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「エレベーターサイネージ」とは?マンションのエレベーター内も今や広告の場

「エレベーターサイネージ」とは?マンションのエレベーター内も今や広告の場

新宿駅の東口と西口をつなぐ通路が開通して通り抜けできるようになり早2年になります。駅や商業施設の通路を歩くと、必ずと言っていいほどデジタルサイネージを目にするでしょう。壁一面、また柱に巨大なデジタルサイネージが表示され、行きかう人々に巨大な広告を見せることができます。

今や「いろんな場所」にサイネージが表示されています。今回は2019年の初登場時に紹介したエレベーターサイネージを改めて紹介します。あれから3年が経ち、すっかり浸透したイメージがありますよね。目にしたことがある、いつも見ているという読者も多いことでしょう。活用の場も広がりさらなる注目を浴びています。

エレベーターサイネージとは?

「サイネージ(Signage)」とは英語で標識、看板を意味する単語です。つまり、エレベーター内に表示する「標識、看板」という意味になります。百貨店であれば、上層階で行われている催事の紹介を、マンションであれば掃除や工事の情報など、エレベーター内に小さなスクリーン型のデジタルサイネージを置くことで、情報をわかりやすくコンパクトに伝えることができます。

エレベーターサイネージの特徴

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000068.000069194.html

エレベーターサイネージを多く手掛けているのは大日本印刷株式会社(以下:DNP)です。DNPは2019年9月に、都内10カ所のマンションのエレベーターに専用のデジタルサイネージを設置し、実証実験に取り組んでいます。調査結果ではマンション居住者の60%以上が「エレベーター内のデジタルサイネージで配信されている内容を見た」と回答したそうです。

このように、エレベーターサイネージは、その施設を利用する人の注目を集めやすい媒体と言えるでしょう。

マンションでのサイネージ活用

DNPは既に、東芝エレベータ株式会社、株式会社日立ビルシステムと業務提携し、マンション内へのデジタルサイネージの導入を進めています。

マンションでのサイネージ活用は少し複雑です。広告という意味合いだけでなく、清掃やゴミ出し、天気予報など、マンションに関する情報も多く掲載されます。

例えば、修繕工事が盛んなマンションの場合、掲示板に多くの張り紙があるでしょう。さらに、各家ごとにポスト投函での案内があり、日々知らなくてはならない情報が山盛りです。それがサイネージ一つあればすっきりと解決してしまいます。

毎日利用する住民に配信「エレベーターサイネージ」

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000068.000069194.html

動画、静止画、テキストを組み合わせることで、一つの画面で多くの情報を伝えることができます。大日本印刷は「例えば、広告や緊急時の災害情報のメインコンテンツを表示しながら、日付・天気予報・交通情報などの情報を画面右側に静止画で表示し、画面の下部にエレベーター点検日などの施設情報をテキストで掲載することができます。」とプレスリリースで述べています。

「マンション」内のエレベーターサイネージはさらに2つの特徴があります。1つはそのマンションに住む住人ですでにセグメントが分けられていることです。富裕層向けのマンションなのか、家族向けのマンションなのか、そのマンションの居住者の特徴に合わせて広告を配信することができます。

さらに、サイネージにカメラセンサーが付いているため、どんな人物かを把握したうえで広告やコンテンツの出し分けもできます。デジタルサイネージの視聴状況や、カメラの映像から推定される仮想的な属性によって広告を出し分けることも可能です。

プライベート空間に広告を配信「マンションサイネージ」

サイネージを活用することで、マンションというプライベート空間に広告を配信することができます。

普段、自分の住居内で目にする広告といえば、インターネット広告やTVCM、折込チラシなどが一般的です。広告が流れている間も他のことに目がいき、見られない可能性もありますが、エレベーター内は電波が通じにくいことが多く、ちょっとした隙間時間が生まれます。また、住居者の生活動線上への設置が可能なため、接触頻度を高めることができます。

紙でのお知らせと比べて、音でお知らせができ、張り替えの手間がないことなどデジタルサイネージのメリットは非常に多く、マンションに適した商材と言えるでしょう。

まとめ

マンションにおけるエレベーターサイネージが広がりを見せています。

エレベーターの中、エントランスなどその場所も多様性に富んでいて生活同線の中に広告や情報を入れ込むことが期待されています。

このようなサイネージの活用は「煩わしい」「ガチャガチャしている」といった広告のイメージを押し上げるものでもあります。居住者は短い時間で情報を見ることができ、エレベーター内という隙間時間の娯楽にもなります。

さらに利用者だけでなく、管理者側の広告収入、広告出稿側も属性に応じて広告を出せると全方向にメリットがあります。今後は、富裕層以外のマンションにでも導入が進むのではないでしょうか?マンションにはデジタルサイネージが当たり前になる時代は近いかもしれませんね。

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

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