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“働く意義”を映像で描く──パーソルグループの注目ブランドムービー『将来の夢』篇を分析

画像引用:https://www.persol-group.co.jp/news/20250812_01/F
こんにちは!ZOORELを運営する映像制作会社エレファントストーンです。
現在、パーソルグループの最新ブランドムービー『将来の夢』篇が大きな話題となっています。
本作は、心温まるショートストーリーを通じて“働くことの意義”を問いかける内容で、視聴者に気づきや発見をもたらします。これからのブランドムービーの方向性を示す、注目すべき一本です。
そこで今回の記事では、『将来の夢』篇の魅力を詳しく掘り下げ、どのようにして人々の心に響く作品となったのかをご紹介します。
パーソルグループ 事例紹介
「人材サービス」と「HRテクノロジー」を軸に幅広い事業を展開するパーソルホールディングスは、グループブランド「PERSOL(パーソル)」の最新ブランドムービーを8月から公開しました。
本作は、社会人にとって普遍的なテーマである“働くことの意義”を感動的なショートストーリーで描いており、YouTubeでは783万回再生されるなど、大きな反響を呼んでいます。
単なる人材紹介の訴求にとどまらず、「人生」「社会」「未来」といった大きな視点から、企業ビジョンである「はたらいて、笑おう。」を伝えた本作は、ブランドムービーのお手本と言える一本です。
小さな物語に込められた感動
物語は、ある小学生が将来の夢を書き綴るシーンから始まります。
主人公・星野美月は、かつて宇宙飛行士を夢見ていたものの、今は文具メーカーで若手社員として働く日々。期待と現実のギャップに揺れながらも、新商品開発にたずさわっています。そんな中、数多くの仕事の連鎖を経て、企画した商品が意外な形で宇宙飛行士というかつての夢に繋がります。
日常のふとした気づきときらめきが、自らの「働く意義」につながる感動的な瞬間を描いたショートストーリーの名作です。
パーソルグループ映像 3つの魅力
1. 企業ビジョンをストーリーで表現
働くことをポジティブに描いた本作で特に注目したいのは、共感を呼ぶストーリーテリングを重視している点です。3分に満たない短い物語の中に、パーソルグループのビジョン「はたらいて、笑おう。」が自然に、そして深く反映されています。
物語は、日々の「働く」に疑問を感じながらも、誰かとのつながりや仕事の意義を再発見し、自分自身の笑顔へと立ち返る瞬間を丁寧に描きます。シーンごとの感情の起伏や、主人公の表情、職場の温かな空気感など、映像表現による“小さな気づき”が視聴者の共感を誘っています。
2. リアリティーのある人物像と映像演出
主人公を演じるのは葵うたのさん。リアルな演技で、夢と現実の間に揺れる複雑な心情や葛藤を自然に表現しています。小さな仕草や表情の変化まで丁寧に映し出されることで、視聴者は主人公の気持ちに共感しやすくなっています。
監督を務めるのは橋本侑次朗さん。『映像作家100人』(2020年)にも選出された経歴を持ち、詩的な映像表現を軸に、ドキュメンタリー、ミュージックビデオ、企業のブランドムービーまで幅広く手掛けるクリエイターです。
本作では、橋本監督ならではの繊細な光の使い方やフレーミング、テンポのあるカット割りにより、日常の何気ない瞬間が鮮明に映像化されています。これにより、主人公の感情の揺れや仕事のやりがいが視覚的に伝わる構成となっており、短時間のショートムービーながらも深い没入感を生み出しています。
下記同じく橋本監督が制作した欅坂46 守屋茜のMV 『DAY DREAM GIRL』で体現されているように、行間や意外性のあるつなぎで繊細な心の揺れ動きを匂わせる演出を得意としています。
柔らかい光の演出、余白のある表情描写、抑制された音楽・ナレーションなど、すべてが「観る人自身が答えを見つける」ための仕掛けになっており、本作でも深い余韻を残す作品に仕上げています。
3. メッセージの強度
本作の最大の魅力は、単なるブランドムービーの枠を超え、「働くことは誰かの笑顔につながる」という力強いメッセージを丁寧に描き切った点にあります。
物語は、理想と現実のギャップをしっかりと描きながら、なりたい自分と今の働き方が交差する瞬間を映像化。主人公の葛藤や小さな発見を丁寧に追い、視聴者に「働くこと」をポジティブに捉え直すきっかけを提供します。
さらに、光やカット割り、音楽・ナレーションといった映像演出が、メッセージの強度を自然に増幅。感情の起伏や日常の喜びを映像的に際立たせることで、短い3分弱のショートムービーながらも、視聴後に深い余韻を残す構成になっています。
まとめ
パーソルグループは、1年間でもっとも“はたらくWell-being”を体現したビジネスマンに贈るアワード『はたらくWell-being AWARDS by PERSOL』を設けるなど、働くことの幸せについて考えるきっかけづくりを重視している企業です。
観る人自身が答えを見つけるように設計された「将来の夢」篇は、気づきと発見に満ちており、プロモーションを考える上で様々なヒントを与えてくれます。