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マクドナルドがAIをCMに起用。その意図を読み解く

マクドナルドがAIをCMに起用。その意図を読み解く

8月半ば、マクドナルドがYouTubeショート等でAIを起用したCM「AIポテト」を公開しました。

世界的大企業であるマクドナルドがAIをCMに起用したことが賛否を含む大きな話題となりました。SNS等では意見だけでなく、AIでCMを模倣する人や真似をする人も出現。単純にトレンドとして楽しむ、乗っかる層も多く見られました。なぜマクドナルドはCMにAIを起用したのでしょうか?読み解いていきましょう。

マクドナルドがAIを起用した理由を考察!

AIポテトと題したこのCM。ニュースリリースはなく、8月半ばにYouTubeショート、TikTok、XといったSNS上で公開されました。

ではなぜこのCMを作成したのでしょうか?

世代ごとにターゲッティングを変えてCMを作った

一言で言えば、マクドナルドはZ世代、またその下のα世代向けにAIポテトの動画を作成、全世代向けにはI♡ポテトのCMを作成し、それぞれプラットフォームで出し分けた格好になると考えています。

α世代は、日経BPの「新消費をつくるα世代 答えありきで考える「メタ認知力」」ではAIネーティブの世代と紹介されており、「生まれながらに生活環境にデジタルデバイスが浸透しており、ツールを駆使して生活を便利にすることに抵抗感がない」と言われています。

マクドナルドのショート動画は人気!

株式会社Utakataが10-50代のTikTokerに6月に調査した結果では、マクドナルドは企業系TikTokで6位タイと人気があります。飲食ではピザハットと並びトップの地位です。


https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000143920.htmlより

この調査では、「いろいろなネタの動画を投稿していて見てて飽きないから」「動画が面白いし、新商品やキャンペーン商品について分かる」と好意的な評価がされていました。

さらに有効利用していると思う企業では堂々の1位となっています。


https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000143920.htmlより

こちらのアンケートでは「新作が出た時にマックのチャンネルを見て毎回食べてます」「コラボ商品やコマーシャル動画で楽しませてくれるから」といった意見がでています。マクドナルドはショート動画戦略で「ネタ」「面白さ」に振り切っていて、それが功を奏していると言えます。

マクドナルドのショート動画の戦略

このように、マクドナルドはショート動画では良くも悪くも恐れずにチャレンジし、ネットのトレンドにも乗っかる印象があります。AIポテトが話題になった後の動画も「マクドナルドは大変なものを作っていきました」と侍マックのショート動画を公開しています。

@mcdonaldsjapan マクドは大変なものを作っていきました #サムライマック #トリプル肉厚ビーフ ♬ オリジナル楽曲 – マクドナルド

これは映画『ルパン3世 カリオストロの城』における銭形警部のセリフを一部改変したネット上で話題になった単語「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」をさらに改変したものとみられています。

このようにインターネット文化を積極的に取り入れるのは、コンプライアンスの縛りが大きい大企業ではかなり大胆な挑戦と言ってよいでしょう。

マクドナルドへの高い業界内からの評価

若い世代だけでなく業界内からの支持もされています。CM総合研究所による2023年のCM好感度ランキングNo.1は日本マクドナルドでした。ベスト・アドバタイザーを受賞しています。


https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000030552.htmlより

新しい挑戦は時に「ふざけている」と否定的に捉えられやすい中でしなやかに世の中を渡り歩いていると言えるでしょう。

まとめ

マクドナルドの顧客層は公のデータはないものの、大規模なファーストフードチェーンということもあり、基本的には全世代へ向けて商品を作っていると考えられます。

一方で、各webサイトが独自調査や分析を行っており、「30代の客層が増えているのではないか?」とか「値段が上がっていることで若年層の利用者が以前よりも多くないのではないか」と分析する意見も見受けられました。

かつてはマクドナルドと言えば安く若年層の味方でした。私たちの世代は学校帰りに学生でも立ち寄れてだべることができる場所という認識です。ショート動画戦略は若年層の心をつなぐ1つの策略なのかもしれません。

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

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