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世界一再生されたコロナウィルス関連動画でビル・ゲイツが予言した“未来への警笛”

世界一再生されたコロナウィルス関連動画でビル・ゲイツが予言した“未来への警笛”

1月7日、首都圏の1都3県を対象にした緊急事態宣言が発令された。期間は2月7日まで一か月間。

再び緊急事態宣言が発令されてしまったわけだが、実はコロナウィルス関連で最も再生されている動画が何かを知る人は少ないだろう。

今回はYouTubeで「コロナウィルス」「Coronavirus」「covid-19」など日本語・英語で検索。その結果、最も再生されていたのはなんと今から5年も前のものだった。(ちなみに日本語の一位はHIKAKINによるコロナウィルス関連の動画が1、2フィニッシュ)

著名人が18分以内に講演を行うTEDチャンネルのもので、登壇者はマイクロソフトでおなじみのビル・ゲイツ。彼は2014年のエボラ出血熱の経験から「次のアウトブレイクは? 我々はまだ準備ができていない (The next outbreak? We’re not ready)」と題したスピーチを行い、2021年1月7日までに3,250万回以上が再生されている。

今回はその動画を現在のデータと合わせてお届けしていこう。

その内容はこうだ。

エボラ出血熱は2014年に広まりシエラレオネを中心とした西アフリカ3か国を中心に患者が18,603名、死者が6,915名(2014年12月14日まで)となった。エボラ出血熱は実は2020年の今でもアフリカのDRコンゴを中心にアウトブレイク→収束を繰り返しているのだが、世界的に広まることはなかった。

だが、ビル・ゲイツは「運が良かった(だけ)」と語る。

その理由として、以下3つをあげている。
1. 医療従事者の努力
2. エボラ出血熱は空気感染をせず、重症になるのが早く感染源となる患者が動けない
3. 都市部にまで感染がいかなかった

ビル・ゲイツは言う「我々は核戦争を恐れてきたが、世界の最大的危機はきのこ雲のような形をしておらずウィルスの形をしている」「核戦争を抑制するために巨額の費用を使ったが、疫病を抑制するシステムにはほとんどなにもやってきていない」。

国境なき医師団は頑張ったが、一方で新しい疫病が流行った時の体制というものは機能しなかったのではなく、そもそも存在していなかったのだ。もし、空気感染するウィルスがあって、ウィルスにかかっても軽傷や無症状の患者がいて、市場や電車に乗ったりしたらどうなるのか?

スペイン風邪では1918年に3,000万人以上の患者が亡くなった、劇的に悪いシナリオもありえると。だが、今から間に合う、早急に対策システムを構築するべきだ!と明るく締めくくる。

YouTubeのコメントで「ビル・ストラダムス」とも書かれたこの予測は、まさしく新型コロナウィルスによる現在の世界情勢がそのビル・ゲイツの提言通りにならなかったことを指し示す。

ビル・ゲイツは疫病対策として、
1. 貧しい国々にもしっかりとした病院・健康保障システムがあること、母親が安全に出産できて子供たちがワクチンを打てること
2. 医療従事者の待機部隊が必要で、軍隊とも連携すること
3. 軍隊の機動力を活かして、感染地の隔離と物流の確保をすること
4. しっかりとシュミレーションを行うこと
5. ワクチンや診断の分野で研究開発が必要

さいわい新型コロナウィルスに対するワクチンはいくつかの国で接種が始まっている。だが、2021年現在、これらがどこまで実現できただろうか。

もしかしたら“天才”“変人”のビル・ゲイツが何か言っている、そう思った観客も少なくなかったのではないか。ちなみに、ビル・ゲイツはすでに7つのワクチンの工場建設に自己資金を投入している。

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

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