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「映像のまち」川崎、映像で街の活性化を狙え

「映像のまち」川崎、映像で街の活性化を狙え

近年、映像を活用したシティプロモーションの重要性が月日とともに増していますが、それに伴い、まちぐるみで映像文化を盛りあげていこうという自治体の取り組みも目立つようになっています。

今回、ご紹介させていただく川崎市の事例はその最たるもの。まだいろいろと模索中なところもありますが、今後ますます盛り上がっていく気配がひしひしと漂っていてとても意欲的!ぜひご一読くださいませ。

「撮る・創る・観る」。三位一体となった“映像のまち”川崎市

「映像のまち・川崎」推進フォーラムによって映像を媒介として革新的なまちづくりを行っている川崎市。“撮る・創る・観る”ための環境に恵まれた国内有数の映像のまちですが、川崎市はなぜこのような取り組みをはじめるようになったのでしょうか?

 川崎にゆかりのある多数の作品とクリエイター

川崎市はかねてから、日本初のシネコンともされる「川崎チネチッタ」をはじめ市民に愛される多数の映画館が存在し、多くのドラマや映画のロケ地として活用され、映画の専門学校や映像スタジオも少なくなく、映像とともに歩んできたまちの歴史があります。

インターネットの登場によって一般の人々に身近なコンテンツとなる以前から、川崎市では映像が人々のコミュニケーションツールとして社会生活のなかに深く浸透していたのです。まちにゆかりのある映画監督、俳優、映像クリエイターの活躍もひときわ際立っています。

映像のまち・川崎を語るうえで絶対に欠かせないのが、名画座「川崎チネチッタ」と日本映画大学。

世界でもその名を知られる日本映画大学は、川崎市内の新百合ヶ丘にキャンパスがあり、数多くのクリエイターを輩出し続けています。創設者は、名作『楢山節考』『うなぎ』で日本人で唯一とばるカンヌ国際映画祭最高賞「パルムドール」を二度受賞した今村昌平監督。

「無人の荒野を突っ走れ!」という故人の熱い血脈は、今もなお若いクリエイターたちに受け継がれています。映画館と映画学校、撮ると観るが一体になっていて映画ファンにはたまらないまちですよね。

 次世代のクリエイター育成へ。動画のつくり方をYouTubeで紹介!

「映像のまち」川崎フォーラムでは、映像に関する多種多様なリソースを生かして新らしいまちの魅力を発信するさまざまな取り組みが行われています。

なかでも面白いなと思ったのが、YouTube動画の撮影方法とアップの仕方を自治体が推進して紹介していること。

「カットとシーンの違い」「画角」「スマホ編集」を初心者向けに解説。子ども世代のユーザーも視野に入れて分かりやすHOWTO動画になっていて好感度が高いです。

音の質が動画のクオリティに大きく左右する点も、映像制作における重要なポイントとしてきちんと指摘されています。繰り返しますが、これ自治体がやっていることですからね。映像の専門学校ではないんですよ。

まちのPR映像のコンテストも開催!

かわさきPR映像コンテスト「かわさき、ええぞー!」も開催。“Colors.Future!いろいろあって、未来。”を共通のテーマとして設定。

「CM映像」部門は、30秒以内のCM作品、「ストーリー部門」は、1分から3分以内のストーリー性のある作品となっています。こういったコンテスト型のインタラクティブなシティプロモーションも画期的でおもしろいですよね。

また、川崎市で撮影された映像・テレビドラマの中から「マイベスト」を選んで投票してもらう企画「川崎ロケアワード」も昨年に開催。日本映画大賞を受賞した『シン・ゴジラ』の重要なシーンでも、武蔵小杉など市内の9カ所がロケ地になっています。

まちのヒストリーやアーカイブ、いまのニュースを映像コンテンツとして発信

1924年に誕生し、100周年を迎えようとしている川崎市ですが、「映像のまち」川崎フォーラムでは、自治体が保有する過去に映像をコンテンツ化することで一般公開。

映像を通じて川崎のまちの過去と現在の姿をより多くの人に向けて発信しています。

市の歴史をYouTubeで紹介。貴重映像も満載です。市役所の倉庫に眠らせておくのはもったいない記録ですよね。

現在、人工知能でモノトーン映像をカラー化するテクノロジーが加速度的に進化しているので、こういったアーカイブを現代に蘇らせる形の映像コンテンツも今後増えていくことでしょう。

映像制作ボランティアグループ「かわさきキネマサークル」では、市民の市民による市民のための映像コンテンツであり、川崎の「いま」を動画で撮影し、ニュースとして配信する活動をしています。メンバーは、市内で暮らすシニア世代が中心のようですが、コロナ禍にあっても明るいニュースを市民に届けようとするそのメッセージに共感が持てます。

まとめ

いかがだったでしょうか? 「撮る場所」「観る場所」「創る場所」「才能育成の場」「販売店」がそろった川崎市の試みは、新しい文化的な環境づくりや産業コンテンツ制作のモデルケースともいえる意欲的な取り組みになっています。シティプロモーションを考える上でも参考になる点が多いですよね。

個人的には、庶民的な多摩川の風景が好きなので、人々のささやかな日常を切りとるロケ地としても注目していきたいです。また、川崎市には多くのIT企業もあり、映像ソフト面でベンチャー企業を育成するプランも創案されているようです。

今後ますます発展していくであろう“映像のまち・かわさき”。

今回ご紹介出来なかった「しんゆり映画祭」や「毎日映画コンクール」などなど、他にも面白そうな企画が目白押し。町をあげて映像で盛り上げようという動きがひしひしと伝わってきました。みなさんもぜひその活動をチェックしてみて下さいね。

映像のまち・かわさきホームページ

次回は、富山県の取り組みをご紹介する予定です。お楽しみに!

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/コスモス武田
慶應義塾大学卒。大学時代から文学や映画に傾倒。缶チューハイとモツ煮込みが大好き。映画とマンガと音楽が至福のツマミ。

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