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観光客・移住者の増加に貢献。島根県公式「しまねっこCH」とは?

観光客・移住者の増加に貢献。島根県公式「しまねっこCH」とは?

こんにちは、映像制作のエレファントストーンが運営するオウンドメディア「ZOOREL」です。今回はユニークな旅行を提案している島根県の公式観光プロモーションチャンネル「しまねっこCH」の取り組みをご紹介していきます!

「しまねっこCH」の特徴

2013年に創設された「しまねっこCH」は、島根をPRする公式YouTubeチャンネルです。これまで1,700本以上の動画を公開しており、歳月とともにユーザー数が増加。現在では2万人を超える登録者数を誇る人気チャンネルに成長しています。

島根県の観光キャラクター「しまねっこ」の名前がついていますが、そのコンテンツはゆるキャラに限りません!

①新しい旅のかたちを発信

同チャンネルでは、「インフラツーリズム」や「田舎ツーリズム」等、他県には見られない新しい旅のかたちをツーリストに提案しています。こうした独自性の強い旅のプランを立案する過程で、これまで観光資源と思われていなかった施設や場所が、新しい観光スポットとして脚光を浴びることも少なくありません。

地域の魅力を再発見するヒントやアイデアがたくさん詰まっているのが特徴です。

②多彩なコンテンツ

移住希望者に向けたPR動画、地域住民に向けた実用的な動画、誰もが気軽に楽しめるエンターテイメント性の高い動画等、「しまねっこCH」には多彩なコンテンツが揃っています。バラエティ豊かな情報をコンスタントに提供することは、幅広い層のファンの獲得に繋がります。

特に島根県を舞台にした島根県による島根県民のためのドラマ「しまねがドラマになるなんて!リターンズ」は地元ネタ満載。都会から島根県に舞い戻ってきた人たちの人間模様を描いたユニークな内容がSNS上で話題を呼びました。その人気は島根県の枠を飛び越え、多数の視聴者の獲得に成功しています。

③海外ツーリストの誘客

「しまねっこCH」では、韓国語、中国語、英語、フランス語、タイ語と複数の言語を用いたコンテンツを制作。全世界の旅行者を視野に入れたプロモーションを展開しています。海外ツーリストの誘客にはきめ細やかな情報発信が不可欠です。

数年前まで島根県を訪れる外国人ツーリスト数は国内最低水準にまで落ち込んでいたそうですが、地道なプロモーションの積み重ねが身を結び、昨年の外国人宿泊客数は前年比6倍にまで伸びているようです。

「しまねっこCH」のコンテンツをご紹介

1. 島根県独自の魅力を「インフラツーリズム」「田舎ツーリズム」としてPR

「しまねっこCH」では、他県にはない独自の旅の在り方を旅行者に提案しています。その一つが、島根県に点在する魅力的なインフラ施設を訪れる「インフラツーリズム」です。

島根県では公共インフラを広く紹介するガイドブック「しまねインフラツーリズムガイド in IZUMO」を制作。「インフラツーリズム」という聞きなれない言葉に戸惑う旅行者に配慮して、3月公開の新作動画では、その楽しみ方を丁寧にレクチャーしています。

こちらではガイドブックにも登場する隠岐地方のインフラ施設と「隠岐ユネスコ世界ジオパーク」を代表する景勝地をあわせて紹介。建築や土木景観の美しさを伝える施設紹介動画としても非常に参考になる1本です。

都市部にはないフレッシュな魅力がある島根県ですが、その全容を写真やテキストだけで伝えることは難しいです。本チャンネルでは、「田舎ツーリズム」と称して島根県の田舎の素晴らしさ、美しさを視聴者に届けています。地域の魅力を再発見して新しい観光スポットを自分たちでつくり出し、映像コンテンツ化しているのです。

「インフラツーリズム」にしても「田舎ツーリズム」にしても、独自のスタイルで誘客しようという島根県の強い意気込みを感じさせる取り組みになっています。

2. 移住希望者に届く地元のあたたかさ

地方都市への移住を検討する人が増える近年。「しまねっこCH」では、地方の暮らしに関心を持つ人に向け、島根県を移住先としてイメージすることのできるプロモーション動画を数多く発信しています。

シリーズ化されている「しまねリアルライフ」では、島根県の暮らしを選んだ移住者のインタビューを公開。島根県全19市町村の生活者を対象に制作されており、それぞれの居住地におけるリアルな生活を知ることができます。

その他、人の繋がりや温かさをコンセプトに掲げるプロモーションムービー「いいけん、島根県」は、チャンネル内でも屈指の注目度を誇る人気シリーズです。そのどれもが島根県での暮らしに興味がある人をターゲットにした内容になっており、「住む」「暮らす」「働く」と移住にかかわる具体的なイメージが膨らむ作品に仕上げています。

先ほどご紹介したシリーズとテーマは似ていますが、写実的でインタビュー中心の「しまねリアルライフ」と比較して、「いいけん、島根県」はストーリー性が高いのが特徴です。シリーズごとに棲み分けがしっかりされているのもYouTubeチャンネル運営の参考になります。

ショート動画を活用したお仕事系コンテンツ「MEET THE みちごと」では、島根県内の建設業技能系職種を紹介。少し難しそうなイメージのある技術職の概要も、「特殊運転手」にフォーカスしたこちらの動画のようにインパクトのある映像を通して分かりやすく伝えています。

3. マルチな言語対応で訪日旅行者を獲得

「しまねっこCH」では、日本語だけでなく韓国語、中国語、英語、フランス語、タイ語でプロモーション映像を制作しています。マルチな言語で島根県の魅力を発信することで、訪日ツーリストの誘客に成功しています。

これらは、中国語で出雲大社、フランス語で石見神楽、タイ語で隠岐ユネスコ世界ジオパークの絶景を紹介した映像です。

島根県浜田市では、映像でも紹介されている石見神楽や伝統工芸等の伝統を生かして、外国人観光客を呼び込む取り組みを積極的に実施。映像から派生して、石見神楽の海岸上映、石洲和紙の紙すき体験といった体験型ツーリズムもじわじわと評判を呼んでいます。

国際的な知名度が低くても、地道なプロモーションの積み重ねによって外国人観光客の呼び込みに繋げたモデルケースと言えるでしょう。

まとめ

島根県観光動態調査結果によると、島根県の観光入込客数は感染症流行下で一時減少したものの、令和4年には前年比24.5%増で回復し、各方面での集客に成功しています。その観光促進施策の一つに「しまねっこCH」の観光プロモーションがあるのかもしれません。


 

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この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

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