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鏡あるところに情報発信あり。「ミラーサイネージ」とは?

鏡あるところに情報発信あり。「ミラーサイネージ」とは?

鏡といえば我々の顔を映し出すために洗面所やトイレによく設置されています。普段何気なく接している読者も多いでしょうが、近年、「鏡」が進化しているのをご存じでしょうか?

ミラーサイネージと呼ばれ、鏡の一部分に広告を出せたり、タッチパネル機能を生かして接客の代わりをしたりその内容は多岐にわたります。今回は、そんなミラーサイネージについてご紹介いたします!

「鏡の中の広告」ミラーサイネージ

まず、考えなくてはならないのはスマートフォンやタブレットの進化によってタッチパネルつきディスプレイの需要が大幅に伸びたことです。

スマートフォンを鏡代わりにする若い世代も少なくないと思いますが、その逆の発想で、鏡をそのままタッチパネルつきディスプレイとして活用しようという事例です。

こちらは日本初、鏡の中に埋め込むデジタルサイネージとして2019年に販売が開始された「ミラーサイン」です。

文字通り、鏡やガラスがあればそこがミラーサイネージになります。

販売元のNETDOOR株式会社
・理容院、美容院にてお客様向けの動画、広告、エンターテイメントを配信
・商業施設、公共の場所などでの化粧室の鏡に設置し、販促、広告を配信
・洋服店などでの姿見に設置し、お客様への新商品の提案を配信
などが考えられますが、他にも多種多彩な用途で顧客満足度の向上に資することができると考えております。

とコメントしており、高い汎用性をアピールしています。

では、ミラーサイネージの実際の活用事例を紹介していきましょう。

バルクオムが目指した「ミラー」+「ディスプレイ」でのメンズビューティの革新と発信


画像参照:PR TIMES

2021年8月に新宿マルイ メンにメンズコスメブランドバルクオムのフラッグシップショップ「BULK HOMME THE STAND」(バルクオム ザ スタンド)がオープンしました。店舗コンセプトは【メンズビューティの革新と発信】。その中心的な役割を3D ホログラムディスプレイ「3D Phantom®」とともに担ったのが、3台のミラー型ディスプレイです。


画像参照:PR TIMES

ミラー型ディスプレイの設置により、店員と対面することなく自分に合う化粧品やスキンケアの情報を知ることができます。また、ただのディスプレイと違い鏡がついているので、その場で試したような疑似体験ができます。

特にメンズコスメの世界は日進月歩で成長しているといえ、試すことへの恥ずかしさや、販売員とのやり取りに煩わしさを感じる方も少なくないでしょう。ミラー型ディスプレイさえあれば販売員と接することなく情報を得ることもでき、購買のハードルを下げることも可能になります。

ミラーサイネージは「家庭」にも「企業」にも進出できる

もちろんタッチパネルつきディスプレイとして、自分から情報を取得しに行くだけがミラーサイネージの売りではないでしょう。BtoCの事例としてバルクオムを紹介しましたが、BtoBやビジネスと関係のない家庭・プライベートの場でも活躍ができます。

鏡1つで隙間時間にちょっとしたCMや情報を流すこともできますし、会議の際にはモニターにもなります。受動的にも、能動的にもコンテンツが配信できるのが魅力です。


画像参照:株式会社クラウドポイント

実際に株式会社クラウドポイントは会社のエントランスにミラーサイネージを置くことで受付の代わりにすることを提案しています。


画像参照:ミラーサイネージ専門店「mirado(ミラド)」

一方で、ミラーサイネージ専門店「mirado」は家庭のリビングにテレビを置く代わりにモニター付きミラーサイネージを置くことを提唱しています。

それ以外にも会社の会議室、ガラス張りの部屋のガラス、美容室の鏡、トイレなど…、可能性を無限に秘めているように思います。

ミラーサイネージのメリット

ミラーサイネージならではのメリットはなんでしょうか?具体的には3つあげられます。

①モニターであることを活かしたセグメント配信

1つは、鏡にモニター機能がついているという特徴を活かして、こちらの年齢や性別を想定したコンテンツを配信できることです。通常のモニターと違い、セグメントに合わせた配信が容易にできます。このあたりはタクシー内のディスプレイ広告に近いかもしれません。

②センサーによる無駄のない配信

次にセンサーのオンオフが簡単にできることです。つまり、人が近くにいるときだけコンテンツを流すことができます。そのため無駄の少ない広告配信をすることができます。

③鏡機能を使った没入体験

最後に鏡という機能を生かした没入体験ができることです。具体的には化粧品やアパレルなどを疑似的に試すことができます。試着や物を試すというのは思いのほか時間とエネルギーを消費します。しかし、ミラーサイネージを活用すれば、ボタン1つで没入体験が始まるなど、体力の消費が少なくて済みます。消費者に優しい購入導線を確保することができるでしょう。

まとめ

今回はミラーサイネージについて紹介させていただきました。

現時点では、アパレル、美容室、化粧品といったビューティー関連業界との親和性が強いイメージがありますが、ミラーサイネージを販売している会社は驚くほど多いです。

そして、その中にはダンススクール、商業施設、企業のエントランス、トイレ、ホテルの客室と様々な提案が繰り広げられています。発想次第で新しい活用事例ができてしまうのがミラーサイネージのいいところです。

今後、どのような進展を見せていくのでしょうか。面白い進化を遂げた頃にまた紹介していきますね。

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

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