MARKETING
ファッションECサイトが驚くべき動画マーケティングで成功した理由(後編)
前回、高級ファッションのアウトレット通販サイト『YOOX』が動画プロモーションで成功したことを説明しました。まずは前回の復習です。実際の動画広告を30秒で振り返って見てみましょう。
ユーザーは「もっとも独占的なコレクション」と題された動画広告を見て、15秒間にクリックをすれば特別なランディングページで限定に用意された商品が買え、もしクリックをしなければのこぎりやレーザーで商品を切断するような未来を暗示させます。『The Drum』においてYOOXクリエイティブディレクターのフィリッポ・ヴェッツァーリはこう述べています。
「アニメーションはナレーションが非常に急速に展開されクライマックスがすぐに到達します。これは、漫画を思い出させます。しかし、ビデオのシンプルさの背後には、Googleと一緒に調査した革新的なテクノロジーがあり、本当に魅力的な動画フォーマットになりました」。
ここでThink with Googleの記事に戻りましょう。そこでは、Google側が丁寧に4つのポイントを解説してくれているのです。
1.最初の5秒間が大事
YouTube広告の最初の5秒間はスキップできないため、100%のユーザーが見ることになります。これは視聴者を惹きつけ、広告が自分と関連性があることを示すことで視聴者が動画広告を見続けるチャンスです。
YOOXはこれを実現するために「独占性」と「衝動買い」という、流行に敏感なターゲットユーザーの2つの強迫観念を利用しました。各広告の最初の数秒で視聴者は他に類を見ないショッピングの機会を得ることができましたが、迅速に行動しなければ購入することができないわけです。
つまり、「クリエイティブとは何でもできるのではなく、動画の視聴者に対する真の洞察を提供する必要がある」と述べています。
2.ゲームのような体験を映像内で提供
情報があふれている現代では、人々は興味がないコンテンツに注意を払う可能性は低いです。つまり、「興味を獲得して目をくぎ付けにする」ためのアイデアが必要です。
YOOXはこれを実現するために、ユーザーエクスペリエンスをゲームのようなアニメーションにしました。時間内にクリックしなければのこぎりで商品が切断されるようなアクションが起きてしまいます。このことによって視聴者が行動するように促しました。
3.シンプルかつ簡単
このように新しいことづくめの事例ですが、視聴者がもし広告を良いと思ったときに対する“対処方法”を明確に説明することは非常に重要です。YOOXは広告の冒頭からユーザーに「お見逃しなく!」「今すぐ購入」のボタンがあります。つまり、ユーザーはもし自分が興味をもったらそのリード文に従えばいいのだとわかります。
4.ターゲティングをしっかりとする
先ほど「1,470万人のユニークユーザーが視聴し31万人がランディングページへ飛び商品を閲覧、結果として1,715アイテム約26万€(日本円で3340万円)を売り上げたといいます。」と述べました。
これを見て、あれずいぶん売れた数が少ないなと思った人がいるかもしれません。これは高級ブランドのアウトレットで販売されていたのもMARNI、Dsquared2などです。つまり、アウトレットといえど1アイテムあたりの単価が平均2万円と他よりも高くなります。
そう、これは一部のファッション好きに対する販売なので、YOOXはGoogle広告の「アフィニティ(カテゴリのターゲティングのこと)」を使用して「掘り出し物」に興味を示した人々にリーチしました。さらに「オーディエンス ターゲティング」により、関連性があると思われるキーワードを最近検索した人(用意したアイテムと同じブランド名で検索している人)や、ウェブ上のファッション関連Webサイトを閲覧した人を見つけることができました。
このようにしてYOOXは動画プロモーションを成功させました。ファッション関連の人に限らず「動画」と「広告」をうまく生かした例なので参考にしてみてくださいね。
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