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鹿児島の「島」に学ぶプロモーションのアイデア

鹿児島の「島」に学ぶプロモーションのアイデア

離島の観光PR動画には、思いも寄らない発想でロケーションのハンデを武器にするプロモーションのアイデアが詰まっています。

これまで「久米島」と「小笠原諸島」の事例をお届けしてきましたが、離島シリーズ第3回目となる今回は、「種子島」「奄美大島」「屋久島」と日本を代表する鹿児島県の離島のPR動画をまとめてご紹介します!

種子島 アイドルナビゲーター&移住もPR

【ポイント】
・地域出身のご当地アイドルをナビゲーターに
・カヤック・サーフィン・スキューバダイビングとアドベンチャーツーリズムのPRがたっぷり
・種子島宇宙センターのロケット見学の圧倒的なインパクト

鹿児島県の有人離島のなかでもっとも東側に位置する種子島。どうしても学校の授業の影響で「鉄砲伝来の島」のイメージが強くありますが、日本最大のロケット発射状である種子島宇宙センターをはじめ、宇宙関連施設も島内に数多く点在しており「ロケットの島」としても有名です。

また、近年ではサーフィンの名所としても知られ、マリンスポーツを楽しむ人々の移住も加速しています。

種子島生まれのアイドル宮本詩乃さんをナビゲーターに、20分のロング動画で種子島の魅力をあますことなく紹介。

自然体験、絶品島グルメ、島祭りを盛りこんだ王道的なプロモーションの作りになっていますが、やはりその中でも圧倒的なスケールと最大級のインパクトを誇るのが、種子島宇宙センターのロケット見学の光景です。

打ち上げ場でのカウントダウン発射が楽しめる「ロケット打ち上げ応援ツアー」も実施している種子島。是非一度は体験してみたいものです。

こちらは、3分半のショートバージョン。透き通るような海に包まれるシーカヤック、原生のマングローブに囲まれるシーカヤック、お魚の大群と遭遇できるスキューバダイビングにサーフィンとアドベンチャーツーリズムと離島の相性の良さが伺えます。

種子島のある西乃表市では、島の地域おこし協力隊の手により、増加傾向にある移住者へ向けこんなテレビ番組風のPR動画も公開しています。

2018年の6月以降、現在までに三本公開されています。

都会にはないおだやな時間の流れを感じさせてくれるとともに、空き家紹介などお役立ち情報も満載。やはり、こういった実際に移り住んだ人の生活風景が透けて見える作品が一本でもあると「移住・定住」への一歩が踏み出しやすくなりますよね。
素晴らしい取り組みです!

奄美大島

【ポイント】
・手つかずの大自然が最大のセールスポイント
・ロングバージョン・ショートバージョン(3分動画・30秒動画)と複数のバージョンでPR
・旅行者の目線でPR動画を制作

本動画の素晴らしい点は、ずばり圧倒的な自然の迫力と魅力をテレビ番組のようなスタイルで描いているところ。

恐竜が飛び出してきそうな原生林、悠々と広がる紺碧の海など、奄美諸島に広がる手つかずの自然と圧倒的な風景の魅力を余すことなく収めた一本になっています。
自然と共生する人々の暮らしや風習を変に脚色したりせず、ありのままの姿で伝えているのも、好感がもてますよね。

3分間のショートバージョン、30秒バージョンと3パターン用意されています。

カメラマン=視聴者という設定のもと、トラベラー目線での撮影がなされており、あたかも現地を観光しているかのような気分を味わうことができます。地元愛を強く感じさせるナレーションも味わい深くて印象的です。

屋久島

【ポイント】
・ドキュメンタリー風のPR動画
・直球勝負で世界遺産の大自然をPR
・再生数100万回突破の超人気作も

太古の自然が息づき、世界自然遺産にも認定されている日本のワンダーランド「屋久島」。

シンボルとも言える縄文杉をはじめ、多様な生態系と独自の文化に恵まれた神秘の島は、世界各地から訪れる旅人たちの心を鷲掴みにする生命の驚きに満ち溢れています。

18分にも及ぶこちらのPR動画は、フォログラファーの日本人旅行者が島を訪れる様子を描いたドキュメンタリータッチの一本。

アーティスティックんなカメラワークで撮影されており、一つひとつのカットが展示された写真のように美しく深い印象を残します。屋久島の自然、歴史、文化、グルメ、人々の生活がギュッと詰まった素敵な動画になっていますよね。

ショートバージョンのこちらは、公開五ヶ月でなんと再生数100万回越えの超バズ動画!古代にタイムスリップした気分さえする壮大な大自然の景色はまさに圧巻です!
わずか1分半の動画だというのに、人類の遥かな歴史の流れに思いを馳せずにはいられません。

さらに40秒あまりのコマーシャル動画も用意されています。

カットが厳選され、ジブリ映画のワンシーンがそのまま実写になったような幻想的な風景の美しさがより際立っています。どのバージョンの動画でも外国語のコメントが多く見られ、言葉を超えたPRリソースとしての「自然」の強さが伺えます。

かごしまPR課は、FacebookでもPR。

PR動画とSNSとの連動の少なさがすこし気になった今回ですが、TwitterやTickTockで流れてきても目を引くと思うので、今後はそうした動きもより活発化していくことでしょう。

こうした映像は、アンビエントやポストクラシカルと言ったジャンルの楽曲とも相性が良いので、個人的にはそうした音楽と映像のコラボレーションを活用したプロモーションも見て見たいとろです!

まとめ

いかがだったでしょうか?

離島シリーズ第3弾となる今回は、「種子島」「奄美大島」「屋久島」と誰もが知る鹿児島県の有名離島のPR動画をまとめてご紹介いたしました。3つの島のPRに共通しているのは、自然のアドバンテージを最大限に活かしたプロモーションがなされているところ。

とりわけ屋久島の作品は、有名人もグルメもお祭りも出てこないのに100万回再生を突破と、素材の旨みをそのままパッケージングした(もちろん撮影技術は素晴らしいものがあります)「シンプル・イズ・ベスト」の極みのようなPR動画になっていますよね。

まだまだ離島動画には、地域創生や観光誘致のお手本にしたい作品がたくさんあるので、また面白いものを見つけたら継続的にお届けするつもりです。お楽しみに!

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/コスモス武田
慶應義塾大学卒。大学時代から文学や映画に傾倒。缶チューハイとモツ煮込みが大好き。映画とマンガと音楽が至福のツマミ。

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