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2010年代、フィルムで撮影された映画たち。
こんにちは、ディレクターの深津です。
突然ですがあなたが最近見た映画はフィルム撮影・デジタル撮影、どちらでしょうか?
ほとんどの人はそんなことを気にしていないかもしれません。しかし少しだけ気にして見てみると、より映画の魅力に引き込まれること間違いなしです! 粒子感?フィルムルック?難しく考えずに、まずはフィルムで撮影された映画を見てみると、その良さにちょっと惹かれるかもしれません。そんなフィルムの良さがわかる映画を紹介したいと思います。
最近の映画もフィルムで撮られている
「フィルム撮影って昔の映画だけじゃないの?」そう思われているかもしれませんが、実は現在もフィルム撮影は行われているのです。現在の日本では山田洋次監督や是枝裕和監督らの作品が挙げられますが、作品数としては極めて少なくなっています。
お金も時間もかかるのがフィルム。ここ数十年で進化を遂げたデジタルカメラの普及でフィルム撮影が減少傾向にあることは事実です。ただ、確実に言えることはこの世からフィルムで撮影される映画がゼロになる時代は当分訪れないということでしょうか。それほど愛され、確立しているフォーマットなのです。
アメリカを始めとする海外ではまだまだ多くの作品がフィルムで撮影されています、それではフィルムで撮られた2010年代の映画を紹介したいと思います!
『ヘイトフル・エイト』(2015)
- 監督:クエンティン・タランティーノ
- 撮影:ロバート・リチャードソン
彼がデジタルシネマカメラで映画を撮ったとしたら、それはフィルムの時代が終わるとき。そう言っても過言ではありません。 あらゆるインタビューでフィルムの良さについて熱く語るタランティーノ。そんな彼が8本目にして取りかかった作品は西部劇。しかも65mmフィルムという『2001年宇宙の旅』などの超大作でしか使われることのないフィルムを使っての撮影。
撮影は盟友ロバート・リチャードソン。息の合う万全な制作体制で撮影が行われました。広大で雪の降る荒野と密室劇、65mmフィルムを贅沢に使った本作を見ればフィルム映画の良さを体験できます。
『ファースト・マン』(2018)
- 監督:デイミアン・チャゼル
- 撮影:リヌス・サンドグレン
『ラ・ラ・ランド』(2017)でアカデミー賞を席巻した『ラ・ラ・ランド』の監督・撮影タッグが次に挑んだのはアポロ11号の船長ニール・アームストロングを題材にした本作でした。内容も勿論素晴らしいのですが、特筆すべき点は3種類のフィルムで撮影されたということ。この一本を見ただけで16mm,35mm,65mmと3種類のフィルム体験することができるのです。
どこのシーンでどんな画の変化があるか、そんなことを気にしながら見てみると新たな楽しみ方ができるのではないでしょうか?
『ファントム・スレッド』(2017)
- 監督:ポール・トーマス・アンダーソン
- 撮影:ポール・トーマス・アンダーソン(クレジット無し)
1950年代のイギリス、オートクチュールの仕立て屋が主人公の話。全体を通して上質で格式高く、見ていて心地の良い色合いが続くのですが、その表現をサポートしているのが35mmのフィルムだと思います。人の肌、服の色、空気感、恐ろしいほどに綺麗で記憶に残る映画です。ぜひ、少しだけ部屋を暗くしてなるべく大きな画面で見てみるとより一層楽しめると思います。
まとめ
フィルムの良さを知るにはまずは観ることが一番なのではないでしょうか?
映画館でフィルム上映される機会は少なくなってきていますが、まだまだミニシアターなどをはじめとする一部の映画館ではフィルム上映を観ることができます。大きなスクリーンでフィルムを味わうと家で見るよりさらに魅力的です。ぜひ、まずはフィルム撮影された映画を見て見てください!
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