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冬の北海道を初音ミクが応援するフェスティバル『雪ミク(SNOW MIKU)』って何?

冬の北海道を初音ミクが応援するフェスティバル『雪ミク(SNOW MIKU)』って何?

すっかり肌寒くなり冬本番となりました。毎年、ウインターシーズンのフェスティバルを楽しみにしている方も多いことでしょう。

世界最大級の雪と氷の祭典『さっぽろ雪まつり』の開催は、新型コロナウイルス感染拡大の危惧により、現在大雪像の中止など規模を縮小しての開催が検討されています。みなさんは2010年から『さっぽろ雪まつり』と同日程で開催されている冬の北海道を応援するキャラクター『雪ミク(SNOW MIKU)』はご存じですか? 今日はこのSNOW MIKUのフェスティバルについてご紹介します。

こちらは昨年に行われた『SNOW MIKU2020』のPR映像です。

北海道では2010年から初音ミクとのコラボレーションを始動しており、インタラクティブ性が高くとても面白いシティプロモーションを展開し続けているので、その歴史をざっと振り返りながら今回あらためてご紹介いたします。

初音ミクとは?

今更ですが、初音ミクを知らない人のために解説をします。初音ミクはDTM用のソフトでクリプトン・フューチャー・ メディアから発売されている音声合成・デスクトップミュージック (DTM) 用のボーカル音源です。VOCALOIDと呼ばれるヤマハの音声合成システムを使用し、自分が作った曲を歌わせることができます。

2007年に発売されて以降、初期では『ニコニコ動画』、その後は『YouTube』でユーザーがオリジナルの曲を投稿しボカロPと呼ばれるようになりました。それと共に作る側(ボカロP側)と聴く側で文化が生まれました。初期では不自然だったVOCALOIDの音源も「調教」と呼ばれ、あたかも人の声のようにうまく歌わせることのできるユーザーが登場するなど盛り上がりを見せました。

また、ネギを持った少女風のキャラクターはコスプレイヤーからも人気・定番の衣装となりました。

これまでに投稿された曲は10万曲を超え、鏡音リン・レンなどの兄弟ソフトの発売、初音ミク自身も何度もバージョンアップを重ねて現在は2016年8月に発売された『V4X』版が最新です。

数々の名曲が生まれましたが、ハチさん(後の米津玄師さん)をはじめ、後にプロとしてヒットメーカーになった人たちも数多く投稿していました。

反対にプロが歌ってみた、として初音ミクの曲を歌うなどプロアマの垣根を越えてVOCALOIDが音楽の輪を広げてきた、と言えるでしょう。

YUKIMIKU(雪ミク)って何?

さて、企画の説明に戻りましょう。初音ミクを企画・開発したクリプトン・フューチャー・メディア(株)が、北海道の札幌にあることから、2010年に行われた『第六十一回さっぽろ雪まつり』で初音ミクの真っ白い雪像を作ったのをきっかけに誕生したのが『雪ミク』です。

YouTubeでの映像です。

それ以降、『さっぽろ雪まつり』の時期に合わせて雪ミクが主役の『SNOW MIKU』も毎年開催されるようになり、ウインターシーズンの北海道を彩る恒例のフェスティバルとなっています。

初音ミクというと、青に緑にも思える特徴的なブルーグリーンカラー通称「ミク色」が彼女のトレードマークとなっていますが、雪ミクでは鮮やかなライトブルー色のツインテールが印象的。

衣装デザインは、毎年様々なテーマに沿ってインターネット上で公募されており、キラキラと光るイルミネーションのような2021年度の衣装もとても素敵です。雪が降り注ぐ冬の星空と楽譜を抱えて微笑む雪ミクの柔らかなグラディエーションに目を奪われる美しいメインビジュアルですよね。

また、その選考の様子も毎年ライブ配信されていて、フェスティバルのインタラクティブ性を高める重要イベントになっています。2021年雪ミクの衣装がとうとう決定……!

今では札幌市の「観光施設」として札幌観光協会にも登場する初音ミク。次の記事では実際に「雪ミク」の例を見て行きましょう。それは初音ミクというだけでなく、シティプロモーションの可能性が広がるようなアイデアがたくさんあったのです。

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この記事を書いた人

ZOOREL編集部/コスモス武田
慶應義塾大学卒。大学時代から文学や映画に傾倒。缶チューハイとモツ煮込みが大好き。映画とマンガと音楽が至福のツマミ。

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