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技術の進化が止まらない!生成AIを使った映画予告編

技術の進化が止まらない!生成AIを使った映画予告編

画像参照:https://ja.stability.ai/stable-diffusion

こんにちは、映像制作のエレファントストーンが運営するオウンドメディア「ZOOREL」です。OpenAI社から新たに公開された動画生成モデル「Sora」を筆頭に、現在様々な業界で話題を集める生成AIですが、こうした動画生成AIは、映画や映像芸術の世界でも実用的なツールとしてその存在感を増し、技術の成長と期待値が加速しています。そこで今回はそんな生成AIがいち早く活用された映画予告編をご紹介します。

生成AIを使った映画予告編を紹介

OpenAIの「Sora」登場以前も、WebやiOSアプリで手軽に試せることから人気の「RunwayML」をはじめ、テキストや既存データ(静止画や動画)を元に、リアリティのある映像を自動でつくり上げる動画生成AI(先述したように生成1回あたりの動画の長さはどれも数秒程度)は多数リリースされています。そこで、下記ではこれまで制作されてきたAIによる動画の中から、特にユニークなものを二つご紹介します。

①『死が美しいなんて誰が言った』

昨年劇場公開された『死が美しいなんて誰が言った』長編アニメーション。こちらは画像生成AIを活用し、一桁の少人数で制作したそうです。

本作を手がけたは、モーションキャプチャースタジオ・アインスを運営するズーパーズースです。世界初、画像生成AI「Stable Diffusion」を長編アニメーション全編にわたって使用しています。次世代のアニメ制作に新風をもたらすチャレンジングな試みになっており、AIとモーションキャプチャーを使えば、少人数でも長編作品を制作できると証明しています。

②『Morgan』

IBMが開発した人間のように考え、学習し、分析する人工知能「ワトソン」。そのテクノロジーを使って映画『Morgan』の予告編をつくるというプロジェクトが立ち上がり、ワトソンによってつくられた予告編がこちらです。2016年当時の最先端技術として注目を集めました。

最新作『ナポレオン』でも話題を呼んでいるリドリー・スコット監督がメガホンをとった映画『Morgan』は、ある企業の問題処理係の女性が、超極秘施設で発生したおぞましい事故の調査を行うというスリラーです。上記の映像は、人工知能を作品テーマとして扱うことから、配給元の20世紀フォックスが「自動で予告編をつくることは可能か?」とIBMへ打診。ワトソンが映画本編を分析することで制作したそうです。

テキストから動画を生成する最新モデルとは異なり、既存データを元につくられていますが、とても完成度が高く迫力のあるトレーラーに仕上げていますよね。同ジャンルの映画の予告編を100本以上学習させたうえで、本編の視覚要素や音声要素、構成を分析し、10個のシーンを取り出して完成させるまでに24時間を要しているそうです。

ちなみに、人の手によって制作された公式の予告編がこちらです。

【おまけ】『アルプスの少女ハイジ』

生成AIの活用は、映像のプロだけでなくアマチュアクリエイターの間にも浸透しています。SNSやYouTubeでは、与えらた映像とテキストデータから映像を自動生成するAIサービスの不確実性を利用して、予想の斜め上をいく架空の映画予告編を投稿するムーブメントが流行の兆しを見せています。

上記動画は、スイスのお笑い芸人のKarpiさんが生成AIで制作した『アルプスの少女ハイジ』の予告編。服を纏った馬人間、雲のような牛、お爺さんの顔をした人面犬…原作とはまったく異なるホラーテイストの作風に変化しているのが面白いですよね。

まとめ

今後、AIに関する権利問題や法規制が整うことで、国境を越えて大きな話題を呼んだハイジのように、名作をAIでリプロダクトした二次創作的なクリエーションもどんどん見られるようになっていくことでしょう。生成AIによって、あなたの紡ぎ出した自由なテキストから映像やゲーム、映画まで簡単につくり出せる時代がもうすぐそこに来ています。

この記事を書いた人

ZOOREL編集部
エレファントストーンが運営する「ZOOREL」の編集部です!映像のトレンドにまつわることなどをピックアップしてご紹介します。

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