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バイラル動画の特徴と拡散された動画の事例

バイラル動画の特徴と拡散された動画の事例

近年、SNSの利用者増加に伴って、商品やサービスの認知拡大に効果的なバイラル動画が注目を集めています。視聴者が動画を拡散することで、莫大な広告費をかけずに商品やサービスの認知を広げられるためです。もちろん、売上向上に繋がることもあるでしょう。

しかし、そのようなバイラル動画は、狙ったら必ず拡散されるとは限りません。炎上のリスクも伴うため、企業が意図していなかった形で拡散されることも考えられます。

また、バイラル動画と一言で言っても、共感が得られやすいような日々のあるあるを表現した動画や、インパクトを重視したおもしろいアニメーション動画など視聴者にシェアしたいと思ってもらうための表現は様々です。

そこで、この記事ではバイラル動画の概要や事例、実際に制作する際に押さえるべきポイントをご紹介します。商品やサービスのプロモーション手段としてバイラル動画をご検討の方は、是非参考にしてみてください。

バイラル動画とは?

バイラル動画とは、一言で言うと「感染していくようにインターネット上でユーザーによって急激にシェアが広がっていくような動画」です。

バイラル(Viral)とは、直訳すると「ウイルス性のある」という意味で、バイラル動画は、人から人へとクチコミやSNSを通じて拡散されていく動画を指します。

このバイラル現象は「バズる(BUZZ)」と表現されることがあるため、「バズ動画」と同義と捉えても良いでしょう

例えば、シンガーソングライターのピコ太郎のPPAPの動画は、ツイッターで大拡散されたことをきっかけに1億回を超える再生回数がされました。1億回再生までは4か月で達しており、短期間で多くの視聴者を集めています。

また、アーティストのジャスティンビーバーが同動画をシェアするなど、拡散が日本だけではなく世界中に広がるケースがあるのがバイラル動画の特徴の1つです。

PPAP(Pen-Pineapple-Apple-Pen Official)ペンパイナッポーアッポーペン/PIKOTARO(ピコ太郎)

バイラル動画によって期待できる効果

バイラル動画によって大きく期待できることは、サービスや商品の認知拡大です。視聴者が拡散した分だけ、より多くの人に情報を届けることができます。

また、バイラル動画はTwitterやTikTok、YouTubeといったSNS上でシェアされます。特にバイラル動画がシェアされやすいという意味では、SNSの中でもTwitterやTikTokで動画を投稿することが多いです。

Twitterは日本国内の月間利用者数が4,500万人、TikTokは950万人で10〜20代のユーザーが多く、若年層やテレビを日常的に視聴しない層に対しての訴求も可能です。

そのため、バイラル動画は以下のようなマーケティング課題やニーズを持っている企業が実施している場合が多いです。

・新サービスのリリースにあたって認知を拡大したい
・新規顧客を開拓したい
・若年層に向けたPRを行いたい
・コンテンツの拡散費用に莫大な金額を掛けずにサービスを訴求したい
・企業のブランディングに繋げたい

ここからは、バイラル動画を制作すると具体的にどんな効果があるのかご紹介していきます。

莫大な広告費用をかけなくても幅広い層に動画コンテンツを届ける機会を作れる

バイラル動画が成功すれば、広告費を莫大にかけなくても多くの反響を生み出すことができます。

具体的には、ゼスプリ インターナショナル ジャパン株式会社は、タレントを起用したCMをキウイをキャラクター化させたものに切り替え、話題を呼びました。

視聴者参加型のCM制作やプレゼントキャンペーンなど、消費者が自発的に商品を盛り上げる展開となり、認知度とイメージがアップし、輸入量は約1.5倍に増加しています。

【事例】ゼスプリ インターナショナル ジャパン株式会社 ゼスプリ キウイ TVCM 2016 #02 「キウイはビタミンだけじゃない」フルーツトーク篇

Twitter上の動画でバズが生まれると、多くのインプレッションを獲得することが可能ですが、仮に広告で同程度の認知を拡大したいと考えた場合はかなりの広告費がかかると予想できるでしょう。

例えば、テレビCMなどは15秒1本あたりの相場が40〜75万円リスティング広告では1クリックあたりの相場が10円〜500円です。こうした広告費をかけなくても、バイラル動画が話題となり、Yahooニュースなどのメディアに掲載されれば、更なる認知拡大の効果も期待できます。

しかし、拡散がされるような企画を意図的に制作するのは至難の業です。企画費を軸に制作費用が大きくかかってしまうことと、制作自体を行うことができる制作会社が少ないことを念頭においておきましょう。

さらに、バイラル動画が炎上に繋がってしまい、企業のブランド毀損が起こる可能性もあります。バイラル動画の制作には、リスクが伴うことを理解することも必要です。

また、動画の企画が良いからといって自然に拡散されるとは限りません。そのため、フォロワーが少なく、拡散してくれるユーザーへのリーチが難しいという場合は、SNS広告を利用して初速を作るケースもあります。

特にTwitter広告は、広告そのものがリツイートされて表示される分には課金の対象とならないため、バイラル動画との相性が良いでしょう。

どちらにせよ、成功すれば大きな成果を期待することができますが、大きなリスクが伴うことを事前に把握するべきでしょう。

企業のブランディング効果が期待できる

バイラル動画を使うことで、企業の大切にしている想いやスタンスを伝えることが可能です。動画をシェアした視聴者が感じた「面白い」「かっこいい」などの感情が、その動画を作った企業のイメージに影響を及ぼす可能性があるためです。

具体的には、感染症対策により予定していた撮影が不可能となった中でも逆転の発想で撮影が実施された大塚製薬の「ポカリスエット」の2020年春のキャンペーン動画の例があります。

自分たちの歌を“自分たち”で撮り、全員でつなぎ合わせる「NEO合唱」の動画演出がSNS上で反響を呼びました。

マイナスをプラスに変えることができるという思いが込められた「渇きを力に変えてゆく。」というブランドの力強いメッセージが多くの共感を集めています。バイラル動画を制作する際は、「今、企業として何を伝えたいのか」「どんなブランドとして訴求していきたいのか」を明確にすると良いでしょう。

【事例】大塚製薬株式会社 新ヒロイン・汐谷友希ら中高生が“自撮り”で「ボクらの歌」をリモート合唱! <ポカリスエット> 新CMシリーズ第一弾『ポカリNEO合唱』篇

また、この動画には、動画内に商品をアピールするための情報がほぼありませんが、演出が話題を呼んだことで、動画を通した商品の認知拡大に成功しています。商品説明や商品を前に出した訴求を行わなくてもブランディングができている事例と言えるでしょう。

バイラル動画を活用する際の注意点

バイラル動画は、上記のような効果が期待できますが、活用する上で注意すべき点もあります。コンテンツの内容や拡散方法によっては、企業にそういった意図がなくても視聴者にマイナスなイメージを与えかねません。バイラル動画の制作には、主に以下のようなリスクが伴います。

・炎上してしまう
・拡散されず期待していた効果が出ない
・企業のブランドイメージが毀損される

最悪の場合、動画で訴求していた商品やサービスだけでなく、企業にまで悪い印象をもたれてしまい、ブランドイメージが毀損されることが考えられます。

バイラル動画は、多くの人の目に届く可能性があるため、制作時には企画の段階から細心の注意を払って取り組むことが大切です。ここからは、バイラル動画を活用する際の注意点をご紹介します。

炎上のリスクがある

バイラル動画には、炎上してしまうリスクがあります。動画を閲覧したユーザーが、企業側が意図した動画の内容と異なる受け取り方をする可能性があるためです。

意図せず誰かを蔑ろにしてしまう動画になっていないか、注意する必要があります。具体的には、以下のような視点での炎上が考えられるでしょう。

・ルッキズムを助長している
・人種、性差を感じる

・視聴者の価値観を軽視している
・社会情勢や時代の流れを捉えられていない
・視聴者を誤解させる表現をしている
・視聴者に不快な印象を与えている

炎上はその人の感情や受け取り方によって、千差万別のケースで発生することを理解する必要があります。例えば、公開当初は賞賛が多かった動画でも、別視点でSNSで発生した1つのコメントがきっかけで、批判の声が広がったケースがあります。

多くの人が動画を閲覧する可能性を考えて、「動画が誰かを不快にさせる内容になっていないか」「誤解を与えるような表現になっていないか」など、企画の段階で抜かりなく確認する必要があるでしょう。

認知してほしいイメージとの乖離が生まれる可能性がある

バイラル動画は、思惑通りに拡散されず、企業が望んだ意図での認知に繋がらない可能性がありますバイラル動画は多くの人にみられることが前提とされるため、動画の企画によっては一部の人に対して語弊が生まれてしまうことがあるでしょう。

例えば、多様性をコンセプトとして色々な人種の人に焦点を当て、彼らの体験記を撮影した動画が、特定の人種に対して差別的であると批判を浴びたケースがあります。

バズらせることを意識しすぎると、企業がブランドとして認知してほしいイメージと動画が視聴者に与えるイメージに乖離が発生する可能性があります。「企業として本当に伝えたいことが伝えられない」という状態が起こり得るため、拡散を目的とした動画は繊細に扱う必要があるでしょう。

また、そもそも「本当にバイラル動画が適切なのか」「ブランディング動画やプロモーション動画の方が良いのではないか」など、目的を達成するためにどんな手法が適切なのかを再度検討すると良いでしょう。

ブランディング動画やプロモーション動画については、以下の記事で詳しくご紹介しています。気になる方はあわせてチェックしてみてください。

関連記事:ブランディングムービーの事例を解説!依頼するときに伝えるべき4つのポイントとは?

プロモーション動画の特徴と制作する上で準備すること

拡散されて話題となったバイラル動画の活用事例

バイラル動画には、共感してシェアしたくなるようなものや、思わず見入ってしまうインパクトのあるもの、真似したくなるものなど、それぞれ特徴があります。

企業が制作したバイラル動画の活用事例をみて、動画のイメージを固めていきましょう。

共感してシェアしたくなるような動画の事例

共感を誘う動画は、視聴者に「分かる」と思ってもらうことで拡散を促します。共感に共感を呼ぶことで大きな話題となるでしょう。

再生回数1,000万回以上:懐かしい小学生あるあるネタで誰もが共感できる

【事例】キリン株式会社 プラズマ乳酸菌『SPECIAL STUDENT』

キリン株式会社による「プラズマ乳酸菌」シリーズの商品紹介動画です。「分かる」「懐かしい」となるような「あるあるネタ」で拡散されました

現在の動画の再生回数は1,000万回を超えています。小学生あるあるネタという、閲覧した人誰もが身近に感じる内容を演技派な子役が再現することによって、つい最後まで見たくなる内容になっています。

肝心の商品紹介シーンも前半のあるあるネタと同じテンションで制作することで、広告っぽさを感じにくい仕上がりとなっています。

視聴者の共感を促す動画の演出は、新しい商品のリリースのタイミングなどで多くの人に認知を拡大したいと考えている企業の方に適している方法です。

再生回数1,600万回以上:辛い(からい)商品にちなんだ辛い(つらい)あるある

【事例】日清食品株式会社 チキンラーメン アクマのキムラー「プッツンタイマー」

日清食品株式会社による「アクマのキムラー」という辛いチキンラーメンのプロモーション動画です。辛いチキンラーメンにちなんで、生活や社会で起きる辛い「あるある」を詰め込んでいます。

チキンラーメンの調理時間の3分間にあわせた尺で、5秒毎に1つのあるあるが表示されるテンポの良さに、つい最後まで見てしまいたくなる動画となっています。現在は1,600万回以上再生されています。

チキンラーメンのキャラクター「ひよこちゃん」が劇画タッチに描かれているシュールさも話題となりました。

企業のキャラクターを使用した動画の演出は、「企業に対して親しみやすさを感じてもらいたい」「企業のファンを増やしたい」という課題をもっている企業の方に適している方法です。

インパクトがあって賞賛したくなる動画の事例

インパクトのある動画は、視聴者に「思わず最後まで見てしまう」「感動する」などと感じてもらうことでシェアを促します。何度も見たくなるようなストーリー性のある動画やキャッチーな動画にすることで、視聴者の心を掴めるでしょう。

再生回数4,000万回以上:思わず見入ってしまうストーリー性

【事例】TrueMoveHユニバーサルコミュニケーション株式会社 TrueMoveH:与える

タイのTrueMoveHユニバーサルコミュニケーション株式会社が提供する移動体通信事業者「TrueMoveH」のテレビCMです。こちらの動画は、タイの企業のCMであるにも関わらず、日本でもTwitterを通して拡散されました。

現在は4,000万回以上再生されています。「企業のCMであることを忘れて最後まで見入ってしまう」「泣ける」など反響を呼びました。

感情に訴えかける演出は、ブランドが大切にしているメッセージに共感してもらいたい場合に適している方法です。

再生回数1,000万回以上:キャッチーな音楽とフレーズの虜に

【事例】雪印メグミルク株式会社 カサネテク|無敵の合コンテクニック!?Full ver.

雪印メグミルク株式会社による「重ねドルチェ」というスイーツのプロモーション動画です。「重ねドルチェ」の特徴である4層が重なった構造を、女の子が合コンで様々なテクニックを重ねる姿と掛け合わせて、可愛く、コミカルに表現しています。

現在、動画は1,000万回以上再生されています。「あの手この手」のテクニックを重ねていく様子がキャッチーな音楽とフレーズに乗せて紹介されていることで、「参考になる」「面白い」と話題になりました

このようにあえて商品を押し出しすぎず、キャッチーな音楽やフレーズを利用した動画の演出は、新商品のリリースのために一気に認知を拡大したいと考えている企業の方に適しています。

再生回数330万回以上:幻想的な映像と象徴的な音楽に引き込まれる

【事例】大塚製薬株式会社 ポカリスエットCM|「羽はいらない」篇 75秒

大塚製薬株式会社による「ポカリスエット」のCMです。俳優の中島セナさんをヒロインとした映像と、ミュージシャンのimaseさん、ラッパー兼プロデューサーのPUNPEEさん、ゲーム『UNDERTALE』を制作したToby Foxさんが共作した音楽が美しく協調しています。

中高生をターゲットとした訴求に対して同世代の俳優を起用することで、商品に親近感をもってもらいやすい動画に仕上がっています。

羽なんか、いらないよ。」というブランドが伝えたいメッセージとロゴは、動画のラストにのみ挿入されており、視聴者に広告っぽさを感じさせにくいのもポイントです。

商品の世界観やブランドの大切にしているメッセージを訴求したい企業の方に適している方法です。

再生回数160万回以上:想定ユーザーが興味をもちそうな内容でプロモーションする

【事例】株式会社ネクソン 中村憲剛、高校サッカー部にサプライズ加入!スーパープレイのリクエストでどうなる? EA SPORTS™ FIFA MOBILE「WORKOUT CUP サプライズプレゼント編」WEBムービー

株式会社ネクソンによる「EA SPORTS™ FIFA MOBILE」というサッカーのゲームアプリのWebCMです。元サッカー日本代表の中村憲剛選手が、高校生の練習にサプライズで参加するという内容です。

ピッチ上での活躍はよく知られている中村憲剛選手ですが、普段の練習への取り組み方や高校生への指導の仕方を見ることができるのが新鮮だと大きな反響を呼びました。

ゲームアプリの内容を紹介するのではなく、サッカーゲームが好きな人が興味を持って見てくれそうな動画を制作することで、間接的にゲームアプリや企業のブランディングに繋げています

商品のファンに新サービスを訴求したい場合や、特定の領域での認知拡大をしたい企業の方には適している方法です。

マネしたくなって拡散される動画の事例

マネしたくなる動画は、視聴者に参加してもらうことで付随的な拡散を生み出します。特に最近では中高生をターゲットとした商品やサービスのプロモーション、キャンペーンのために利用されることが多いです。

例えば、株式会社ロッテによる「Fit‘s」ガムの新しいコミュニケーションスタートとして制作された事例は、中高生に人気のキャストが集結し、アップテンポなリズムで踊る展開が話題を呼びました。

この事例はTwitterなどで拡散され、現在は400万回以上再生されています。一般の中高生による「踊ってみた動画」も多数制作されており、この動画をみたことがない人に向けた付随的な拡散にも繋がっています。

話題のキャストを集めて、視聴者も参加できるような動画の演出は、自社商品を10〜20代の若年層に向けて訴求したい企業の方には適しています。

 その他の事例

 視聴者参加型のキャンペーンで拡散を促す

【事例】株式会社 明治 きの山さん #きのこたけのこ国民大調査

株式会社 明治による「47都道府県きのこたけのこ愛のお返しキャンペーン」と題した動画です。商品のプロモーションはもちろん、「きのこたけのこ国民大調査」を開催していることの認知拡大に向け、キャンペーンと題して拡散を図っています。

ユーザー自身が「きのこ派」か「たけのこ派」かを発信する機会であるだけでなく、リツイートした人には抽選でプレゼントが当たるため、数万のリツイートがされています。

また、動画の下半分では画像を固定表示していて、動画を視聴している間でもキャンペーン内容が常に確認できるようにしています。

視聴者参加型の企画は、商品に親しみやすさや話題性をもたせたい企業の方に適しています。

 

【事例】株式会社モスフードサービス モスバーガー #モスでネット注文しようよ

株式会社モスフードサービスによる視聴者参加型のTwitterキャンペーン動画です。

「1いいねごとにジョイマン高木さんが1人増えます」の言葉通り、視聴者がTwitterのいいね機能を押すたびに動画が更新されるキャンペーンと題して拡散を図っています。

キャッチーなセリフとシュールな企画が話題を呼びました。動画がシェアされる度に新たな動画を配信するという発想で、視聴者がキャンペーンに参加したくなるよう促しています。

視聴者参加型のユニークな企画は、商品だけでなく企業についても「面白い」という印象を与えてくれるでしょう。

このような視聴者参加型のキャンペーン企画は、企業を身近に感じてほしいと考えている場合に適している方法です。

バイラル動画制作時のポイント

バイラル動画の成功確率を上げるためには、いくつかのポイントを抑えることが重要です。効果を保証するものではありませんが、以下の要素を満たすことで、より拡散されやすい動画になるでしょう。

共感を呼び、シェアしたくなる内容である

視聴者の共感を呼ぶ内容の動画は、多くの人によって拡散されやすくなります。動画をみて心が揺さぶられた時は、つい友人や家族にもシェアしたくなりますよね。

例えば、先ほどご紹介したタイの「TrueMoveH」のテレビCMは、視聴者に感動を与えるストーリーを展開することで、世界中で拡散されています。

嬉しさや悲しさ、感動、驚きなど、画面の向こう側にいる動画の視聴者が自身の経験と重ね合わせて共感し、最後まで見てくれるような動画にすると、拡散が期待できるでしょう。

短時間にまとまっている

多くのバイラル動画の共通点は、内容が短時間にまとまっていることです。長さの目安は大体15秒〜3分ほどです。共感を呼ぶようなストーリー性のある動画でも、再生時間が長すぎると途中で飽きられてしまったり、スキップされてしまったりする可能性が高まります。

例えば、友人に「この動画面白いからみて」とシェアされた動画の長さが15分程度の場合、「まとまった時間がある時にみよう」と後回しにしてしまいそうですよね。

バイラル動画の多くは主にSNSでシェアされることが多いため、3分以内のスキマ時間に視聴しやすい長さで制作されています。動画の拡散を促したい場合は、伝えたい内容をぎゅっとまとめて適切な長さにすると良いでしょう。

宣伝の要素は控えめである

バイラル動画の制作にあたっては、宣伝要素を控えめにしておくのが良いでしょう。バイラル動画は視聴者が「シェアしたくなること」が前提として重要ですが、PRの要素が強い場合は「ただの宣伝動画」として捉えられ、視聴者の心が離れてしまう可能性が高いです。

実際に、商品の機能性の高さや価格の安さを訴える動画よりも、予想できない展開のおもしろ動画の方がシェアしたいと感じやすいですよね。

最近では、YouTube広告アワードにおいて、広告のトレンドとして企業が「見せたいもの」から生活者が「見たいもの」へ、メッセージが変化していると話題になりました。YouTube 広告で成果を出すメッセージやその伝え方は、企業目線から生活者目線の広告が増えているようです。

企業やブランドの言いたいことを一方的に伝えるのではなく、視聴者の気持ちを捉え、ブランドとしてそこにどう寄り添い、生活を彩るのかといった視点を込めた動画広告が視聴者の心を捉えています。

参考記事:ファイナリスト 40 作品が出そろった「YouTube Works Awards Japan 2022」——広告は「見せたいもの」から「見たいもの」へ

このことから考えても、バイラル動画を制作する際は、動画の内容があからさまな宣伝ではないものにすると良いでしょう。

ストーリー性がある

バイラル動画の多くには、ストーリー性があります。ストーリー性のある動画は、面白い、感動する、泣けるなどのジャンルを問わず、視聴者に「ついその先が気になってしまう」と思わせることができます。

例えば、家族をテーマとしたサプライズ動画などは、共感を生む心を揺さぶるストーリーで、視聴者を惹きつけるでしょう。最後の数秒にのみ、商品や企業ロゴを出すと「宣伝されている感」をほとんど感じさせることなく商品を訴求可能です。

ただ、意図せず誰かを蔑ろにしてしまうようなストーリーは炎上に繋がるため、ストーリー性のある動画を制作する際には注意が必要です。

オリジナリティがあり、初めて見るものである

視聴者に「こんなの初めてみた!」と思ってもらうことのできる内容にするのも、バイラル動画を制作する際のポイントです。既視感のある動画では、視聴者にわざわざシェアしたいと思わせることが難しいためです。

例えば、先ほどご紹介したモスバーガーのTwitterのキャンペーンは、拡散数に応じて動画が新たに更新されるという企画が新鮮ですよね。「こんな動画初めて!」と思わせるオリジナリティがあるかどうか、この点も押さえた上で企画を練ると良いでしょう。

自作するのが難しい場合は制作会社に依頼することも検討する

バイラル動画を自分で制作することは可能ですが、ハードルが高いといえます。バイラル動画は特に、動画が炎上するリスクを考えて繊細に扱う必要があるためです。企業のブランディングに直接的に関わるため、慎重に扱うべきでしょう。

バイラル動画の制作にあたって、映像制作会社やフリーランスの個人に制作を依頼すれば、「企業を客観的に見た時にどんな印象なのか」を知るきっかけにもなります。

自主制作と比較して、視聴者目線で動画の企画を考えることができるため、バイラル動画の制作に対して知見のある企業や第三者に頼む方が良いでしょう。

一方で、映像制作会社やフリーランスの個人に制作を依頼する場合にも注意が必要です。なぜなら、動画を制作するスキルと動画の内容を企画するスキルは異なるためです。

バイラル動画の制作にあたっては、動画の企画や内容が非常に重要となるため、動画を制作できるからといってバズを起こせるとは限りません。敢えて画像を荒くして前時代的な表現をした結果、SNSで拡散された例もあり、企画と映像表現の両軸で実現させていく必要があります。

映像制作会社やフリーランスの個人にバイラル動画の制作を依頼したい場合は、制作スキル、企画スキルの双方を事前に確認する必要があるでしょう。

バイラル動画を制作会社に依頼した場合の費用

バイラル動画を映像制作会社に依頼した場合にかかる費用について、明記はできません。バイラル動画は有名人を起用した大規模なものやスマートフォンで撮影した日常を切り取ったものまで、演出方法が多様で、制作にかかる費用に大幅な差が出るためです。

例えば、「キャストをたくさん出演させて踊ってみた動画を作りたい」という場合は、実写による撮影のための人件費とキャスト費、スタジオ費がかかるため費用は高額になります。

一方で、「キャストを使わず、アニメーション動画を制作したい」という場合は、キャスト費やスタジオ費などがかからないため費用を抑えることができるでしょう。

また、あくまで目安ですが社内で確認したところ、今回事例であげたキリン株式会社による「プラズマ乳酸菌」シリーズのような動画を制作したい場合は、1,000〜2,000万円ほどかかると想定できました。

費用が高額な理由としては主に、教室や体育館などを撮影できるスタジオのレンタル費やキャスト費、衣装代や小道具(ランドセルや雪など)代がかかること、大規模な撮影のため撮影部隊(カメラマンや衣装さん、メイクさんなど)が多く人件費と機材費が高額になると考えられることが挙げられます。

先ほど、実写とアニメーションではアニメーションの方が費用を抑えやすいとご紹介しましたが、日清食品株式会社による「アクマのキムラー」のような動画を制作する場合は、400〜500万円ほどかかると想定できます。

1からのアニメーション制作には多少費用がかかりますが、多くのキャストや有名人を起用した動画と比較すると比較的安価での制作が可能でしょう。

 

制作費は主に企画費、撮影費、編集費に分けられ、それぞれの項目で「人件費」と「諸経費」が発生するため、目指すクオリティや予算によって費用の幅が生じます。

上記のように、撮影規模の大きな動画を制作したい場合は、キャストや企画など、あらゆる部分に手をかけて動画を制作するのが良いでしょう。

一方で、費用を抑えたい場合には、動画のストーリーやシナリオを考えておいたり、以前会社で使用した撮影素材を使いまわしたりする方法があります。

また、出演キャストに有名人を起用するのではなく、ナレーターやBGMにこだわるのも1つの手です。動画の音楽にこだわるだけで、作品全体の印象が変化します。

既存のフリー音源を利用するのではなく1から制作した音源を使用しただけで、オリジナリティのある動画に仕上がります。自社で動画の企画を決めきれない場合は、制作会社に「動画にオリジナリティを出したいけれど、できる限り費用を抑えたい」と相談してみるのも良いでしょう。

まとめ

バイラル動画は狙って制作すれば必ず拡散されるとは限りません。炎上のリスクもあるため、動画を企画する際は細心の注意をはらう必要があります。

今回ご紹介したような過去の成功事例を見て拡散された理由を分析したり、ポイントをしっかりと押さえたりすることで、意図した通りの拡散が期待できる動画に近づくでしょう。

とはいえ、バイラル動画の企画を綿密に仕上げていくのは簡単ではありません。「そもそもバイラル動画の実施をするべきか」「打ち出し方を一緒に考えたい」というご要望があれば、弊社にお気軽にご相談ください。

皆様からのご連絡をお待ちしております。

この記事を書いた人

渋井美香
エレファントストーンの経営戦略室 企画課に所属。

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