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パーパス実現でファン獲得。パタゴニアのプロモーション手法に迫る

パーパス実現でファン獲得。パタゴニアのプロモーション手法に迫る

こんにちは、映像制作のエレファントストーンが運営するオウンドメディア「ZOOREL」です。近年、企業の社会的価値や存在意義を重視した経営戦略が注目を集めています。こうしたパーパスの実現と経済的な成功の両立は実現困難なイメージが根強くありますが、それを同時に達成している企業も少なくありません。

そこで今回は、確固たるパーパスとアイデンティティを構築することで顧客のロイヤリティを向上させた成功事例としてアパレルメーカー・パタゴニアのプロモーションをピックアップ。そのプロモーション映像事例を取り上げて詳しくご紹介していきます!

パタゴニアの特徴

【環境問題へのコミットを創業当初から実践】

パタゴニアは、40年以上前から環境問題へのコミットをパーパスとして掲げているアパレル業界の風雲児。ビジネスで得た利益の一部を環境保全に取り組むファンドに投資するだけでなく、「私たちの唯一の株主は地球です」と宣言し、自社株をドネーション(寄付・贈与)。その先進的な取り組みは、業界の垣根を越え、世界的な注目を集めています。

【パーパスを土台に新しいビジネスモデルを構築】

パタゴニアの成功で着目したいのが、ビジネスモデルにパーパスをきちんと落とし込んでいることです。春夏秋冬の「季節ごとに商品を大量につくってお金を稼ぐ」という従来の製造販売モデルからの転換にいち早く着手。

サステナブルな素材を用いたプロダクトの生産のみならず、ショップ内に修理工房や中古品のブースを設けて、リサイクル・リユースマーケットの拡充も積極的に行っています。持続可能性と利益追求の矛盾に真っ向から立ち向かい、その具体的な解決策をはっきりと示している数少ない企業の一つと言えるでしょう。

パタゴニアのプロモーション映像事例

ドキュメンタリー映画から、商品・社員・サプライチェーン紹介映像等、多岐にわたるプロモーション映像を公開しているパタゴニア。その大きな特徴は、ほとんどのプロモーションで、社会的な取り組みやトピックを織り交ぜた内容を発信していることです。

以下では、同社の代表的なプロモーション映像を紹介していきます。

1. パーパスをドキュメンタリー映画化

パタゴニアは、国際社会がSDGsの目標を共有する以前から、長きにわたって環境問題に取り組んでいる企業です。公式YouTubeチャンネルでは、同社が40年前から取り組んでいる「野生の川と野生の魚の保護」をテーマにした自主制作映画を多数発表しています。

上記『Artifishal』は、野生のサケの絶滅への危機、魚の孵化場や養殖場がもたらす脅威にスポットライトをあてた作品。

こうしたドキュメンタリーは、問題提起によって川や魚の保護、漁業管理についての人々の考え方の変化を促し、環境問題への対話や具体的なアクションへの橋渡しとすることを目的に制作されています。持続可能な社会の実現を目指す企業ならではの先進的なプロモーションと言えるでしょう。

2. サステナブルなアイテム紹介

持続可能性を追求しながら、新規顧客を獲得し、ビジネスチャンスを拡充するパタゴニア。新作リリースや目玉商品をはじめとするプロダクト紹介映像でも、持続可能性と利益追求の異なる二つの価値観をうまくミックスさせたプロモーションを継続的に展開しています。

フェアトレード認定™ 工場で製造されたワークショーツ、100% リサイクル ナイロンのボディ生地で作られたオーバーオール等の商品のアピールを目的とするこちらの映像は、プロダクトの社会的な生産背景を深く下げている点に他社との大きな違いを感じます。

3. 仕事風景を通して取り組みをアピール

パタゴニアが公開する“What WE Do”の映像シリーズでは、パタゴニアの多岐にわたる活動をショートドキュメンタリー形式で紹介。品質管理者、シェフ、チーフデザイナー等、一人ひとりの社員にフォーカスし、様々な分野での取り組みや会社が探求するトピックを視聴者に楽しく伝えています。

映像を見ると、消費者だけでなく従業員もまた会社のパーパスに強い共感を覚えていることがよく分かります。職場での作業風景や仕事の具体的な工程等、働く従業員の様子を通して、会社生活の一部始終を舞台裏まで把握することが出来るユニークな内容になっており、採用映像としての機能も兼ね備えています。

4. 社会的なメッセージと商品紹介のシームレスな融合

アウトドア衣料製造会社としては初めて、ゴミをフリースに変身させた実績を持つパタゴニア。近年では、海洋汚染につながるプラスチック廃棄問題の解決に向けて、製品の多くに使用される高品質のポリエステルとナイロンのリサイクルシステムを導入。YouTubeチェンネルでも、こうした海洋問題への取り組みを定期的に発信しています、

海と人々の深い繋がりを描く“KIN”シリーズでは、海への負の影響を削減するためのパタゴニアの試行錯誤についてオープンに語っています。上記映像では、オーストラリアの大自然が広がる海洋保護区とそこで暮らすとある家族の営みを描きながら、さりげなくパタゴニアのサーフボードとサーフウエアも登場。社会的なメッセージと製品アピールをシームレスに融合させた好プロモーションと言えるでしょう。

まとめ

これまでご紹介してきたように、ビジネスだけでなく、投資、発言力、想像力等、持てる全てのリソースを使って、持続可能性と経済的成功の双方を同時に達成しているパタゴニアのプロモーションには、パーパス実現を模索する上での重要な手がかりが数多く隠されています。

今回お届けできなかった映像コンテンツ以外にもたくさん面白い作品があるので、ぜひチェックしてみて下さいね!

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/コスモス武田
慶應義塾大学卒。大学時代から文学や映画に傾倒。缶チューハイとモツ煮込みが大好き。映画とマンガと音楽が至福のツマミ。

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