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クリエイターにこそ読んでほしい漫画『映像研には手を出すな』

クリエイターにこそ読んでほしい漫画『映像研には手を出すな』

クリエイターにこそ読んでほしい漫画『左ききのエレン』ブルーピリオドに続く、第三弾として今回ご紹介させていただくのは、「月刊!スピリッツ」(小学館)にて連載中の大童澄瞳作『映像研には手を出すな!』という漫画です。

あらまし~JK3人組がアニメ制作!?

作品のあらましは、「JK三人組が、部活をつくってアニメ制作に奔走する」というもの。“設定命”な浅草みどりと、その友人で“銭ゲバ娘”な金森さやか、“カリスマ読者モデル”にして“アニメーター志望”の水崎ツバメの3人が出会う場面から物語は始まります。

電撃三人娘たちが、自分たちの手で「映像研」という部活を立ち上げ、最強の世界(アニメ)を実現すべく東から西へ、現実から妄想へと自由に駆け回る、そんな新感覚の青春冒険譚です。

公式ホームページで三話まで無料で試し読みできます)

キャラクター紹介

浅草氏(浅草みどり)

最強の世界を現実化するために絵を描いている少女。設定厨で空想癖がある。

金森氏(金森さやか)

みどりの旧友で、弁が立ち、計算高く、金勘定が得意。映像研のマネージメント係。

水崎氏(水崎ツバメ)

カリスマ読者モデルにして財閥令嬢!?人物画が得意でアニメーター志望。

『映像研には手を出すな』の“ここが魅力”

愛とこだわりが細部に満ちている

本作は、パースの付いた吹き出しや綿密に描き込まれた背景、詳細に記された図解ページなど、コマの隅々まで読みごたえのある漫画です。そのどれもがモノづくりへの愛とこだわりが伝わってきて、クリエイター心をとてもそそります。


(カイリー号の画)

娘たちの妄想世界が美しい

虚構と現実の境があいまいで、自由に行ったり来たりするのも、本作の特徴です。

浅草みどりは、自由な想像の翼を持っています。幻想的で美しい彼女の妄想を眺めていると、子供のころに抱いていた冒険心や創造力を呼び覚まされる思いがします。

妄想とはいえ、知識量が豊富で設定も細かいため、虚構のなかにもリアリティがあります。

知識だけで形作られていたものが、実際に創作をすることで確かな輪郭と手ざわりを持ったものへと変貌していく。その細かな過程がリアルに描かれているのも、本作の素晴らしい点の一つです。ときには、宇宙にまで飛行して壊れた部室を修繕する、なんてことも。

作品が生まれる瞬間に立ち会える

三人がアイデアを出し合いながら、その場のセッションで製作していく姿を見ていると、目の前で作品に命が吹き込まれていく感じがして、背筋がゾクゾクします。

基本的な世界観と物語をつくる人、細かな動きや人物など写実的な作画を担当する人、時間とお金にシビアでアニメーターのお尻をたたく人と、その役割分担も絶妙です。

その関係性は、「クリエイター集団とはかくあるべきだ!」と思わず快哉を叫んでしまうほど理想的。チームでのモノづくりを経験したものなら、必ずや創造意欲をビシバシと刺激されること請け合いです。

創作に行き詰ったときや、産みの苦しみを味わっているときにこそ、ぜひ本作『映像研には手を出すな!』を読んでいただけたら光栄です。

▽クリエイターにこそ読んでほしい漫画シリーズ
『左ききのエレン』
『ブルーピリオド』
『7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT』


 

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この記事を書いた人

ZOOREL編集部/コスモス武田
慶應義塾大学卒。大学時代から文学や映画に傾倒。缶チューハイとモツ煮込みが大好き。映画とマンガと音楽が至福のツマミ。

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