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CM好感度ナンバーワン!KDDIのCMはなぜ人気なのか

CM好感度ナンバーワン!KDDIのCMはなぜ人気なのか

9日、CM総合研究所(CM総研)は『BRANDS OF THE YEAR 2021』を発表した。

BRANDS OF THE YEAR2021についてCM総研は「消費者3,000人の月例CM好感度調査をもとに、CM好感度年間No.1ブランド「BRAND OF THE YEAR」、および優れたCM展開で業績の向上に貢献した「消費者を動かしたCM展開」を毎年12月に発表しております」と説明。全6,737ブランド、14,742バージョンから今年のCM好感度トップ10が発表された。

5位まで全て携帯キャリアが独占

1位となったのはKDDI『au』の「三太郎シリーズ:5G・桃姫登場」篇。おなじみの「三太郎シリーズ」でなんと7年連続のCM好感度1位に輝いた。

2位にソフトバンク『SoftBank』の「白戸家:5Gってドラえもん?・ドラミ登場」篇、3位にNTTドコモ『NTT DOCOMO』の「あなたと世界を変えていく。」篇、4位にソフトバンク『ワイモバイル』 の「Y!でいいのだ・ハジメちゃん登場」篇、5位に楽天モバイル「Rakuten UN-LIMIT Ⅴスタート」篇と続き、1位から5位まで全て携帯キャリアが独占した。

ベスト10までに広げても6位はKDDI『UQ』で「UQUEEN 懇願」篇。10位までのうち6つが携帯キャリア、通信のCMであった。残り2つはUber Eats、出前館のデリバリーサービス系で、世情を反映した結果になったといえるかもしれない。

好感度1位のKDDI『au』のCM

こちらがauの三太郎シリーズの一つ、au 5G「つながる歌」篇だ。

「しばらく離れ離れで過ごしていた三太郎。
会えない時間、いつも考えていたのは仲間のこと。
久しぶりに会っても関係はあの頃のまま。
だけどひとつだけ変わったことがあって……?

ずっと、もっと、つなぐぞ。au 5G広がってます!」の通り、世情を反映したようなハートフルな展開になっている。現在は「三太郎スペシャルページ」が展開されているほどの人気だ。

これを受けてKDDIは「「三太郎」シリーズでは、桃太郎(松田 翔太)、浦島太郎(桐谷 健太)、金太郎(濱田 岳)の“三太郎”に加え、5Gエリア拡大CMでかぐや姫 (有村 架純) の娘の桃姫 (村山 輝星) が登場しました。さらに正月CM「みんなってエブリワン!」などが、多くの視聴者から支持をいただきました。」とコメント。

「KDDIは、「通信とライフデザインの融合」を推進し、“ワクワクを提案し続ける会社”として、今後も視聴者の皆さまの期待に応えられるよう、「おもしろいほうの未来へ。」を体現し、楽しんでいただけるようなCMを展開していきます」と続けている。

なぜ携帯キャリアのCMは人気なのか

KDDIに限らず携帯キャリアが上位に来る理由として、携帯の料金やシステムが複雑化していることがあげられる。確かにソフトバンクは旧ボーダフォン時代には白戸家のCMはやっていなかった。

そこで、各携帯キャリアが大事にしているのはいかに平易に自分たちのサービス、キャンペーンを伝えるかだ。そのために世界観、キャラクターを数種類用意し、それらをローテーションしながら飽きさせずにシリーズを続けている。auでは三太郎シリーズ以外にも『高杉くん』などのシリーズがある。1位となった三太郎シリーズも5か月ぶりの新作であった。消費者としては同じ俳優・女優が演じるキャラクターが継続的に出演するので安心感にもつながるし、自分たちの生活に当てはめて考えられるようになる。ソフトバンクのお父さん犬など携帯キャリアのCMは定番化しているものは多い。

そして、現在のCM好感度ランキングは毎年シリーズものがランキング上位にきており「シリーズもの」の強さがうかがえる。一方で「シリーズものばかり」と指摘する声もある。そうした中で新鮮味を加えるために『三太郎』ワールドでは、松田翔太さん(桃太郎)、有村架純さん(かぐや姫)らに続きCMごとに新キャストを増やしていき、今の広大な『三太郎ワールド』ができた、というわけだ。

今回のCMでも村山輝星さんが桃姫役として初登場。その「きらりとした」笑顔で好感度を一層高めるのに一役買っている。BGMはTikTokなどで活躍するもーりーしゅーとの歌うオリジナル楽曲『ずっともっと』で、CM好感度は30〜50歳代の若い女性を中心に高かったという。

「つながる」というキーワードは世情を反映したもので、テレワークやオンライン飲み会などリアルでの接点を失いがちな世の中だったからこそ、身近に感じられる部分もあるだろう。来年も各携帯キャリアのCM対決から目が離せそうにない。

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

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