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日本の中小企業はTikTokで元気になる?採用への活用事例3選

日本の中小企業はTikTokで元気になる?採用への活用事例3選

前回、「何故、中小企業こそTikTokを行うべきか」と題して日本の中小企業がTikTokを活用した方が良い4つの理由を述べました。

TikTokは、Z世代の若者を中心に検索エンジンとして使用する人もいるほどの人気を博しています。

10万〜100万回再生が1つの成功の目安になっていますが、バズを獲得するための魔法のテンプレートはありません。クリエイター側としては狙って確実に100万回再生される動画を作るのは難しいですが、既存の事例に学ぶことはできます。

今回はTikTok活用が人材採用につながった3つのケースを紹介します。

①三陽工業株式会社

三陽工業はTikTokを採用強化のために使っています。「おじさんTikTok」と題して、4人のおじさん(【役員】小杉さん、【課長】西弘さん、【監査役】徳岡さん、【72歳】森本さん(モリケン))に無理を言うアカウントと称しています。


引用:PR TIMES

その言葉通り、TikTokらしい無謀なチャレンジを4人のおじさんが頑張っている姿がシュールです。

@sanyoukougyou コピー人機で人間を撮ったらどうなる??#コピー機 #実験 #チャレンジ動画 ♬ “Days full of energy”(795887) – AW

こちらは若者には定番のダンス動画。おじさんが踊るというだけでシュールなのに、選曲もTikTokでよく踊られている「可愛くてごめん」とガチなセレクト。

@sanyoukougyou #可愛くてごめん #踊ってみた けど…踊れなくてごめん😭❤️笑#踊ってみた動画 ♬ 可愛くてごめん (feat. かぴ) – HoneyWorks

公式のリリースによると、三陽工業はものづくりの技能承継をしていくために若い人材の確保に力を入れているそうです。

そこで、デジタルネイティブの採用戦略としてTikTokの活用を決めました。その狙いが的中。2022年新卒採用においては、説明会参加者の約7割がTikTokの投稿を見たことがあり、ファンだという声も寄せられました。さらに内定者8人のうち3人、つまり37.5%はTikTokを通しての応募でした。

中高年社員の動画投稿が若者たちからの支持を得て、多くの新入社員獲得へと導いたことになります。

応募した人によると、「企業がTikTokに取り組んでいるのは珍しい。時代の流れに対応できる素晴らしい企業だ。」と思ったとのこと。TikTokをやっていることが感度の高さを感じさせるアンテナを測る指標になっています。

ちなみにTikTokでは「ものづくりチャンネル」など真面目な内容は別に分けており複数のチャンネルを登録・運営しています。

②株式会社リソースクリエイション

株式会社AtoOneの調査によると、企業のTikTok利用はポジティブ派が半数以上いるのに対して、30%がネガティブな印象を持っています。

それは、「入社後に出演を強要されないか心配」「ふざけているように見える」といったもので、ダンスや歌ってみたなどのチャレンジ系の動画が主な印象になっているTikTokに対して、自分がやるのは無理と思っている節があるからでしょう。

それならば、最初から専用の役職を作ってしまえばいいじゃないか!ということでインフルエンサー社員を募集している会社があります。株式会社リソースクリエイションです。「社員インフルエンサー」として、会社のSNSに登場し、自社の認知度を高める社員を新卒採用しようというものです。


PR TIMESより

リソースクリエイションは、2018年より自社のSNSアカウントを戦略的に運用し、認知度の向上や採用時の応募者数が新卒は6倍、中途は20倍の増加に成功したといいます。

社員インフルエンサー採用では、自ら動画に登場する事はもちろん、企画、撮影、編集までを行うそうです。同社はTikTok(ユイカとヒロシ)やInstagramをはじめとしたショート動画を活用することで、総フォロワー数45万人以上を獲得し、総再生回数は6億回を超える企業アカウントを確立しています。

@yuika.hiroshi サウナ人間🤣#リソースクリエイション #ユイカとヒロシ #オフィス #おもしろ動画 #いじり ♬ オリジナル楽曲 – ユイカとヒロシ

@yuika.hiroshi ヒロシを逮捕するポリスのユイカ😂#リソースクリエイション #ユイカとヒロシ #コスプレ #ポリス #上司と部下 ♬ オリジナル楽曲 – ユイカとヒロシ

こちらは広報と取締役が若者向けのショートコント的な内容を繰り広げているもので、若者に受けやすい内容になっています。

③三和交通株式会社

タクシー会社でありながら19万人以上のフォロワーを獲得したのが三和交通です。

@sanwakotsu @芋洗坂係長(小浦一優)official さんコラボ 本当に笑顔が素敵でキレッキレのダンス最高です そして昨年流行った愛のしるしを! #三和交通 #踊るおじさん #芋洗坂係長 #愛のしるし #hoodiefam ♬ 愛のしるし(PUFFY) – 🕺🏼Hoodie fam🌏

@sanwakotsu 相方、若手そしてカメラマンがキャンディーズではなくピンクレデーを踊ってみました。 3人似合ってるような?喜んでるの相方だけなような? #三和交通 #踊るおじさん #ピンクレディー #ペッパー警部 #レースクイーン #fpyツ ♬ オリジナル楽曲 – so so

三和交通では年配のドライバーがほとんどで、若手社員の獲得に苦戦している現状があったそうです。

そこで登場したのが取締役部長の溝口孝英氏(56歳)と渉外係長の森嶋幸三氏(57歳)の2名。彼らがおじさんダンサーとして活躍することで、若者への認知を強めて会社を知ってもらおうと2019年より取り組みを始めました。

決してダンスがうまいというわけではありませんが、ノリの良さと笑顔の良さで大ブレイクし、今やDA PUMPの『Fantasista~ファンタジスタ~』のミュージックビデオにも2人で出演するほどになったそう。

実際に採用の場面では「TikTokを見てきました」という層がいるそう。

2021年には『心霊スポット巡礼ツアーTHE MOVIE』と題してエイプリルフールの企画も用意。

こちらも監督・主演はTikTokで「踊るおじさん役員」を行っている溝口孝英さんが務めています。

まとめ

このように、TikTokではZ世代への認知を強めるためにダンスやコントといった内輪ネタのノリの良い姿を見せる企業が増えています。

クリエイティブな目線からすると、お金がかかった内容ではありません。「クスッ」と笑える「ついつい見てしまう」明るい動画をノリで撮っているように見えます。そこがいいし、それでいいんですよね。

実際に多くの企業はYouTubeやTwitterといった各種SNSも行っており、硬い内容や総集編はYouTubeに投稿するなどSNSごとに投稿内容を変えています。

TikTokを入口にして働く社員の人柄・雰囲気を伝えることで、より身近に感じてもらうことに繋がっている印象です。ぜひ参考にしてみてくださいね!


 

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この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

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