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日本に負けない!?東南アジアの3DCGアニメーション技術
こんにちは、皆さん!エレファントストーンのアジア事業パートナー担当、辰巳です。
前回は「タイのパートナーと映像づくり。クオリティや金額、依頼の仕方って実際どうなの?」という記事をお届けしました!
僕はタイと日本のハーフで、現在は当メディアを運営するエレファントストーンでアジアパートナー事業担当をしています。今回は、タイでの映像制作シリーズ第二弾ということで、今や映像業界外でも注目されている「3DCG」についてお話しましょう。
日本国内だけではなく、タイの3DCGの状況や発注するメリットについてもご紹介いたします!
さあ、ワクワクする内容をお届けしますので、お楽しみに!
そもそも、最近なぜ3DCGが注目されているの?
まず、タイで制作された映像を紹介する前に「なぜ今、3DCGが注目されているのか」という点についてご説明します。
1. リアリティの向上
3DCGは高度なレンダリング技術を使用しており、リアルな映像表現が可能です。物体やキャラクターのディテール、質感、光の反射などを精密に再現することができます。これにより、視覚的に魅力的で没入感のある映像の実現が可能です。
2. 自由な創造性と表現力
3DCGは物理的な制約や現実の制約に縛られることがないため自由度が高いです。想像力を限界まで広げることで、非現実的なシーンやファンタジーな世界を実現することが可能です。
3. 効率的なプロダクション
3DCGはデジタルの環境で制作されるため、映像制作のプロセスを効率化することができます。物理的なセットやプロップを必要とせず、デジタルな環境で設定やアニメーションを調整することが可能です。修正や変更も比較的簡単に行うことができます。
4.対話的な体験の提供
3DCGはゲームや仮想現実(VR)などの対話的な体験にも活用されます。ユーザーが映像の世界に没入し、自身の行動や選択によって物語や環境を変化させることに貢献します。
5. コスト削減の可能性
物理的なセットやロケーションの代わりに3DCGを使用することで、制作コストを削減することができる場合があります。また、リアルな映像を得るための特殊効果やプロップの制作費用の削減に繋がるケースもあるでしょう。
こうしたメリットがあるからこそ、現在3DCGの技術が注目を集めています。また、これらは一般的な3DCG映像のメリットですが、技術の進歩とクリエイティブな活用方法により、さらに多くのメリットが生まれているといえます。
東南アジアでの3DCGの可能性は?事例をご紹介!
ここでは、クリエイティブのクオリティという点において東南アジアでの3DCGの可能性がどれだけ広がっているのか、ケースごとに事例を用いてご紹介します。
※参考として東南アジアの事例と似ている日本の事例も紹介させていただいていますが、映像自体を比較するのが目的ではない点をご理解いただけますと幸いです。
【電気製品】
1.日本の参考映像
ワイヤレスポータブルスピーカー:タテ・ヨコどちらも、高音質と重低音の広がりを:SRS-XB23【ソニー公式】
モデリングやテクスチャなどの細部にまでこだわりが感じられます。また、360度音が広がることを伝える演出としてVFX技術を加えており、スピーカーから期待できる効果をよりイメージしやすくしています。
2.海外の参考映像
ASUS Zenbook 17 Fold OLED|ASUS ประเทศไทย
質感が緻密に表現されており、高度な3DCG技術があることが伺えます。また、PCの外観を透過して内部の機能を説明する演出は撮影では表現できない3DCGならではのものです。
【コスメ】
1.日本の参考映像1
TV-CM「ネンマクフェイク ルージュ」
3DCGのリアルな表現力が際立っているCMです。唇の潤いを感じさせる質感やねじってリップが出る動きの演出等、撮影や2DTV-CM「ネンマクフェイク ルージュ」篇アニメーションでは表現しにくい高級感を感じさせる仕上がりです。
2.海外の参考映1
Maybelline x ITZY กับเมคอัพสุดติดทนจากเมย์เบลลีน
3DCGで商品に光や影をつけ、質感をリアルに表現しています。撮影である程度表現できる映像ですが、機材や人件費を考慮すると、3DCGがコストパフォーマンスに優れていると言えそうです。
3.日本の参考映像2
d プログラム 美容液「敏感肌のための薬用 濃密美容液」
光と影の効果も見事であり、シーン全体にリアリティと深みを与えています。さらに保湿感をイメージさせたい商品であり、水や成分の質感は3DCG奈良で表現できる演出です。
4.海外の参考映像2
“Srichand ศรีจันทร์” แป้งที่ดีกว่าดีที่สุด แป้งม่วงGen2
モデリングのクオリティが非常に高く、細部まで緻密に構成されています。背景のディテールや照明効果が劇的な雰囲気が劇的な雰囲気を演出しているだけでなく、パフの柔らかな素材感まで細かく表現しています。
【実写に載せる3DCG、VFX】
1.日本の参考映像
Coca-Cola GEORGIA CM 「ようこそカフェジョージア へ」
キャラクターデザインとモデリングのクオリティが高い事例です。キャラクターの動きや表情も非常に自然で滑らかであり、細かいディテールにまでこだわっているのがみてとれます。また、実写に3DCGを加える技術、場合によってはVFX技術でキャラクターの影をつくる演出をつけることで、より現実にキャラが出現した演出が表現できると思います。
2.海外の参考映像
น้อง…มาแล้ว
キャラクターの動きや表情が非常に滑らかで自然です。光や影を上手く使って効果を活用することで、シーン全体に深みと臨場感を与えています。
【フル3DCGアニメーション】
1.日本の参考映像
60秒くらいでわかるクラリチンEX
本映像のキャラクターのデザインや質感は海外の映画の3DCGアニメーションでもよく扱われているものです。花粉やお薬をリアルにキャラクター化することで、伝えたいことを身近に捉えてもらいやすくしています。
2.海外の参考映像
Oolong & OTPP
撮影や2Dアニメーションでも十分に説明できる作品ですが、海外(特にタイ)ではヘルス系の動画に3DCGアニメーションが多く使用されております。難しい印象を与えてしまうことの多いヘルス系の説明に対して3DCGアニメーションを使用することで、壁を感じにくくしているのかもしれません。
【おまけ】
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の一部の制作チームにタイのアニメーションスタジオも絡んでいます。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』本予告・改2【公式】
アニメーションの一部とレンダリングに貢献してるタイのアニメーションスタジオです。
東南アジアに発注するメリットは?
東南アジアに3DCGを発注する際のメリットは主に以下の4つにあります。
1. コスト競争力
東南アジアの一部の国々は労働コストが比較的低く、他の地域に比べて費用面での競争力があります。そのため、同等の品質の3DCGをより低コストで制作することが可能な場合が多いです。内容にもよりますが日本の3DCGの相場と比較して2.5分の1安いイメージです。
2. 優れた技術
3DCGを専門とした専門学校や大学の学部が多くあり、優れた専門知識や技術力を持ったクリエイターが多く輩出されています。多くのプロフェッショナルが3DCG制作に携わっており、高品質な映像を提供することが可能です。
3. 多様性と柔軟性
多文化が共生している東南アジア諸国は、クリエイティブ領域に対する視点やアートスタイルが固定化されていないため、様々なスタイルやコンセプトに合わせた3DCG映像の制作が可能です。クライアントの要求に応じて最適なプランを検討してくれるでしょう。
4. コミュニケーションと言語の利便性
東南アジア諸国では、英語が広く使用されています。クリエイティブなプロジェクトにおいては、クライアントとの円滑なコミュニケーションが重要です。言語の壁が少ないことで、要件や指示の伝達がスムーズに行われます。
これらの要素から、東南アジアに3DCG制作を発注することで、費用を抑えつつ高品質な映像を得ることができるというメリットがあると言えそうです。ただ、具体的な制作会社やクリエイターの選定には注意が必要であり、ポートフォリオや実績を確認して十分なコミュニケーションをとることが重要です。
まとめ
タイでの3DCGアニメーション制作の可能性を少しでも感じていただけたでしょうか。
少しでも、海外のクリエイターと連携して映像をつくりたい方やタイでの映像制作に興味を持っている方の参考になっていれば嬉しいです。3DCGアニメーション制作におけるビジョンに合わせて、素晴らしい映像作品を共につくり上げていきましょう!
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