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『シン・ゴジラ』スタッフで大バズり。北九州市のYouTubeチャンネルとは?

『シン・ゴジラ』スタッフで大バズり。北九州市のYouTubeチャンネルとは?

皆さん『シン・エヴァンゲリオン劇場版』はもうご覧になったでしょうか? 筆者はエヴァ直撃世代ということもあり、その素晴らしいフィナーレに感動することしきりでした。

実は以前の記事で、庵野秀明監督が手がけた「シン・ゴジラ」のCGスタッフが制作に参加した関門海峡のPRムービーを取り上げたことがあるのですが、改めて見直したところ、エヴァ上映効果もあってかなんとYouTube動画再生回数が1億5,000万回を突破していました。

そこで今回は、本動画『COME ON!関門!〜海峡怪獣〜』を下関市と合同で企画した「北九州市観光情報ぐるリッチ北九州」の取り組みを詳しくご紹介。YouTubeチャンネルを活用していろいろとおもしろいコンテンツを発表しているので、ぜひその目でチェックしてみて下さいね。

伝説的な名作をフラッシュバック!

まずは、自治体制作の観光PR動画としては異例の1億再生を突破した『COME ON!関門!〜海峡怪獣〜』をいま一度確認してみましょう。

さすが日本映画界の最前線で活躍するCGチーム! 何度見ても大迫力の特撮とエキストラの迫真の演技に圧倒されます。映像もさることながら、もう一つ見過ごすことができないのが、コメント欄の多国籍ぶり。その大半が外国から寄せられた書き込みであり、動画の注目度が世界的なものであることが分かります。

また、本作のセリフが英語で日本語の字幕が使用されていることから、「北九州市観光情報ぐるリッチ北九州」がプロモーションの企画段階からインバウンド需要を強く意識していたことが伺えます。

インバウンド向けPRムービー

「北九州市観光情報ぐるリッチ北九州」がそのターゲットを明確にインバウンド向けに絞ったPRムービーがこちらの一本です。

北九州市のシンボルである「小倉城」周辺の商店街を外国人ツーリストが旅行で満喫。グルメ、ショッピング、夜景と街の魅力がぎゅっと詰まった内容になっています。概要欄には、日本語だけでなく、英語と韓国語を併記。

このような外国人視聴者をターゲットにいれた動画編集は、今後観光PRムービーを制作するにあたって欠かすことのできない項目の一つです。

マイクロツーリズムに「ふらっと北Q」

インバウンド旅行客の来訪が困難な状況の中で、マイクロツーリズム(近場への身近な旅行)向けのプロモーションとして制作されているのが「ふらっと北Q」です。

タイトル通り、ふらっと行って出会える北九州の美味しモノ・楽しいことを動画でご紹介。毎回、さまざまな観光スポットを訪れてその魅力を深掘りしていくスタイルで、地域の人々にとってお得な情報が盛りだくさん。

地元出身の有名タレントを起用したテレビ番組的な構成を持っているのも特徴的で、現在20本近い動画が公開されています(2021年4月1日時)。こうしたシリーズものは、視聴者に存在感を示し続けるためにも定期的に発信し続けることも大切になってきますよね。王道的な内容なので、どの自治体も取り組みやすいタイプのYouTube動画ではないでしょうか。

ドローンでまちの魅力を再発見

ドローン撮影の動画を度々公開していることも、「北九州市観光情報ぐるリッチ北九州」のユニークな取り組みの一つです。

こちらの動画では、関門海峡、門司港レトロ、小倉城周辺、里倉山、平尾台、藍島といった人気観光スポットをドローン撮影した映像を一本にまとめて公開。北九州の魅力が詰まったまちのハイライト動画といったところでしょうか。TwitterやTikTokとの相性も良さそうです。

下関・門司港レトロにフォーカスしたバージョン。空撮ならではの映像美がとても印象的ですよね。

いったん人の目線を離れ、上空から街を俯瞰することで、夜景の美しさ、自然の豊かさなど、歴史を感じさせる町並みなど、新しい地域の魅力が浮かび上がってくることも多いドローン撮影は、なかなか地元の特徴を見出せずプロモーション上の悩みを抱えているようなときにも非常に効果的な手法です。

地元の大学とコラボ! Vlogで北九州をPR

北九州市内にキャンパスがある「西日本工業大学」の学生がプロモーションを手がけた動画がこちらです。

若者らしいモダンでスタイリッシュな感性で地域の魅力を切り取った瑞々しい作品になっています。大学生のVlog風の映像とEDM調の音楽で、北九州の豊かな自然や歴史、夜景、ご当地グルメを紹介しているのがおもしろいですよね。

近頃では、教育機関との緊密な連携が地域創生のキータームとして挙げられることも多いので、こうした地元学生と自治体のコラボレーションは今後ますます活発になっていくのではないのでしょうか。

アートとのコラボで名所をPR

地域の名所とアートのコラボレーションで観光PRを行なっているのがこちらの動画です。

日本三代カルスト(石灰岩が雨水などで侵食されて誕生した地形)の一つである平尾台。北九州屈指のインスタ映えスポットとしても近年大きな注目を集めている名所にフルートの美しい音色が響き渡ります。

自然の美しさが輝かしい壮大なミュージックビデオのような映像が素敵ですよね。

第二弾となる上の動画の舞台は、市内在住のイラストレーター・黒田征太郎氏のアトリエや北九州ゆかりの文学者の直筆原稿等が展示されている「北九州市立文学館」。鳥の鳴き声のようなチェロの哀切なメロディーとコンテンポラリーな映像の掛け合わせが、深い余韻をもたらす作品になっています。

北九州は、文化・芸術・クリエイティヴ産業を通して、日中韓3カ国における相互理解の促進と東アジアの国際的な発信力の強化を図る「東アジア文化都市」に選ばれており、本動画はそのプロジェクトの一環として制作されています。

地元の文化施設をアーティスティックに紹介するアプローチが斬新で、今後このようなスタイルの観光PRも普及していくのではないでしょうか。

まとめ

『シン・ゴジラ』のCGチームが制作に参加したことが話題を呼び大バズりした関門海峡のPRムービー。今回は、その企画者である「北九州市観光情報ぐるリッチ北九州」が実践する観光プロモーションの詳細をお届けしました。

インバウンド、マイクロツーリズム、ドローン撮影、地元大学とのコラボ、アートによる名所・文化施設の紹介など多様なアプローチで地域の魅力を発信し続けているその作品から、少しでもクリエイティブな刺激を受けとってもらえたらなら幸いです。

今後も面白い地方自治体のプロモーション事例があったら紹介していくつもりですので、どうぞお楽しみに!

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この記事を書いた人

ZOOREL編集部/コスモス武田
慶應義塾大学卒。大学時代から文学や映画に傾倒。缶チューハイとモツ煮込みが大好き。映画とマンガと音楽が至福のツマミ。

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