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シニア層ってYouTube見るの?シニアの動画利用状況
YouTubeやTikTokといった動画サービスの話題は、「若者」というキーワードがセットで語られることが多いです。
しかし、動画や映像と関わりがあるのは若い世代だけではありません。“シニア層と動画の関わり”が注目を集めています。そこで今日は、シニア層がどのように動画コンテンツに触れているのか、ご紹介していきます!
シニア層の動画視聴傾向
シニア層もテレビよりもYouTubeなどの動画を視聴する傾向にあります。
2022年にSBIエステートファイナンス株式会社が「シニアのYouTube利用」に関するアンケート調査を実施したところ、「YouTubeを利用したことがある」と回答した方は87%にのぼっています。
引用:SBIエステートファイナンス「シニアのYouTube利用」アンケート調査
また、株式会社マクロミルが2021年に実施した調査でも、エルダー・シニア層の動画視聴はテレビを上回っていると調査結果を発表しています。
・「ネット」利用時間が「テレビ」をわずかに超える、ネットは3.3時間・テレビは3.2時間/日
・「VOD」「SNS」のアプリ利用率が伸長、「YouTube」の利用時間が1年半で1.5倍
・ネットメディアの利用目的は「情報収集」。「娯楽」の要素は薄い
・「ネット」の必要度が「テレビ」に迫る、今後の利用意向が高いサービスは「LINE」「YouTube」
ネットの利用時間が2021年時点で既にテレビを上回り、3.3時間/日の視聴時間を数えたこと。そして、YouTubeの使用時間が伸びていることがわかっています。
シニア層の動画視聴シーンは?
ただし、シニア層は動画視聴シーンとしてはスマホよりもパソコン。そして、「娯楽」よりも「情報収集」が望まれているようです。
SBIエステートファイナンスの発表では、使用端末の62%はパソコンでスマホの25%を大きく上回り、視聴コンテンツは「音楽」「ニュースと政治」「映画」「旅行とイベント」と続いていきます。
引用:SBIエステートファイナンス「シニアのYouTube利用」アンケート調査
引用:SBIエステートファイナンス「シニアのYouTube利用」アンケート調査
このように使用端末や視聴コンテンツはZ世代と違う部分がうかがえます。スマホではなくPC、そして映画、ニュースと政治のように比較的長く考えさせるようなコンテンツが上位に来ていることです。
2020年の株式会社アスマークによる調査でも、シニア層は若年層と違いYouTubeで「情報収集」をしていると発表されています。
引用:SBIエステートファイナンス「シニアのYouTube利用」アンケート調査
一方、コミュニケーション目的は少なく、リアルとの知り合いとのやり取りはFacebookがメインになっているとも発表されています。
シニア層をターゲットにした動画内容
シニア層が動画活用しているとわかった現在、シニア層を狙った動画サービスや自治体の動画活用も目立つようになってきました。
みんなの介護 VR老人ホーム紹介
株式会社クーリエが運営する老人ホーム検索サイト「みんなの介護」では、老人ホームの施設紹介をVRで行っています。
引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000095.000015597.html
「VR施設見学動画」は施設の担当者の方がナビゲーター役として出演し、施設内の設備や様子を紹介しています。身振り手振りを交えた出演者の音声ガイドと、360度自由に見られるVR映像によって、直接見学に行かなくてもこの映像を見るだけで施設の雰囲気を掴むことができます。
体操動画「南城市社会福祉協議会」
自治体も高齢者の健康促進に動画を活用しています。YouTubeに体操動画をアップするなどで、家にいながら体操ができるようにサポートしています。座りながらできる体操を紹介しているため、リハビリや認知症の方に応用できる内容となっています。
動画を活用したシニア層による情報発信
ここまでシニア層の動画視聴についてお伝えしてきましたが、シニア層が情報発信をすることはあるのでしょうか? ここからは、シニア層による動画を活用した情報発信を紹介します。
シニアインフルエンサーの登場
実は少ないながらも「シニアインフルエンサー」も誕生しており、盛り上がりを見せています。
Twitterで“女帝”と呼ばれているのがミゾイキクコ(溝井喜久子)さんです。ミゾイさんはSNSで1日3食、ごはんの写真をアップし始めてすでに11万人以上のフォロワーを獲得。
ラジオのゲストに登場していて、Twitterの枠を超えて活躍しています。
シニア層の映像制作コンテストも
65歳以上限定動画作品コンテスト「R65全国どきTuberコンテスト」も話題です。
R65全国どきTuberコンテストは、「シニア世代が日常生活で、生きがいを見つける」ことにスポットをあて、はつらつと輝き、生きがいのある生活支援と、シニアのデジタル化を推進する目的で開催。2023年に2回目を迎え、多くのクリエイターが参加しています。
引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000155.000035073.html
例えば、2023年の「R65百年人生応援賞」に選ばれたコウジさんはこれまで世界中を渡り歩いてきた長いキャリアを振り返り、ご自身の愛するモノについて語ったといいます。
どきTuberとは「人生の生きがいを映し出すどきどき動画」の発信者のことだそうです。
まとめ
このようにシニア層の動画シーンは既に賑わいを見せています。
制作する側やインフルエンサーから、動画視聴側、さらに自治体の活用とすでに至れり尽くせりの状況になっています。
Z世代に次いで来るのはシニア世代かもしれませんね。また、新しい動向がありましたら紹介していきたいと思います。
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