SPECIAL

そうだ、電車にのろう。鉄道各社のCMをご紹介

そうだ、電車にのろう。鉄道各社のCMをご紹介

子どものころ、夏休み期間などで電車に乗ってスタンプラリーをしていたという人は多いのではないでしょうか。

電車は夏休みのような長期休暇時の旅行で重要な移動手段にもなりますよね。今回は、鉄道各社が公開した映像をご紹介していきます。

鉄道各社の映像の特徴

1.車体の魅力を伝える

電車には多くの鉄道ファンがいます。そのため、その車体をPRすることは集客につながります。機体の魅力、新車体の魅力を重点的にアピールする事例は多くあります。

2.ファミリー向けに展開

鉄道各社のCMは特に、夏休みの家族旅行をテーマとしたドラマ風のものが少なくありません。ファミリー向けに、視聴者自身の家族旅行に当てはめて考えてもらいやすいものから、ドラマのように緩急のあるものまで、そのバリエーションは豊かです。

3.交通手段+生活の拠点としての訴求

毎日使う足、交通手段であるという点のアピールは欠かせません。毎年少しずつ便利になっている電車の世界。通勤・通学のシーンを取り上げるだけでなく、日々の生活の拠点としての意識を持ってもらうべく映像を展開しています。その歴史や未来を感じさせる演出をすることが多く、視聴者に愛着を持ってもらえるようにつくられています。

鉄道各社の2023年CM映像

ここでは、2023年の鉄道各社のCM映像を簡単に紹介していきます。

1.相模鉄道(相鉄)

相鉄は、茅ヶ崎から橋本を結ぶ相模鉄道が母体ですが、今日ではその線はJR相模線として運行されています。そのため、現在の相鉄は1943年に買収した神中鉄道を元に発展しており、横浜駅から海老名駅を結ぶ本線、湘南台駅から二俣川を結ぶいずみ野線、西谷駅から新横浜駅を結ぶ新横浜線があります(別途、回送用の厚木線あり)。

1980年代までは「準私鉄の雄」と言われてきた相鉄ですが、1990年に「大手私鉄」に格上げされて以降も拡大路線はとまらず、現在はJRと接続して新宿駅にも乗り入れをしています。

2023年、今度は東急とつながりますます便利になった相鉄。相鉄線を舞台に、父と娘の12年を“50人ワンカット”で描く 「相鉄東急直通記念ムービー」を公開しています。

東急とつながったことで新宿、渋谷両方へのアクセスが容易になり東京都での存在感も増している相鉄。本映像は駅・電車の旧車体を交えながら歴史的に体系を追っていくというストーリーで展開され、「繰り返し見たくなる」「時の経過と一緒に内装も変わるこだわりが素敵」と話題になりました。

2.京王電鉄

京王電鉄は小田急電鉄と類する新宿発着の大手私鉄です。1905年に日本電気鉄道株式会社が電気鉄道開設を依頼したことをきっかけに、1915年には新宿三丁目方面(現在のIKEAのあたり)にまで延伸しました。相鉄のCMを少しタイムリープ物に変えたようなCMが京王電鉄です。

「これからも今日と未来の暮らしを支えていきたい」という思いを込めたCMを制作。2023年7月30日より公開されています。

八王子、橋本、高尾などへのアクセスに強く、新宿方面へのアプローチを早くから行なっていた京王電鉄。清原果耶さんを迎え、100年前の新宿駅にタイムスリップ、そして未来の新宿へ移るという鉄道の歴史を全面に出しています。

本映像はデジタルサイネージとして駅での放映もスタートしています。

3.JR東海

JR東海と言えば、東海道新幹線を保有するという強みがある路線。そんなJR東海が制作したCMがこちらです。

「会いにいく、が今日を変えていく。」をテーマに車窓や駅のホームから見られる景色を断片的に切り取りスピード感のある60秒で見せる映像。「電車からの見える景色の移り変わり」という、ならではの魅力をストレートに押し出した一本は、コメント欄でも「センスが良い」と大好評です。

4.小田急電鉄

1923年に旧会社である小田原急行鉄道が設立し、1941年に鬼怒川水力電気が買収したという経緯のある小田急電鉄。新宿から藤沢方面、小田原、箱根方面へのアクセスができる私鉄です。ロマンスカーという特別急行もあります。

こちらは小田急線沿線の下北沢にある「コワーキングスペース」を訴求するCM。何本か連続したCMになっており、その内の1本がこちらです。実は小田急はグループ企業に運輸、流通、不動産、ホテルなど94社が存在し多角的な経営ができる点が強み。

電車に焦点を当てるのではなく、その土地やそこでできることにフォーカスしている点が面白いです。

5.東武鉄道(東武)

1897年創立の社紋を現在も使用しており、大手私鉄16社の中でも古い歴史を持つ東武。浅草から日光までをつなぐ本線の他、池袋から埼玉方面へ乗り出す東上線(東上本線・越生線)と、発着が全く別の路線で2本あることが特徴です。

こちらは、スペーシアの車体のかっこよさを推したCM。車のCMにも通じる車体のかっこよさ、走る姿の流麗さで勝負した王道の1本です。

6.近畿日本鉄道(近鉄)

1910年、大阪から奈良を結ぶ鉄道として設立されたのを祖とし、現在は名古屋~大阪間をJRとは別のルートで結んでいるのが関西圏の私鉄の雄である近鉄です。

家族層に向けて、近鉄による快適な旅をアピールしているのがこちらのCM。首都圏の鉄道各社がドラマチックなのに対し、こちらはファミリー層向けであることを素直にアピールしており、カジュアルな雰囲気を感じます。

7.黒部峡谷鉄道

黒部ダムへの観光で使う黒部峡谷鉄道トロッコ電車は、黒部市の宇奈月駅から欅平駅まで全長20.1kmを黒部川沿いに沿って走り抜けます。電車に乗った先に広がる絶景を一度は見てみたいと感じる方も多いのではないでしょうか。

こちらの映像では、黒部峡谷鉄道トロッコ電車に乗って黒部ダムへ向かう子供たちの楽しそうな様子をダイナミズムをもって伝えています。旅行を追体験できるようなひねりを加えない優しいつくりです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

鉄道のCMといっても各社で何をアピールするかが異なりました。さらに地域単位でCMを見ると、関西や地方はストレートにファミリー層への旅需要をアピールし、関東では日々の生活や歴史をアピールするといったように地域によっても訴求の仕方が少し違う印象を受けました。

私たちが日々接する鉄道だからこそ、切り取り方も多面的で参考になりますよね。今後も定期的に紹介していきたいと思います。

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

ZOOREL編集部/黄鳥木竜の書いた記事一覧へ

タグ

RELATED ARTICLES 関連記事