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(元)中学生男子の心を鷲掴みにするスケールがでか過ぎる90年代ミュージックビデオ3選
こんにちは。エレファントストーン 代表の鶴目です。
中学の3年間、父親の仕事の都合でバンコクに住んでいたのですがインターネットもまだ無い時代、テレビといえば言葉がほぼ分からないタイ語の番組しかなく必然的に家に帰るとMTVばかりをずっと観てました。
そんな環境もあって洋楽そしてミュージックビデオが好きになり、例えばRadioheadの「Creep」のアンダーグラウンドな世界観に心がザワザワして頭から離れなくなったり、Nirvanaの「Smells Like Teen Spirit」のカートコバーンのかっこよさを友達と放課後に延々と語りあったり、blurの「For Tommorow」を聴いて、イギリス最高って思いブリットポップにがっつりはまるきっかけになったりとそのままミュージックビデオに虜になった10代を過ごし、結果的に今の映像という仕事に繋がる大きなきっかけのひとつとなりました。
ただ、そんな「ちょっと良い感じ」のエピソードをしても全く面白くないので、ここではCDが売れに売れて予算が潤沢にあった90年代ならではの(そしてもう2度と現れないであろう)スケールがでか過ぎるミュージックビデオを紹介し、恐らく時代が違えども中学生男子の心を持つ者なら(もちろん女子も可)鷲掴みにされるのではないかと思い、記憶を辿って3つ選んでみました。
Michael Jackson – Black Or White
まずはスケールがでかいといえば、この人は外せないと思い世界のマイケルを選びました。
いきなり始まるのがミュージックビデオではなく、アメリカの典型的なホームドラマを思わせるショートムービー。主演は当時、一斉を風靡していた『ホームアローン』のマコーレ・カルキン。
そして、マコーレ・カルキンの怒りのギターによって父親が飛ばされたアフリカから世界中をマイケルが歌って踊りながら各国を巡るのですが、シーンの多彩さ、豪華さには改めて驚かされます。現代の技術で考えるとCG面やセット面で拙いと感じるところもありますが、1991年の映像と考えると改めて驚愕します。
そして圧巻は5:28あたりから始まるモーフィングという手法で今では割と身近に観る表現ですが、最初に観た時は思わず「え?」って声が溢れ、翌朝、友達に興奮気味に話した事を昨日のことのように思い出します。今でもモーフィングを観るとマイケルのこのビデオと、ラモス瑠偉が扮する「まさお」のJリーグカレーを反射的に思い出しちゃいます。
今回、改めて観て素晴らしいなって思ったのは、英語が分からなくても世界中の老若男女がこの題名と映像だけでマイケルが伝えたいメッセージが分かるということ。シンプルながらも心に響きます。
Guns N’ Roses – November Rain
ハードロックはほとんど通らずに過ごしてきましたが、このミュージックビデオはあまりにもスケールが大きすぎて思わず釘付けになりました。総予算はなんと日本円にして1億円をゆうに超えているとの話。前述した「Creep」と恐らく100倍以上の予算差はあるでしょう。
元々はある小説をベースにしたストーリーらしいのですが、完全にミュージックビデオという範疇を超えた豪華さ。役者やエキストラの数も尋常じゃない。10分近い曲ですが2021年現在で再生回数はなんと15億回以上。
ただストーリーに関しては自分が理解力がないからかもしれないのですが、25年後に観てもいまいちよく分からない。雨降って何があって死んじゃったのかよく分からず・・・。けど中学生男子的に言うと、なんかすげー。かっけー。
4:08から始まるスラッシュのギターソロは今だったらドローンなどで比較的簡易に撮影できますが、当時だと恐らく空撮で撮ったのだと思われます。(ただ何で教会を出て行ったのかはよく分からない。何ならタバコ吸ってて革ジャンの下は上半身裸だし。)
ちなみに花嫁役のステファニー・シーモアはボーカルのアクセル・ローズの当時のガールフレンドでした。
Aerosmith – Amazing
まさにVR時代を予感した映像。このミュージックビデオの世界感は本当に衝撃的で、1993年当時は家にパソコンがある人はごく僅かで、ウィンドウズもまだ出ていない時代でした。
こんな世の中がいつか来るのかなと思っていたら、今まさにその時代が来ている感じで、最初VRを知った時には「エアロスミスのAmazingの世界だ!」って思いました。
あと、中学生男子的にいうと、主演のアリシア・シルヴァーストーンがめちゃくちゃ可愛い。ちなみに、この曲以外も「Cryin’」と「Crazy」にも出演しており、「アリシア3部作」とも呼ばれており、当時、予想よりも振るわなかったアルバムセールスがこのミュージックビデオで一気に伸びたという話も頷けます。
ちなみに3本目の「Crazy」はスティーブン・タイラーの娘、リブ・タイラーも出演しています。ほんの少し前だと思ってたら四半世紀を超える月日が流れていて改めて驚きましたが、その時代でしか出来ない予算感・技術・表現手法があって時代で映像を観ることの興味深さを感じました。
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