画像引用:https://www.jreast.co.jp/jrskiski/lp/
こんにちは!ZOORELを運営する映像制作会社・エレファントストーンです。
かつてバブル期の日本において、冬のレジャーといえばスキー旅行が定番でした。中でも、1987年公開の映画『私をスキーに連れてって 』は社会現象を巻き起こし、若者文化とスキーを強く結びつけた象徴的な作品です。
しかし現在、リフト代やレンタル料金の高騰、レジャーの多様化などを背景に、若年層にとってスキーは以前ほど身近な存在ではなくなりました。そんな時代にあっても、冬の情緒や高揚感を描き続けているのが、JRによるスキーキャンペーンCMです。時代が変わってもなお受け継がれる、そのテイストとメッセージ。そこで今回は、スキーブームの記憶を振り返りながら、現代に続く“冬CM”の系譜とその魅力を掘り下げていきます。
「JR SKISKI」2025-26シーズンのCM
概要
東日本旅客鉄道が12月15日に発表したスキー旅行キャンペーン「JR SKISKI」。2025-26シーズンのキャッチコピーは「今だけは青い冬」です。
CMは同18日よりテレビ放映を開始。2025-26シーズンのメインヒロインには、俳優の上坂樹里さんが起用されています。「JR SKISKI」は1991年から続くスキー旅行キャンペーンで、30年以上にわたり冬の風物詩として親しまれてきました。毎年掲げられる印象的なコピーと、旬の俳優を起用した映像表現は、その時代の“冬の空気”を映し出す存在でもあります。
JR SKISKI歴代ヒロイン
ヒロインに選ばれた俳優はその年のさらなる飛躍が期待されることから、「登竜門」的存在としても知られています。これまでにも、本田翼さん、江角マキコさん、川口春奈さん、浜辺美波さん、吉川ひなのさんなど、そうそうたる顔ぶれが名を連ねています。
近年のヒロイン一覧
2012年:本田翼
2013年:川口春奈
2014年:広瀬すず
2015年:山本舞香、平祐奈
2016年:桜井日奈子
2017年:原田知世
2018年:松本穂香
2019年:浜辺美波
2020年:本田翼
2021年:なし
2022年:南沙良
2023年:桜田ひより
2024年:出口夏希、青木柚
2025年:上坂樹里
時代ごとの“次世代スター”を映し出してきたJR SKISKI。ヒロインの変遷を辿ることは、そのまま日本の若手俳優史を振り返ることにもつながります。
BGMの秀逸さにも注目
JR SKISKIの魅力を語るうえで欠かせないのが、印象的なBGMの存在です。スキーといえば、広瀬香美 さんをはじめとする“冬を代表するアーティスト”の楽曲を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
JR SKISKIのCMでは、毎年その時代を象徴するアーティストの楽曲が採用されており、CMの世界観をより鮮やかに印象づける役割を担ってきました。実際に、CMで使用された楽曲がヒットソングとして注目を集めることも多く、ゲレンデの高揚感や青春の空気感を音楽の面からも支えています。これまでにも、GLAY 、松任谷由実 、globe 、ZOO など、時代を彩るアーティストが参加。映像と音楽が一体となることで、JR SKISKIならではの“冬の記憶”が形づくられてきました。
そして2026年シーズンのCMでは、バンドのLaura day romance が楽曲提供を担当。80年代の空気感をオマージュしたサウンドは、懐かしさと新しさを同時に感じさせ、映像の持つノスタルジックな世界観をより一層引き立てています。ヒロインや映像表現だけでなく、音楽という側面からも時代性を映し出してきたJR SKISKI。BGMもまた、このキャンペーンを語るうえで欠かせない重要な要素と言えるでしょう。
2025-26年度JR SKISKI CM
1. 準備編
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スキー旅行を計画する大学生6人組。これから雪山へ向かう高揚感とともに、大学4年生として過ごす“最後の冬”であることもさりげなく示唆されています。
メインヒロインを務める上坂樹里 さんは、本CMで一切セリフを発していません。しかし、ふとした視線や表情、仲間との距離感といった繊細な仕草によって、同じグループの誰かに想いを寄せているのではないか——そして、このスキー旅行がその気持ちを伝えられる“最後の機会”なのではないか、という余白あるストーリーが丁寧に描かれています。
言葉に頼らず、映像と空気感だけで感情を伝える演出は、JR SKISKIが長年大切にしてきた“青春の一瞬”を切り取る表現そのものと言えるでしょう。なお、本CMはフルバージョンに加え、より凝縮された15秒バージョンも展開されており、限られた尺の中でも同様の余韻と物語性を感じさせる構成となっています。
2. ゲレンデ編
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実際に雪山を訪れた大学生6人組の姿を描いた第二弾では、物語がさらに一歩踏み込みます。スキー初心者と思われる想いを寄せる男子大学生に対して、上坂樹里さん演じるヒロインが優しく滑り方を教える場面が印象的に描かれます。
ぎこちなく雪の上で転倒した二人。しかし、そのまま起き上がらず、ふと手を取り合う——。言葉はなくとも、互いの想いが通じ合ったかのような瞬間が描かれ、青春ならではの淡くてまっすぐな純愛を感じさせる象徴的なシーンとなっています。そして、このCM第二弾で初めて上坂さんのセリフが登場します。それは決して多くを語るものではありませんが、その一言によって、それまで積み重ねてきた空気感や感情が一気に輪郭を持ち始めます。
キャッチコピーでもある「今だけは青い冬」という言葉を体現するかのように、不安や期待、そして恋心が入り混じる“未完成で尊い時間”が鮮やかに描かれており、JR SKISKIが長年描き続けてきた“青春の原風景”を、現代の感性で丁寧に更新した作品と言えるでしょう。
まとめ
“ゲレンデマジック”という言葉が象徴するように、スキーやスノーボードはかつて日本中を熱狂させた冬のカルチャーでした。そして2026年は、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック の開催を控え、ウィンタースポーツへの関心が再び高まりつつあります。
そうした時代の空気の中で、本CMは単なる旅行プロモーションにとどまらず、“誰もが経験したかもしれない青春の一瞬”を丁寧に切り取ることで、視聴者自身の記憶や感情を呼び起こします。ノスタルジーと新しさを両立させた演出は、JR SKISKIが長年培ってきたブランド資産を現代的にアップデートした好例と言えるでしょう。
思わず久しぶりに雪山へ足を運びたくなる——そんな衝動を喚起する、甘酸っぱくも普遍的な魅力を持ったCMとなっています。