NEWS

北米発のストリーミングテレビ「FAST」が日本上陸

北米発のストリーミングテレビ「FAST」が日本上陸

こんにちは、映像制作のエレファントストーンが運営するオウンドメディア「ZOOREL」です。北米のストリーミングテレビ「FAST」が日本へ上陸します。

公式のリリースは、2024年6月20日(木)より無料映像配信サービス「FAST(Free Ad-supported Streaming Television)」の日本初上陸と新サービス「FASTチャンネル」が先行サービスとして開始することを発表。なお、本格サービス開始は8月20日(火)を予定しているようです。

そもそもストリーミングテレビとはなんでしょうか?

ストリーミングテレビ「FAST」とは?

「FAST」は無料広告型ストリーミングテレビの略称です。スマートTV(Connected TV)を中心とした新たな視聴スタイルとして、オンデマンド型の視聴を上回る勢いで北米やアジアを中心に急速に伸びている放送型の映像配信サービスです。

画像参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000144496.html

そんな「FAST」の特徴は次の二つにあります。

広告収入による運営

「FAST」では、衛星放送などの有料プラットフォームのビジネスモデルの基本であったプロバイダーから支払われる配信料金が存在しません。代わりに「広告収入」で運営しています。つまり、旧来の日本のテレビ局のやり方をむしろ“新しい手法”として取り入れているのです。その参入障壁の低さから、映像コンテンツを持つ多くの事業者の新たな収入源として注目されています。

視聴形式もチャンネル型

視聴形式も従来のテレビ放送のようなチャンネル選択方式です。この方式はすでに「ABEMA」などでも実施されていますが、膨大な映像の中から見たい番組を探す労力を減らす上で効果的な手法と言えます。定額制動画配信サービスとは異なる、無料で気軽に楽しめる新たなサービスとして注目を集めています。

何故、テレビ型?

『FAST』が北米等で受け入れられているのは何故でしょうか?

それは、近年Z世代を中心に取りざたされている「インターネットで検索するのがもはや手間」という考え方に理由があります。google検索よりもSNSで情報収集する傾向が高まっているだけでなく、「おすすめを勝手にリコメンドしてくれる」機能の充実によりパーソナライズ化された情報を受動的に取得する人が増えてきています。

つまり、動画は「リコメンド」されたものをザッピングしたいという考え方が主流になってきているのです。TikTokが伸びた理由もこのリコメンド機能が強かったからと言われていますよね。そんな中、「FAST」はあえて従来のテレビの形をとったスタイルでエンタメや子供向け、料理・旅行・健康など厳選された全10チャンネルを展開するといいます。

すでにUUUM株式会社が参加を予定しており、そのチャンネル名は「とりあえず」。この「とりあえず」の方針こそが「FAST」を象徴しているようにも感じます。

画像参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000144496.html

とりあえず電源をつけて、何か面白いかをザッピングする、その受動的な行動がテレビの基本です。そして、その反対に自分で検索して未知の世界に自ら乗り出すのがインターネットの考え方でしたが、一般層にまでインターネットが浸透したことで「検索」という行為自体を見直し、勝手にリコメンドしてほしいという要望が増えたと言えそうです。

「FAST」北米での勢いは?

北米の代表的な「FAST」サービスの利用者数をチャンネルごとに見てみると、20万本を超える映画とテレビ番組、約200本のオリジナル作品が揃い約250チャンネルを展開する『Tubi』で約7,800万人。

さらに「ワーナー・ブラザース」や「ライオンズゲート」などと提携し約350チャンネルを展開する『Pluto TV』が約9,000万人。アメリカで最も人気のあるのが約340チャンネルを展開する『Roku Channel』となっており、何とその利用者は約1億2,000万人にのぼると言われています。

まとめ

新たなストリーミングテレビとして注目を集める「FAST」。日本では近しいサービスに「ABEMA」や無料見逃し配信サービス「TVer」が挙げられそうですが、今後「FAST」は、日本国内で2027年度中に3,000万人のユーザー登録数を目指すとしており、目が離せません。


 

映像制作のエレファントストーンが運営する本メディアZOORELは、映像やクリエイティブにまつわるトレンドやノウハウを発信しています。最新情報は以下のメールマガジンにて更新中。お気軽にご登録ください!

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

ZOOREL編集部/黄鳥木竜の書いた記事一覧へ

タグ

RELATED ARTICLES 関連記事