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美大・芸大のユニークなプロモーション映像をご紹介

美大・芸大のユニークなプロモーション映像をご紹介

季節が深まり、気付けば芸術の秋が訪れています。10月、11月は文化祭が多く開催されるシーズンでもありますよね。

最近、アカデミックな芸術系の教育機関ではそうした催し物やフェスティバルの宣伝のために積極的に映像を活用するようになっています。そこで今回は、YouTubeを中心に公開されている美大・芸大のユニークな映像プロモーション事例をご紹介していきます!

事例紹介

①東京藝術大学

東京藝術大学公式チャンネルでは、キャンパスで行われているレッスンの模様を映像化して一般公開しています。多様な専攻のリアルな授業風景を視聴できる貴重なコンテンツとして、多くの芸術愛好家から大きな支持を集めています。

愛と緊張感あふれる指揮科のレッスンの様子を撮影した最新動画は、公開1ヶ月で8万回を超える視聴回数をマーク。学生数は毎年10人前後と芸大屈指の狭き門として名高い専攻だけあって、チャンネル内でも過去最高水準の高い注目を集めています。

横浜みなとみらい地域にある映像研究科アニメーション専攻。意外と知らない人も多い同学科のプロモーション映像では、学生たちが実際に作業する現場の様子を撮影。様々な専門領域の第一人者たちとの対話を通して3人の学生が作品づくりのヒントを得ていく場面が描かれており、短編のドキュメンタリー映画を見ているような面白さがあります。

②京都芸術大学

2020年の3月にチャンネルを設立後、京都芸術大学では積極的にYouTubeを活用した情報発信に取り組んでいます。入学志望者を主なターゲットとしたコンテンツを制作しており、スマホ片手でいつどこでも研究を深めることができるオープンキャンパス的な内容に定評があります。

京都芸術大学の卒業生が作詞とクリエイティブディレクターを担当したMVもチャンネル屈指の人気コンテンツに。最前線で活躍しているOBとの企画ものを実現できるのも芸大にしかできない強みのひとつです。未来への大きな希望と不安が背中合わせになった学生たちの心情をリアルに歌い、受験生を中心に大きな反響を呼んでいます。

こちらの映像では、大学院の修士課程「美術工芸領域」コースを紹介。担当教員による解説や、在学生インタビューを通して、視聴者が具体的に入学後のキャリア形成をイメージしやすい内容になっています。求める人材像を詳細に伝えている点においては、一般企業の採用動画にかなり近いテイストを持っています。

③金沢美術工芸大学

金沢美術工芸大学では、今年度から(2023年)のキャンパス移転に伴うプロモーションを、映像を通して行なっています。アニメーションを活用した予告映像は、大学OBであり客員教授でもある米林宏昌監督と学生が協働で制作。広く好評を博しました。

スタジオジブリの名作『借りぐらしのアリエッティ』や『思い出のマーニー』などで世界的な知名度を誇る巨匠が、現役学生のイメージやアイデアをもとに完成させた本作は、瑞々しい感性あふれるクリエイティブな1本に。

使い古された道具たちが付喪神(つくも神)のような存在となってインスピレーションを与える。ファンタジックなストーリーに込められたメッセージは、伝統あるキャンパスへの想いと重ね合わせると非常に感慨深いものがあります。

今年春には10月から移転した新キャンパスの一部を映像化。建物の内部を丁寧に撮影しており、学生や入学志望者だけでなく一般の視聴者のアテンションも集まるような内容になっています。施設紹介映像をつくる上でも参考にしたい一本です。

④武蔵野美術大学

30年余り前から映像表現を専門的に学べる映像学科が設立されている武蔵野美術大学。2010年にスタートしたYouTubeチャンネルでも、積極的に映像コンテンツを活用して情報発信しています。

ムサビのキャンパスライフを描いたPRムービーは、この2年間で5本と定期的に公開されています。上記のように生徒の一日をダイジェストのように切りとったものや、授業風景にフォーカスしたもの、芸術祭や制作展などのイベントの様子を撮影したものなど、どの映像もコンセプトが明快。入学から卒業までの道のりを映像で一望できるため、入学希望者にとっては非常に有益な映像シリーズになっています。

在校生インタビューを縦型のショート動画で制作した「ムサビで学ぶ」シリーズは、チャンネルの中でもとくに注目度の高いコンテンツです。自撮りやスマホ撮影も使用されているため、ライブ感のある映像で生徒たちのリアルな声を聞くことができます。被写体との距離の近いカットが多いので、生徒の表情や心情の変化がわかりやすく、ドキュメンタリー映画のような質感もありますよね。

映像学科専門のYouTubeチャンネルも2021年に独立して創設されています。今年の6月に公開された最新映像では、授業風景を撮影。ワークショップの模様だけでなく生徒が授業で制作したアニメーション作品も収録されています。

チャンネルは、授業紹介にとどまらず、生徒たちがスタジオセットを使ってグループ制作に挑んだデジタルドラマも多数公開しています。どの作品も20分前後で視聴できるショートフィルムの力作揃いなので、ぜひ実際にチェックしてみて下さいね!

まとめ

大学ではYouTubeを使い受験生向けのプロモーションを行うことが当たり前になっています。その中でも、美大・芸大のプロモーションは、彼らの強みがビシバシ伝わる内容になっていますよね。今後も面白いプロモーションがあれば紹介していきますね。

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/コスモス武田
慶應義塾大学卒。大学時代から文学や映画に傾倒。缶チューハイとモツ煮込みが大好き。映画とマンガと音楽が至福のツマミ。

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