日常を作品へ！「シネマティックVlog」の世界

昨年から日本でも加速度的な盛り上がりを見せている「Vlog」。弊社でもこれまでいろいろな角度から取り上げてきたコンテンツですが、専用機材やソフトの進化にともない、ここ最近は映画のワンシーンやミュージックビデオのようなVlog作品を、プロではない一般人が投稿するケースが多くみられます。

5Gの導入やスマホカメラのハイクオリティ化も、今後その流れをますます加速させることでしょう。

また、何気ない日常が戻ってくることを誰もが願ってやまないウイズコロナ時代にあって、ライフスタイルをコンテンツ化するVlogのコンセプトは、映像づくりという営みにおいて、極めてアクチュアルなものになっているように思えてなりません。

そこで今回は、そんなVlogの中でも、ありふれた日々の生活をアーティスティックな映像として記録した「シネマティックVlog」な作品をいくつかご紹介します。

シネマティックVlogとは？

Vlogの中でもひときわ人気が高い、日常の風景や旅行ミュージックビデオや映画のワンシーンのように切り取った「シネマティックVlog」。いったいどのような作品があるのか、実例を見ていきましょう。

好きなミュージックビデオからインスピレーション

こちらは独学ながらプロ顔負けの映像センスと編集テクニックを持つ週末フォトビデオグラファーAUXOUTさんの一本。「さあ、日常から作品へ」というコンセプトのもと、若い夫婦が過ごした夏の旅行の一コマを、まるでミュージックビデオのような映像作品に仕立てています。

好きな曲からインスピレーションを受けて撮影することも多いそうで、楽曲と映像がとてもマッチしているのが印象的。紹介させていただいたAUXOUTさんの作品には、どれも説明欄に各種使用機材のリンク先がすべて掲載されているので、ぜひVlog作りの参考にしてみてください。

BGM選びの重要性

過去にZOORELでも紹介し、動画コミュニティ「TranSe Salon」を運営し株式会社TranSe ink. で取締役を務める大川優介さんのVlogがこちら。AUXOUTさんの作品同様、セリフやテロップがいっさい登場しないため、音楽が視聴者の感覚に働きかける役割が相対的に大きくなっています。

センスの良い編集テクニックと共に、シネマティックVlogにおけるBGM選びの需要性が伝わる一本です。大川さんは、趣味のサーフィンの動画をVlogとして発信していたのが映像づくりに目覚めるきっかけだったそう。

トルコ旅行が映画さながらのVlogに

最後に海外の事例を一つ。

1,000万近い視聴回数を誇る「Andy To」というVlogerの手によるもので、自身のトルコ旅行をiPhone 11 Proで撮影。本格映画さながらのクオリティで、スマホカメラの進化を如実に感じさせる作品です。

見所は、映画『アラジン』に登場する魔法のランプのようなアイテムから青い煙がもくもくと吐き出されるシーン。アジアとヨーロッパの境界ともいえるトルコ、異文化がまじりあう中でトルコの世界遺産や大自然の美しさをまるごと生かしながらも、ところどころでCGを使っているのが印象的でとても面白いです。

ちなみに東京版もあります。ドラゴンボールのセリフ（使っていいのかよ！ というつっこみはなしで）で始まるイントロがインパクト大！「シネマティック」という言葉から、専門的な映像の知識や経験が必要なのでは？ と制作にあたって敷居の高さを感じる方も多いかもしれませんが、独学でも十分に制作可能なジャンルです。みなさんもぜひチャレンジしてみて下さい！

まとめ

今回は、活況を呈しているVlog界隈のなかでも人気の高い「シネマティックVlog」について取り上げてみました。紹介させていただいた作品を通してお伝えしたかったことをまとめると

・機材の進化によって初心者でもシネマティックな映像づくりが可能
・セリフやテロップが登場しないため、音楽による演出効果が非常に大きく、BGMのセレクトがきわめて重要
・日常をアーティスティックな作品へ昇華させるVlogとシティプロモーションのPR動画の作り方には共通点が多い

といったところでしょうか。大規模イベントの開催が困難なウイズコロナの日常生活や価値観の変化を踏まえた映像のあり方として、「小さな日常を作品化」するVlogの需要はますます増加していくことでしょう。それにともない“Vlog的な映像の作り方・見せ方”も他のコンテンツにどんどん波及していくはず。

今後もVlog界の動向に着目して、面白いトピックがあったら随時お届けしていく予定です。どうぞお楽しみに！

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