役割だからでしょうか。時代の最先端を突き進むラグジュアリーブランドのプロモーションムービーは、どの作品もいまの空気感を克明に映し出しています。
今回ご紹介したような視点から他のブランドの映像作品を視聴しても面白いかもしれません。
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