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映像制作会社の採用担当が自社に映像を発注してみた【発注編】
こんにちは!エレファントストーン採用担当の渡辺です。
今期、弊社では社内の制作チームに依頼をして採用映像を制作しました。プロジェクトが始まってから納品に至るまでの数ヶ月間、担当者として上司や制作チームとやりとりを重ねてきました。
その中でとくに感じたのが、映像制作を依頼する際の担当者(発注主)視点の情報が少ないということです。確かに、数ヶ月かけたプロジェクトで得た知見や苦労話をわざわざ外部の人間に紹介する方なんてそうそういらっしゃらないのかもしれません。
しかし、私はただの採用担当ではなく、映像制作会社の採用担当です。
これから映像を制作する採用担当の方のためにできることを考え、自社での制作を通して起きた失敗談、そこに対しての対処法を紹介していきたいと思います。
第二弾となる今回は、【発注編】として社内の制作チームに映像を発注し、映像の企画内容や構成を決めていく中でのエピソードに絞ってまとめていきます。
第一弾【社内要件定義編】はこちらから
そもそも、映像制作ってどう依頼するの?
社内で要件が固まってから、制作チームに映像の制作を正式に依頼していきます。
初回の打ち合わせで社内で検討した要件を伝え、映像制作の目的や課題の認識をすり合わせていきます。
そうすると、制作チームは貰った要件を元に映像の企画を検討。企画内容が決まったら、絵コンテやシナリオの作成に入ります。
採用チームは企画や絵コンテの段階で提案を受け、フィードバックとブラッシュアップを繰り返して映像の構成が決定し、制作に入っていくのです。
映像制作の流れについてはこちらをご覧ください。
映像づくりの流れ・費用って?理想の映像を作るためにできることを徹底解説
ここからは、実際に制作チームに発注し、企画内容を検討する中で大変だったことと、今だから思う対処法を紹介していきます。
大変だったこと1「採用の課題感が伝わりにくい」
打ち合わせ時に「学生からの理解をより深めたいんです!」と話しても、「?」という顔をしている制作チーム。映像に携わるメンバーは採用担当ではありません。そのため、いつもの採用チームのノリで話してしまうと全く伝わっていないなんてことが起こり得ます。
課題を解決するために映像を活用するということは、制作チームにも採用の課題をしっかりと理解してもらう必要がありますが、普段採用に関わっていない人たちに課題や学生の様子を理解してもらうのは難しいでしょう。
前提の共有に時間がかかってしまい、制作にかけられる時間がどんどん少なくなっていきます。
対処法:コミュニケーションをサボらない
「これは言わなくてもわかるだろう」を無くすのが一番の対処法だと思います。相手は採用について何も知らないと仮定してコミュニケーションをとりましょう。
私が依頼した際は、下記のような内容を打ち合わせ時に伝えました。
▼評価制度の紹介映像
今どんなフローで採用活動をしていて、どこのフローでどんな課題があるのか、学生はどう感じているのか、だからどう映像を使いたいのか、自分たちが当たり前だと思っている情報をいつも以上に丁寧に伝えましょう。
初期の段階で課題の認識にズレがあると映像で達成したい目的がブレてしまい、制作チームからの提案内容にもズレが生じてしまいます。提案内容へのフィードバックが増えれば増えるほど企画にかかる工数が増えて制作に使える時間が減ってしまうので、初期段階で認識をすり合わせるためにも、いつも以上に丁寧なコミュニケーションを心がけるのがおすすめです。
大変だったこと2「提案に赤字を入れるのが心苦しい」
上記の課題認識がズレたまま提案に進むと、提案内容が的外れの内容になってしまい、フィードバックの赤字が大量発生することになります。
「せっかく考えてくれた映像企画に赤を入れるのも正直辛い。でも採用担当として押さえたい要素が押さえれていないのでこのままにするわけにはいかない…。」という葛藤がありました。
対処法:ブラッシュアップしながらお互いの理解を深める
まずは、先ほど紹介した事前のコミュニケーションを丁寧にとっていきましょう。
それでも意図に沿わない提案を受けたり、事前にコミュニケーションが取れなかったり、といったこともあると思います。
そんなときは、提案してもらったものに対して、「違うじゃないか!」と怒りの感情を出したり、かといって「これでいきましょう」と遠慮したり悶々としながら受け入れたりするわけでもなく、どこが意図と違って、どういう方向性に修正したいのかをきちんと伝えるのがおすすめです。
実際、私は提案してもらったテロップ案に対して「会社説明会で初めてうちのことを知る学生に伝わるのか」という観点で確認し、下記のような修正を依頼していきました。
▼ポジション紹介映像のテロップへの修正依頼
大前提、提案に対してお客様からご意見や新しいアイデアを頂戴することはよくあること。制作過程を通してより詳細なイメージをすり合わせていくことによって、認識を揃えて軌道修正を図っていくことができます。
ブラッシュアップしながらお互いの理解を深めていきましょう。
大変だったこと3「役割分担が上手くできず、自分があと3人欲しい」
社員インタビューなどを制作する際は、メンバーへの出演依頼やインタビュー内容を検討するための社内へのヒアリングなどやることが沢山あります。
「制作会社に任せるにも、社内のことは自分の方が知ってるしな〜」「自分でやっちゃいたいけど明らかに工数がかかりすぎる…」など、自分たちの方が知っていることが多い分、どこまでをクリエイターに担当してもらってどこまでは採用チームが担当するべきかの線引きが難しいです。
対処法:映像制作のプロに判断を任せる
皆さんはその道のプロですが、制作チームは映像制作のプロです。どう制作を進行していくべきかの判断は制作チームの方が長けているでしょう。そのため、役割分担は映像制作のプロに判断を任せるのがおすすめです。
弊社でインタビュー映像を制作した際は、下記のように制作チームのメンバーと役割分担をしました。
ディレクターがインタビュー予定のメンバー全員に30分のヒアリングを実施。それをもとにインタビュー原稿と回答イメージを作成し、採用チームでブラッシュアップしていきました。
ディレクターがメンバーへのヒアリングを実施することで、撮影時に話してもらうべき内容に共通認識ができ、その後の制作がスムーズになりました。
このように、映像の方向性をしっかりと共有した上で、どこまでは制作チームに任せてどこからは自分たちが担当するのか、制作チームに判断してもらうのがおすすめです。「ここは同席したい」「ここは絶対に自分が担当したい」などの要望があれば、しっかり伝えましょう。
まとめ
発注フェーズは制作チームのメンバーが加わることで、社内要件の定義とはまた違った難しさがありました。関わる人が増える分、とにかくコミュニケーションを丁寧にとっていくことが肝になると思います。
この記事を読んでいる皆さんは、本日紹介した内容を参考に少しでもスムーズに進めていただけたら嬉しいです。
そして、ついにここまで考えてきたことを撮影・編集して形にしていくフェーズに入ります。
次回は【制作編】として、制作を進める上でのポイントを紹介致します!次回もお楽しみに!