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「ひとり旅」がテーマなPR動画っていいですよね

「ひとり旅」がテーマなPR動画っていいですよね

「女子旅」をテーマにした観光PR動画をお届けした以前の記事に引き続き、今回は「ひとり旅」を題材にした作品をご紹介します。

「女子旅」のときにもお伝えしたように、「ひとり旅」がテーマの観光PR動画においても、やはりここ最近は、女性の視点から旅の魅力をアピールする作品作りがトレンドになっています。男性のひとり旅を扱った動画はVlogではわりかし人気があるジャンルなのですが、自治体が制作したものでは割合としては少なくなっているのが現状です。

そんな中から、あの超有名タレントを起用したものや県を跨いで制作されもの、若者感全開なものや少年のイノセンスと田舎の人情が溢れたものなど、ユニークな内容のものを4本ピックアップしてみたので、ぜひチェックしてみて下さい。

石原さとみ出演!“東京を再発見”する東京メトロのPRショートムービー

石原さとみさんが出演されていることでも話題になった東京メトロの観光PRムービー。

東京メトロは、都内の名所やおすすめグルメを紹介する観光PR動画を「スペシャルムービー」シリーズとして100本以上制作しており、上の動画もそのうちの一つです。石原さとみさんのタレント性が魅力的なのはもちろんのこと、個人店にフォーカスして、食べ物の美味しさを映像の前面に押し出している点もユニークで見過ごせません。

こちらの動画では、昭和初期から現在まで地元の人々を癒し続けている北先住の銭湯をご紹介。他の作品でも、石原さとみと東京を探報するというテーマの下、浅草、田原町、和光市、平和台、小竹向原エリアなど都民が普段通り過ぎている身近な場所を深掘り。

地方から東京への旅行の手引きや近郊からの東京観光にガイドとしても活用できますし、都民が近場の隠れたお出かけスポットを再発見したりと、非常に汎用性の高い連作シリーズになっています。マイクロツーリズム(近場への小さな旅行)向けのPR動画としても参考になる点が非常に多いです。

また、石原さとみさんというとドラマ『失恋ショコラティエ』以降で着用した衣装が売れに売れたということもあり、東京メトロのCMで使われたブランドの衣装にも注目が集まりました。

旅の魅力いっぱい!大分県と熊本県の合作PR動画

以前、プロのシンクロチームが全力の演技で「おんせん県」大分をPRする「シンフロ」をご紹介しましたが、こちらの動画も温泉大国の魅力にあふれた一本になっています。

「温泉女子」というユニークなテーマ設定もさることながら、観光PR動画のお手本のような作りになっていて見応え十分。

目の前に広がる山々の雄大な風景、緑いっぱいの樹々に囲まれた温泉、古民家の縁側で食べる炊き込みご飯。「いい景色、いい温泉、美味しい食べ物」と、わたしたちの旅行熱を高める最強の三大要素があますことなくこの一本に詰まっています。

そう、一見旅行客のターゲットを「温泉女子」に限定しているように見えて、その実すべての旅行客に刺さる作品に仕上げているんです。

ここのところ多様化が加速している観光PR動画の世界ですが、伝えるべき本質はどんなコンセプトであろうと変わらないのだと観ていて実感しました。また、大分県と熊本県の合作である点も見過ごせないポイントです。

ちょい寄りにぴったり!苫小牧市の「ちょっといいかもTOMAKOMAI」

こちらの苫小牧市の観光PR動画は、20代の若者一人旅のリアル感がよく滲みでている一本です。

まったくのノープランで北海道までひとっ飛びな主人公。「あー、自分にもこんな時期あったよなあ」と思わず年寄りの感慨が押し寄せてくる、自由で身軽な若者の特権を感じさせる設定が絶妙です。

行く先となった苫小牧も、SNSでの友人とのやりとりが決め手で、今っぽさも漂います。

あまり観光地のイメージのない苫小牧ですが、札幌からのアクセスの良さ、港の市場や自然豊かな樽前ガロー、馬と触れ合えるノーザンホースパークなど苫小牧の魅力がギュッと詰まった作品になっています。

「ちょっといいかも」というタイトルネーム通り、観ていると自然と札幌観光のついでに“ちょい寄り”してみたくなってきますよね。こちらは春夏篇になっていて、秋冬編も制作されています。ぜひあわせて試聴してみてください。

少年のひとり旅を人情でサポート。心温まる安来市のPR動画

最後にご紹介する鳥取県安来市の観光PR動画は、「少年の一人旅」というコンセプトが新しい一本です。はじめてのひとり旅にはしゃぎすぎてしまったのでしょうか。主人公の少年がお財布とメモ用紙を電車に忘れてしまうところから物語はスタート。

動揺を隠せずに困惑する少年を、安来市の町の人々が優しくサポートしていく展開に、思わずほっこり心が温まる内容になっています。それにしても「少年・少女の旅」がコンセプトのPR動画ってかなり珍しいですよね。

推測にはなりますが、地域観光マーケティングのターゲット層としてジュニア年代の旅を題材にしたのではなく、観光PR動画の企画にあたって「地域の人々の優しさ」をテーマに設定した結果、このような形のストーリーが自然と浮かび上がってきたのではないでしょうか。

そのハートフルな内容とともに、温泉や鍛治工房、城跡といった安来市の観光リソースの素材の良さもよりダイレクトに伝わってくるユニークな作品です。

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/コスモス武田
慶應義塾大学卒。大学時代から文学や映画に傾倒。缶チューハイとモツ煮込みが大好き。映画とマンガと音楽が至福のツマミ。

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