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Netflix注目の新プラン「広告つきベーシック」でどう変わる?

Netflix注目の新プラン「広告つきベーシック」でどう変わる?

映像や音楽の世界における産業構造を劇的に変えたサブスクリプションサービス。

動画配信サービスの利用者は年々増加しており、その登場とともに映像制作やプロモーションの在り方も大きく変化しています。

そこで本記事では、Netflixの「広告つきベーシック」について、導入背景やサービスの詳細など分かりやすくご紹介します。

広告つきベーシックプランって!?

3つの特徴

・動画の再生前と再生中にスキップ不可の広告が流れる
・広告のない通常プランより割安
・他のプランと異なりコンテンツのダウンロードはできない

概要

「広告つきベーシック」プランでは、動画の再生前と再生中にスキップ不可の広告が再生されます。

広告の長さは一本15秒または30秒で、1時間あたり平均4分の広告が流れます。広告のない「ベーシックプラン」同様、動画の解像度はHD(720p)で視聴環境もパソコンやタブレットなど複数に対応していますが、他のプランと違い作品のダウンロードはできません。また、一部の映画やドラマはライセンスの関係で利用できません。

このように、他のプランとは異なり必ず広告を視聴する必要があったり、コンテンツの視聴制限があったりする代わりに、「広告つきベーシックプラン」の加入者は月額790円とベーシックプラン(月額990円)よりも200円ほど割安でNetflixを利用することが出来ます。

なぜ広告付きに?導入の背景について

ポイント

・プランの選択肢を増やすことで新規ユーザーを獲得
・競合他社に対する価格戦略の一つとして展開
・広告収入で安定したマネタイズが実現

「広告つきベーシックプラン」は10月14日の案の発表から、わずか3週間いう異例の早さでサービスがスタートしています。

当初1~2年かけて導入するとみられていた「広告付きプラン」のスピード導入。その背景には、ライバルとの競争激化やNetflixの会員数減少があると考えられています。

動画配信サービスには様々な企業が参入している中での割安プランの展開には、ライバル社に対して価格競争の面で優位に立ちたいというNetflixの思惑があります。通常より割安な広告付きプランを新しく展開することで、消費者の選択肢を増やし、新規ユーザーの獲得につなげることが出来るからです。

また、世界最大手の配信プラットフォームであるNetflixの広告枠には、多数の有名企業が出稿しており、安定した広告収入を期待することもできます。

Web3.0事業に参入?今後の展開は!?

これまで広告のないスマートな視聴体験が当たり前だった有料での動画配信サービス。それが、「広告つき」になることでどう変わっていくのでしょうか?

2007年から動画内広告の提供をスタートさせたYouTubeと違い、Netflixは後付けでの実装となったため、その動向についてはまだ不透明な部分があります。以下では、現時点での広告の手法や動画広告に出稿している主要企業を紹介するとともに、今後予想される展開についても少しだけ触れてみたいと思います。

広告スタイル

広告配信の基本的なスタイルは、作品が始まる前に広告が挿入され、その後15分程度の間隔で複数の広告が合計数十秒~1分程度流れるというもの。実際に視聴した際の感覚は、テレビCMとほぼ同じでした。

作品内のどのタイミングで広告が入るのかについては、プレイヤー画面のプログレスバー上の「黄色い点」で確認することができます。

なお、一部の新作のコンテンツ、13歳未満のキッズ向けコンテンツでは、「広告つきベーシック」プランであっても広告の挿入がない仕様になっています。

名だたる企業が広告を出稿

「広告つきベーシック」プラン開始から出稿した広告クライアントは、ルイ・ヴィトン、ティファニー、メルカリ、パナソニック、サントリー、大塚製薬、サンスターなど。世界的な大企業や超一流の「ハイブランド」企業がローンチ当初から名を連ねています。

ユーザー体験を大切にしてきたNetflixだけに、今後はコンテンツ内容との親和性が高いインフォマーシャル広告や、ユーザーの属性や視聴履歴に基づいたパーソナライズド広告にシフトしていく可能性もありますが、現段階では、いずれも通常の企業広告と変わりない作りになっています。

Web3.0広告の可能性も

広告無しで好きな動画やサイトが楽しめると言われているWeb3.0の世界では、ユーザーがあえて広告を視聴することで報酬を得ることが出来る画期的なサービスが普及し始めています。

”稼げるブラウザとして徐々に知名度を上げているBrave(ブレイブ)では、ユーザーと広告主の双方にとってより良いオンライン広告の世界を実現するために独自の暗号資産「BAT」トークンを導入。ユーザーは、自由に広告の有無や頻度を選択することが出来、広告を視聴するたびに「BAT」トークンを受け取ることが出来ます。

Netflixは、2022年7月にNFT企業「Candy Digital」とタッグを組み、オリジナルSFドラマ『ストレンジャー・シングス』のNFTコレクションをリリースするなど、Web3.0ビジネスの目玉ともいえるNFT事業の拡大を目指しています。

Web2.0の時代に大きな成功を収めたNetflixですが、今後はこうしたWeb3.0的な要素を組み込みながらさらなる成長を遂げていく可能性もあります。

「広告つきベーシックプラン」の導入にとどまらず、従来の「ベーシックプラン」の中でもBrave(ブレイブ)のように、広告を見るだけでポイントがたまるような仕組みを設けていくことは、十分に考えられるでしょう。

まとめ

本記事では、Netflixの「広告つきベーシックプラン」の詳細と今後の展望についてお届けしました。

有料動画配信サービスの中で広告動画を導入する試みは、一見すると時代に逆行するような印象を受けますが、少し視点を変えてみるとWEB3的な新しい広告のありかたを築く大きな可能性を秘めているようにも思えます。

スタートしたばかりでまだ不透明な部分も多いので、YouTube広告やTikTok広告、LINE広告との違いにも注目しながら、今後もその動向を追いかけていくつもりです。

またなにか面白い展開があったら続報をお伝えする予定ですので、どうぞお楽しみに!


 

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この記事を書いた人

ZOOREL編集部/コスモス武田
慶應義塾大学卒。大学時代から文学や映画に傾倒。缶チューハイとモツ煮込みが大好き。映画とマンガと音楽が至福のツマミ。

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