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“セルフドキュメンタリー映画”とは?
Netflixでも観られる最新作品もご紹介!

“セルフドキュメンタリー映画”とは? Netflixでも観られる最新作品もご紹介!

はじめに・・・本記事は少しだけ前段が長いのですが、タイトルにある「最新作品」は記事の最下部にありますので、そちらだけでもチェックしてもらえますと幸いです。

こんにちは、エレファントストーンプロデューサーの比嘉です。

私は普段からドキュメンタリー映画を見る機会が比較的多いのですが、実はドキュメンタリーと一口に言っても、様々なジャンル(もしくは手法)があるんです。

その中でも今回は「セルフドキュメンタリー映画(以下『セルフ映画』)」というものを紹介します。そもそも皆さん、「セルフドキュメンタリー」って聞いたことあります?

「セルフドキュメンタリー」=「基本的に映像作家が自ら撮影し、自らの身辺の事実をドキュメントした作品」と言われています。

今では自ら撮影・編集を行うYouTuberの存在や、弊社の鈴木が以前取り上げた「Vlog」などの台頭もあるので、「なーんだ」「よくあるやつじゃん」と思われるかもしれませんが、映画史的にはセルフ映画の登場って結構な衝撃だったんです!

まずはその一例を紹介します。

1、国内で人気を博したセルフ映画「エンディングノート」

余命宣告を受けた男の「エンディングノート作成」を追ったセルフ映画。映画の主人公である砂田知昭さんは、監督の実父です。

予告編だけで涙腺が緩んでしまうのは私だけでしょうか?

本作は笑いあり、涙ありのストーリーが共感を呼び、全国の劇場で公開されました。

あまりの人気ぶりに歴代のドキュメンタリー映画(国産)の興行収入の記録を塗り替え、しかもそれが「(語弊を恐れず言うと)監督が家族を記録したホームビデオが編集されただけの映像」であったことは衝撃を与えました。

2、究極の体当たりセルフ映画!?「スーパーサイズミー」

一方国外の「セルフ映画」に目を向けると、モーガン・スパーロックの本作は外せません。

監督自身が「1日3食・30日間マクドナルドのファストフードだけを食べ続ける」という樣をセルフドキュメントしており、オーストラリアではドキュメンタリー映画史上最高の興行成績を挙げ、アカデミー賞のドキュメンタリー映画部門にもノミネートされています。

監督が自らの肉体を用いて「ファストフード社会」を風刺しているという意味では、セルフという枠に取られず「ソーシャル」をきちんと捉えたセルフ映画と言えるのではないでしょうか。

3、セルフ映画の元祖「極私的エロス 恋歌1974」

本作は一瞬紹介をためらいましたが、せっかくなので。笑

タイトルやビジュアルからも危なさ漂う本作はセルフ映画の元祖とも言われており、内容の過激さ故に筆者自身も初見から今まで忘れられないセルフ映画です。主なストーリーとしては、元カノを忘れられない監督が、「今カノ」と一緒に元カノを取材しにいくという内容。

これがドラマの脚本であれば「へー。三角関係ものね。」かもしれませんが、本作は現実が対象なので衝撃度は高いです。「バチェラー」「テラスハウス」に匹敵(?)する男女間の修羅場を見たい方はぜひ。

近年は減ってきたセルフ映画

以上、セルフ映画の代表例です。監督自身が出演したり、語り手になることで、いわゆる一般的なドキュメンタリーと比べて臨場感があるのが大きな特徴です。

衝撃的な内容の多いジャンルですが、「怖いもの見たさについつい見てしまう」という感情が沸いたら、そこから先は沼です(笑)

ただ、そんなセルフ映画も近年ではめっきり減ってしまった印象。

先述の通り、SNSや撮影機材の発展により希少性もなくなったため、劇場公開までこぎつけるセルフ映画が減ってしまったのではないか、というのが筆者の推測。「もう当面は出てこないんだろうな」と思った矢先、あの「Netflix」配給のセルフ映画と出会い(しかもそれが良作で)、感動しました!

4、最新のセルフ映画「僕の家族のすべて」

監督は中国人のウー・ハオ。アメリカ在住で、「代理出産」で子を設けたゲイの映画監督。一方ハオの家族は中国の昔ながらの伝統を重んじる家系。中国人家族にとっては「新しい家族のかたち」。それに戸惑いながらも受け入れていく姿に筆者は感動しました。

テーマも今っぽいし、40分の作品なので、セルフ映画入門編としていいと思います!

まとめ

ここで紹介した作品はごくごく一部です。セルフ映画、ひいてはドキュメンタリー映画はもっともっと面白い世界があるので、追ってご紹介できればと思います。

この記事を書いた人

比嘉賢多
エレファントストーンのプロデューサー

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