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インタビュー動画を一段上にレベルをあげる手法「インサートカット」

インタビュー動画を一段上にレベルをあげる手法「インサートカット」

こんにちは、エレファントストーンディレクターの山口です。

「インサートカット」という言葉、どこかで聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

プロになればなるほど、このインサートカットを編集で効果的に使いこなすことで映像のクオリティを上げています。

インサートカットとは?

まずインサートカットとは…
一般的に、インタビューの途中に入る「資料」や「説明しているモノのアップ」、「話者の仕事の様子」を映したカットのことをいいます。

ちなみにWikipediaでは以下のようにまとめられています。

視聴者に「編集したことを気づかれないようにする」「不自然に見えてしまうことを避ける」ために、この機能を用いて、通常のカット編集をした部分にさらに別の映像をかぶせることがある。このかぶせた映像、あるいはそういった編集方法のことを「インサートカット」と呼ぶ。(Wikipediaより)

このようにインサートカットには、編集したところを隠すため=“ネガティブを隠す”ためのメリットもありますが、他にも、インサートカットを入れることで“内容が分かりやすくなる・感動するなどのポジティブな効果”をもたらすことができます。

では、インサートカットによってどんな効果を与えられるのか、そしてそれは、どう見せているのか、いくつかご紹介していきます。

インサートカットの種類

仕事やスポーツなどの“現場の雰囲気を伝える”ためのインサート

インタビューを受けている人や、関係する人が、実際の現場で「リアルに働く姿(や働いているのを再現してもらった姿)」を映すと、話だけでは伝わりづらい現場の雰囲気を伝えることができます。

その際に「表情」などを入れることで“想い”を感じさせることができます。エレファントストーンの制作事例と合わせてご紹介します。

▼例:アネスト岩田会社紹介映像

従業員へのインタビューの合間に、その人が働いている環境の動画を映しています。

さらに、アネスト岩田の商品ユーザーへのインタビュー前後でも利用シーンを映すことで、実際にどのような使い方をしているのかをわかりやすくしています。

▼例:JICA海外青年協力隊 インタビュー
【憧れはマザーテレサ】子どもたちには、自分を好きな人になってほしい。途上国で得た気づき。

映像ではなく写真でも、インタビュー対象者が海外に行く前にどのような準備をしていたのか、海外でどのように過ごしてきたのかをぐっとイメージさせることができるようになっています。

 

話の内容をわかりやすくするインサート

話者が話している内容と「関連する資料」「実物の商品」を見せることで、具体的なディティールや動きが見えわかりやすくなります。

▼例:「AQUA FAB」デザイナーインタビュー

実際にどのようなデザインをして、どのような形に出来上がったのかを話の内容とリアルタイムで映しています。こだわりポイントを視覚的に見せることで、より説得力のあるインタビュー動画になっています。

 

説得力を増幅させるインサート

テロップだけでなく「実験の結果を表す資料や映像」を見せることで、話者の話が、夢物語ではなく、事実であることを説得力をもたせて伝えることができます。

通販番組や、情報番組で最新のハイテク電化製品を芸能人が実際に使ってみせるような感じです。

▼例:【MUTA SPECIAL】 デザイナーズ・インタビュー ~開発者は語る~

性能面の説明、実際に自分で作成していたときの資料映像を見せて説得力を加えています。

 

“コンセプトや想い”を伝えやすくするためのインサート

“会社の理念”“想い”など、具体的な形がないモノは(レンポジなどとも言われたりする)、購入して使える「イメージ画像」や「イメージ映像」を使って可視化させることで、見ている人がよりイメージが湧くようになり、記憶に定着しやすくなりコンセプトが伝わりやすくなります。

 

“感動させる(心を動かす)”ためのインサート

話者の話を聞いて周りで「笑っている顔」「泣いている顔」「緊迫した表情」などリアルなリアクションをとっている表情を入れることで、見ている人の感情の変化を助長することができます。

結婚式で泣いている友人を見てもらい泣きする人がいるような、人間の“共感性”をたくみに利用するインサートです。

 

ちょっとした工夫でできる飽きさせないためインサート

インタビューを聞いて「うなずいている顔」「納得している顔」または「出演者全員を含めた引きのカット」は、特に感情を動かせる訳ではないですが、話している人のアップ以外のカットは、編集点を隠したり、同じ雰囲気で飽きる間を埋めてくれるカットになります。

ちなみに、カメラが少ない時は、後で出演者に再現してもらう場合もあります。

ポイント“百聞は一見に如かず”

映像も“百聞は一見に如かず”です。

先人たちが教えてくれたように、100回お話(インタビュー)を聞くよりも1回映像にして可視化した方が分かりやすいです。

また、その“一見”を写真のような静止画ではなく映像にすることで、立体的に構造が見えたり、変化が動きで見えることでよりわかりやすくなったりもしますし、その工夫次第でいろんな印象を与えることができます。

ただし、気をつけないといけないのは、適さない“インサート”をつけることで、かえってわかりにくくならないよう気をつけることです。

例えば、大袈裟な例ですが

駅の南側の景色を見ながら目的地のある駅の北側の道案内を聞いている

上記のようなインサートだと、たとえ駅という近しい映像であっても相手を混乱させてしまいます。本当に耳から聞こえる話の内容と、目で見せるインサートがあっているか間違えないようにするのがポイントです。

ちなみに“わかりやすいインサート”ができる人は、

①まず駅の北側の真俯瞰からの地図で全体像を見せたあとに
②実際にその人が歩く視点の映像を見せ
③さらにポイントとなる建物を目立たせながら

北側の道案内を聞かせてくれます。どっちがわかりやすいか一目瞭然ですよね。

まとめ

インサートは、ちょっと入れるだけで格段にわかりやすくなり、テンポもよくなったり多くのメリットをもたらしてくれます。1つ上のレベルの映像を目指している人はぜひ挑戦してみてください。

また、インタビュー動画にお困りの方はこちらの記事をあわせてチェックしてみるのもおすすめです!

関連記事:インタビュー動画の事例とイメージ通りに動画を作るためのポイント

この記事を書いた人

山口明宏
エレファントストーンのディレクター。通称「ぐっさん」。

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