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リッチな富裕層限定!?「ヘリコプターサイネージ」の世界
タクシーCMでもよく見かける「テレシー(TELECY)」をご存じでしょうか?100万円から運用できるテレビCMとして今話題の会社です。
そんなテレシーですが、今年から始めた超富裕層向けのサービスがあります。ヘリコプターサイネージです。
下記は、2022年1月にリリースされた内容です。
株式会社CARTA HOLDINGSのグループ会社で、株式会社電通(本社:東京都港区、取締役社長執行役員:槫谷 典洋)と共同で運用型テレビCMプラットフォーム「テレシー」(https://telecy.tv/)を運営する株式会社テレシー(東京都渋谷区、代表取締役:土井 健)は、ヘリコプターをはじめとした空のインフラを構築・提供するSpace Aviation株式会社(京都府京都市、代表取締役:森岡 匠)と、新世代デジタル・サイネージの開発や広告販売を行う株式会社IRIS(本社:東京都港区、代表取締役:眞井 卓弥・宇木 大介)と共同で、世界初となる(自社調べ)ヘリコプターサイネージを開発しました。2022年1月より、テレシーが総販売代理店として取り扱いを開始いたします。
引用:PR TIMES
実際には2022年6月より販売を開始しています。どんな内容なのか今回は深堀りしてみました。
交通系デジタルサイネージが盛んな背景
街を歩いているとデジタルサイネージを見かけないことはないと言ってもいいほど、映像による広告配信は進化を続けています。
特に毎日我々が移動手段として使っている「交通系デジタルサイネージ」に関しては注目の存在と言ってよいでしょう。『2018年日本の広告費(電通調べ)』で「鉄道では、中づりなどの紙媒体が落ち込み、それを車内や駅構内のデジタルサイネージでカバーする傾向が継続」とレポートされ、2,025億円と非常に高い需要があることがわかります。
続く『2019年日本の交通費(電通調べ)』も「タクシー広告は、大幅に増加」、『2021年日本の広告費(電通調べ)』ではコロナ禍の影響もあり1,346億円(前年比85.8%)と下がったものの、都市部については好調で「主要駅で人流が多いロケーションに設定された大型で目立つインパクト型OOH媒体に需要が集中した。」とレポートされています。
このように交通系では電車の中吊り広告といった紙による広告から、「電車内」「主要駅ターミナル」「タクシー」といった場所に液晶モニターを置いてデジタルサイネージによる映像配信が主流になっています。
ヘリコプターサイネージとは?
とはいえ、電車、タクシー、航空と既に主要な交通系サービスにはデジタルサイネージの手が入り込んでいてレッドオーシャンになっています。
そこでテレシーが始めたのがヘリコプターサイネージです。
7月に公開されたプロモーションビデオを見る限りでは「超富裕層へのリーチ」「次なる舞台は空へ」とカッコよいフレーズが並びます。
画像参照:PR TIMESより
タクシーと同じように後部座席前方にお客様向け液晶モニターが配置され、そこにCMが流れるようです。
第一弾のクライアントはイタリアの高級車「アルファロメオ(Alfa Romeo)」であることも富裕層向けということを存分に感じさせてくれます。
ヘリコプターサイネージに需要はあるのか?
実際にヘリコプターサイネージに需要はあるのでしょうか?
画像参照:PR TIMESより
テレシーによると1月のプレスリリースは好評だったようで、6月のプレスリリースでは「取り扱い機体も10機まで拡大」「資料請求が可能に」と明るい話題が並びます。
日本のヘリコプター市場はまだ未開拓といって良い状態です。ヘリポートが少ないことが原因として挙げられるでしょう。
しかし、海外は違います。Report Oceanが2022年7月に発行したレポート「世界のヘリコプター市場規模、シェア、動向分析、機会 2030」では「ヘリコプターの世界市場規模は、2022年から2030年までの予測期間において、年平均成長率(CAGR)7.1%で成長し、2030年には819億米ドルに達すると予測されます。」とコメントされています。
この背景はヘリコプターが発着の際に空港まで行かずに済むためにスピーディーな移動を叶える点があげられます。多忙なスケジュールをかいくぐる必要のある富裕層にとって、ヘリコプターは「超速」で移動するための常とう手段になるかもしれませんね。
実際、同Report Ocean社は民間の航空機市場は伸び続けているといい、同3月のレポートでは「民間航空機市場は、2022-2030年の予測期間において4.24%以上の健全な成長率が見込まれています。」ともコメントしています。飛行機はもちろんですが、その中の1つにヘリコプターも含まれるかもしれませんね。
まとめ
今回はヘリコプターサイネージについて見てきました。まだまだニッチなサービスであるヘリコプターですが、海外ではヘリコプター需要が高まっており日本でも未来の移動手段の1つとして拡大しそうな雰囲気はあります。
街中ではデジタルサイネージがあふれていますが、一方で「主要駅」に人気が集中するなど競争が激化、ただデジタルサイネージを置けば注目を浴びた時代から「売り」や「価値」を考えて特化した広告媒体が求められている背景を感じました。
「超富裕層」の広告サービスということで、体験する機会が多いものではなさそうですが、一度は味わってみたいものですね。
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