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【ROOT第一弾プロジェクト】【映像上映会】ROOTの映像制作プロジェクト振り返り。“川崎フロンターレ”という組織について考える

【ROOT第一弾プロジェクト】【映像上映会】ROOTの映像制作プロジェクト振り返り。“川崎フロンターレ”という組織について考える

川崎フロンターレ様(以下敬称略)のブランディングムービー制作に密着し、これまで3本の記事にてROOTでの映像制作フローと実際の様子をレポート形式で皆さまにお伝えしてきました。本記事は最終第四段!【映像上映会】ROOTの映像制作プロジェクト振り返り。“川崎フロンターレ”という組織について考える、その様子をご紹介します。(複数回のワークショップの様子を集約しています)

第一弾、【プロジェクトキックオフ編】はこちら
第二弾、【価値観探求ボードゲーム『THE KACHINKO』編】はこちら
第三弾、【映像制作編】はこちら

ROOTの映像制作フローの全体像

川崎フロンターレのブランディングムービー制作の全体像は下記のようになっています。

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  1. 【プロジェクトキックオフ!】初回ワークショップ「“プロジェクトメンバーが、まずお互いのことを知り合う”」
  2. 【価値観探求ボードゲーム『THE KACHINKO』編】フロンターレの根っこを掘り起こし、企業・チームの価値を言語化する
  3. 【映像制作編】企画・撮影・編集会議までの流れ
  4. 【映像上映会】ROOTの映像制作プロジェクト振り返り。“川崎フロンターレ”という組織について考える

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ー目次ー

・【公開準備】ブランディングムービー公開のタイミングを決める
・【映像完成】完成したブランディングムービーがこちら
・【映像公開!】ブランディングムービーの反応は…?
・【ROOT映像制作の振り返り】もっとFOOTBALL TOGETHERを浸透させるために
 ∟メンバー全員で紐解いたフロンターレの価値観が十分に伝わるブランディングムービーになったのかを振り返る
 ∟今後FOOTBALL TOGETHERを広めるためにできることを話し合おう
・【インタビュー】プロジェクトメンバーの声
・まとめ
・【お知らせ】ドキュメンタリー映像も公開!
 ∟公開先情報

 

【公開準備】ブランディングムービー公開のタイミングを決める

ブランディングムービー公開前の最後のワークショップでは、「フロンターレの想いが詰まったこの映像を、フロンターレファミリーや一般の方々にしっかりと届けるためには?」という観点から、公開タイミングと掲載場所について意見を出し合っていただきました。

「新体制発表会見の中継配信直前に配信するのが良いのではないかと思いました。MCの方にも映像について触れてもらい、私たちの想いをより伝えられるようにしていきたいです。」

「試合の開幕前はシーズンの注目選手などを取り上げた、盛り上げ要素の強い映像の方がはまる気がするので違うタイミングが良さそうですよね。新体制発表会見の暗転シーンなど、多くのサポーターや関係者が見ているタイミングなどはどうでしょうか。」

「サポーターや一般の方に対しては、自ら見にいかないといけない状況より普段の生活の中で自然と見てもらえるような場所とタイミングにした方が良さそうですよね。」

などなど。このワークショップでは、サポーターの目に触れるのはもちろん、一般の方の目に触れてフロンターレを知ってもらうきっかけとなるような配信先が多く検討されていました。

いろいろな意見が出されましたが、今回は一番意見の多かった「※2023川崎フロンターレ 新体制発表会見」での初公開が決定。その後の配信先も、SNSや掲載できる場所へは積極的に配信していく方向性でまとまる形になりました。

※「新体制発表会見」は、新加入選手の発表・クラブ指針発表等を行う場ですが、それ以上に「川崎フロンターレに加入する新しい仲間をフロンターレファミリー全員で盛大に迎える」ためのイベントです。

 

【映像完成】完成したブランディングムービーがこちら

これまでフロンターレの皆さんと一緒に検討してきた映像企画が最終的にどのようなブランディングムービーになったのか、まずは映像をご覧ください。

今回の映像は、価値観探求ボードゲーム「THE KACHINKO」で抽出された4つのキーワード「追求心・一体感・LOVE KAWASAKI・個性」を軸に企画を検討していきました。企画検討には7回以上のワークショップを重ねています。最終的にはメインターゲットをフロンターレのファン・サポーター、そして届けたいメッセージは「FOOTBALL TOGETHER」として映像制作を進めていきました。

映像では、「すべての人たち」がサッカーを通じて交わり一つになる。日々の生活、そして人生において前へ進む活力をもらうという「FOOTBALL TOGETHER」を表現するシーンを集め、フロンターレファミリーはいつもそばにいる、共に歩むということを表現しています。

 

【映像公開!】ブランディングムービーの反応は…?

新体制発表会見での初公開後、ファン・サポーターや関係者からたくさんの嬉しい反響をいただきました。一部抜粋してご紹介します。

Twitterでは、

「フロサポとして自慢したくなる映像で、他のサポさんにも見てほしい映像でした。フロンターレが好きな人の、フロンターレへの想いが詰め込まれた映像ですね」

「クラブと選手とそれを取り巻く人々の想いの近さはどこにも負けない!オープニングムービーに心が震える」

「オープニングの映像、うるうるしながら見ました。自分が小さく映っているのも発見し、フロンターレファミリーの一員になれている感じして嬉しかったです」

「新体制発表会見のYouTube、オープニングの映像は電車の中で観たらあかんやつだった。最後のグータッチで涙腺が…憲剛さんからリョータへ」

「それぞれの場所で多くの人に支えられているのを改めて感じられる」などのコメントがありました。

また、YouTube配信のリアルタイムのチャット欄では、「いきなり泣かせにくる」「等々力に行ってみたいな」「みんな同じ方向を向けている、稀有なチーム」「ここに映っている子(アカデミー生)が将来トップに来るかもしれないな」「ほんと温かいムービー」「諸先輩方の意思を引き継いでいるな」などなど、こちらも本当にたくさんの嬉しいコメントで溢れていました。

そしてエレファントストーンに対しても、「エレファントストーンさんいつも素敵な映像を作ってくださってるけど、今回の新体制発表会見のオープニング映像、素晴らしかったなあ。グッときました」「悔しさが込み上がると同時に試合を観たくなった!早くスタジアムに行きたくなった!そしてフロンターレは勝ち負けだけじゃないんだよな」などの嬉しいコメントを頂戴しました。

映像を視聴してくださった方へしっかりとプロジェクトメンバーの想いが届いていると感じられる温かいコメントがたくさん寄せられていました。

 

【ROOT映像制作の振り返り】もっとFOOTBALL TOGETHERを浸透させるために

約8ヶ月にわたりフロンターレの皆さんと一緒に「全ての人に届けたい川崎フロンターレの価値観」の言語化から、映像の企画検討および映像制作を進めてきました。

本プロジェクト最後のワークショップでは、自分たちが検討してきた内容が最終的に映像として形になったことへの感想、そして想いが詰まった映像をもっと多くの人に届けるための具体的な方法についてお互いに話し合いました。

 

メンバー全員で紐解いたフロンターレの価値観が十分に伝わるブランディングムービーになったのか、を振り返る

フロンターレの皆さんが映像や反響に対して感じてくれた想いを抜粋してご紹介します。

「ジーンとして熱くなりました。何回も見たくなる映像で、映像内の言葉もスッと入ってきてとても私たちの想いが伝わると思いました。映像の視聴者にフロンターレの一員として感じてもらうことはもちろんですが、自分がこの映像を作った一員であるということも嬉しいです。そしてアカデミーの練習シーンでコーチが言っていた『前へ、前へ!』が印象に残っていて、“これからも一緒に進んでいく”という部分にマッチしていてそれも良かったですよね。」

「以前のワークショップで、内容的に自画自賛になるような映像になってしまうのを恐れている、という話があったけど全くそんなことはなかったですね。自分達が伝えたかった『TOGETHER』への想いがしっかり誰にでも届く映像になったかなと思います。」

「映像を見た日から、特に最後のグータッチの部分の音楽が頭の中で流れているんです。映したかったシーンと音楽がすごくマッチしていたんだなと感じました。撮影協力してくれた友達にも反響を伝えたらすごく喜んでくれていて、映像に出れて嬉しい!と言ってくれました。」

「フロサポ以外にも刺さる映像だと思います。川崎に住んでたら、『ここに住んでいて良かった』と思ってもらえるんじゃないでしょうか。川崎市民に誇りを持ってもらえる映像だと思いました。」

「反響を見て、“みんなが一緒に”っていうのを感じ取ってもらえたんだと思いました。商店街の映像も多く取り入れた分、試合シーンだけでは伝えられない市民との繋がりが具体的に映し出せたと思います。また、挨拶回りの映像も入れたことで選手と市民の繋がりもしっかり伝わっているのではないかと感じました。」

などなど、皆さんが話し合ってきたことが実際に映像として形になり、その反響まで含めて振り返った時、自分たちの想いがちゃんと伝わったと実感されているようでした。

そして、この映像をメンバー自身で考えて作っていったということに対しても「この映像制作に携われて嬉しい」といったコメントがありました。普段の業務で映像制作をしないメンバーにとっては、制作フローをイメージしづらく大変なこともあったと思います。しかし、一緒に話し合いを進め、最終的に映像になった時にとてもポジティブな感情になっていただけたようでした。

 

今後FOOTBALL TOGETHERを広めるためにできることを話し合おう

そして最後に、この映像をより多くの人に見てもらうためにできることや、今後やっていきたいことを話し合いました。

「選手たちに視聴するタイミングを作ってもらい、まず選手たちに見てもらいたいです。僕らだけでなくファン・サポーターやボランティア、市民の方々が多く映っている映像を選手たちが見ている。フロンターレファミリーの想いがちゃんと選手にも届いている、ということをちゃんと実感できるのではないかなと思います。
その上でSNSをやっている選手に拡散してもらえたら、より多くの人に見ていただくきっかけになるんじゃないかなと思いました。」

「僕たちの想いが乗っているということを知ってもらうために、『映像はこうやって作ったよ』っていう部分をわかるようにしたいですよね。裏側をしっかり伝えて、フロンターレのスタッフがしっかりアイデアを出して作ったんです、というのをちゃんと知ってもらえたら嬉しいです。」

「フロンターレを知らない川崎市民と接点を持つためにも、15秒版や30秒版などを作り、SNSをはじめとして街中でも見てもらえるようにしたいです。そしてなるべく音楽も一緒に流せるような場所が良いですよね。」

などの声が上げられていました。ROOTの映像制作では、制作を進める過程でメンバー同士の意思疎通を図り共通認識を持てるようになっていく、インナーブランディングの強化を重視していますが、それだけでなく最終的に映像として形になった想いをアウターブランディングに昇華させていくことがとても重要です。

「映像を作って終わりじゃない」これがエレファントストーンが大切にしたいことでもあります。制作後の届け方まで一緒に話し合うことで、アウターブランディングへと昇華させることができるのではないかと考えています。

本プロジェクトはここで終了となりますが、出てきたアイデアを実行していただき、届けるところまでがROOTでの映像制作です。その過程もエレファントストーン側でサポートしながら、今後も川崎フロンターレに伴走していきます。

 

【インタビュー】プロジェクトメンバーの声

最後に3名にインタビューを実施し、ROOTのワークショップと映像制作について振り返っていただきました。

プロジェクトメンバーの声① 新任管理職メンバー

「このプロジェクトがはじまるまでは、“フロンターレのこと”をとことん話し合ったり業務の振り返りに多くの時間を当てたりなど、改めて考える時間をあまり取れていませんでした。そのため、今回ワークショップの中で部署を横断し、先輩後輩含め話すことができたのは良い機会でした。

グループワークのメンバーには部署が違い普段話す機会が少ないメンバーもいたので、自分たちの部署のことを伝えられたり、反対に他の部署が仕事しているなかで考えていることや想いを聞いたりできたのも良かったポイントです。

今回のワークショップを通して気づいたことは、他のメンバーが“フロンターレらしい価値観そのものを理解できているのかすらわかっていない”ことです。だからこそ、今後もっと話す機会を設けて、日々の振り返りなどをしていき、想いや考えを知っていくことが重要になってくると思いました。」

 

プロジェクトメンバーの声② 近年入社メンバー

「自分はいつも業務として映像制作をしているのですが、価値観を決めるところからフロンターレについて話し合い、様々な角度からクラブを見つめ直し、それぞれのメンバーが持つ価値観の中で課題解決に向けてみんなが納得できるバランスの取れた案を考えるのが楽しかったですね。

今回のワークショップを通して、立場によって見える景色や角度が違うんだと気づきました。例えば、施設のスタッフには試合についての考えが及ばないこともある。一方、僕らはスタジアム演出について考えているため、施設にまで目が届いていないこともある。だからこそ、それぞれの立場から意見を出し合うことで色々と勉強になりました。何より、新卒をはじめとする若手にとっては、他部署の実務責任のある管理職のメンバーと直接話せたこと自体が貴重な経験だったと思います。

今後、スタッフやファン・サポーターなどの立場を越えて、みんなが「自分で作った」と言えるようなイベントや映像を作っていきたいです。『エンターテイメントで一番盛り上がるのは内輪ネタ、一番つまらないのは外から見た内輪ネタ』という言葉があるのですが、ホームタウン“川崎市”をキーワードに内輪ネタが通じる範囲をどれだけ増やしていけるかが今後の僕たちの役目かなと思っています。」

 

プロジェクトメンバーの声③ 近年入社メンバー

「映像にはすごく感動しましたし、『映像から温かさってこんなにも伝わるんだ』と感じました。映像内ではちゃんと皆さんの姿が描かれていましたし、『ものすごく多くの人がフロンターレや試合に携わっているんだよ』ということを伝えられたんじゃないでしょうか。

このワークショップを通じてフロンターレについて考える時間が増え、改めてフロンターレのことが好きになりました。『フロンターレは地域を大事にしているクラブ』という部分について過去の経緯も含めて、想いなど具体的な話を管理職の方から聞くことが出来ました。その話を聞いて、各所へのポスター配布もそうですが、タペストリー付け替えなどにも積極的に参加するようになりましたね。このクラブの歴史とか大切にしていることを知り、この期間で自分の行動や考えも変化したかなと思います。

普段の業務ではファン・サポーターに近い立場にありますが、今後、試合以外でもファン・サポーターや商店街の方たちと行うイベントや地域との交流機会には積極的に取り組んでいきたいです。」

 

まとめ

全13回、約8ヶ月に及んだ「川崎フロンターレのブランディングムービー制作」。その様子に密着し、キックオフ編から全4編にわたりレポートにてお伝えしてきました。

フロンターレの価値観を掘り起こす初期の段階では、部署により考え方やファン・サポーターへの向き合い方も様々でした。もちろんどの部署のメンバーも、それぞれの立場から関係者やファン・サポーター、市民を大切に想い、向き合っていることはとても伝わりました。しかし、特に大切にしている部分に対してはお互いに共通の価値観が明確にない印象でした。

そこから映像制作を軸にしたワークショップを通して、『フロンターレの価値観は何か?』に対して意見を出し合いながら、お互いに考えや価値観を尊重して理解することで、最終的にフロンターレ全体として大切にしていきたい、届けたい想いを見つけることができたのではないかと感じています。

今後のフロンターレの発展に向けて、ROOTでの映像制作がきっかけとなり、FOOTBALL TOGETHERが多くの方へ理解・浸透していくことを期待しています。

本プロジェクトに参加したメンバー一人ひとりの意識が少しずつ変化し、同じ部署のメンバーへ、さらにフロンターレのスタッフ全体へ、最終的にはフロンターレを取り巻く多くの方が同じ価値観・想いを共有し、まだフロンターレを知らない方へもその輪が広がっていくことを願っています。

 

【お知らせ】ドキュメンタリー映像公開!

2023年3月20日(月)に、本プロジェクトのドキュメンタリー映像を公開!ROOTのワークショップはどのように進んでいくのかを、実際の映像でお届けします。

 

公開先情報

本プロジェクトを総合的に振り返った内容をエレファントストーンのコーポレートサイトへ掲載しています。下記ボタンからサイトをご覧いただけます。

また、密着レポートの新規公開情報は、エレファントストーンのTwitterにて告知いたします。こちらもぜひチェックしてみてください!

この記事を書いた人

宮坂彩愛
エレファントストーン 経営戦略室企画課

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