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コロナで変わる大学の広報活動。今PRで唯一できるのは「映像」

コロナで変わる大学の広報活動。今PRで唯一できるのは「映像」

新型コロナウィルスの影響を受けているのは観光業界や飲食店だけではありません。大きく変化を迫られているのが大学です。

小学校は夏休みを一部短縮したりして授業時間を確保、また早々に登校が始まりました。一方で、大学は春からほぼすべての授業がオンライン化、この秋以降も授業は対面で行われるところは多くなく、オンラインによる授業が続く予定です。

大学がなかなか制限を緩和できないのはクラスター化しやすいからだと推測できます。8月には三重大学の医学部が発生、埼玉県でも県内にある大学の運動部でクラスターが起きたと発表されています。

実際、7月に細野豪志衆議院議員が制限を続ける大学の姿勢を批判した際には、「大学ほどクラスター化しやすい環境はない」といった批判が多く集まりました。

さて本題です。困ってしまったのが広報活動です。というのは、来年以降も学校は学生を募集しなければならないからです。それにも関わらず今できることがほとんどありません。

7月に名古屋学院大は高校3年生のみを対象にオープンキャンパスを実施、800人以上が集まったといいます。しかし、それでも高校1-2年生、保護者の参加を認めなかったこともあり例年3,000人集まるところの3分の1以下になりました。

秋になり、各大学はウェブでのオープンキャンパスという映像での新たな開拓を強いられることになりました。「ウェブオープンキャンバス」「オンラインオープンキャンパス」の取り組みを少しみてみましょう。

過去のオープンキャンパスを映像化した東北大学

東北大学はこれまでのオープンキャンパスを映像によるアーカイブとして公開しています。
オープンキャンパス:http://www.tnc.tohoku.ac.jp/online-opencampus/

映像素材がないようで写真を中心としたスライドショーにBGMをつけたものですが、オープンキャンパスのサイト自体はとてもわかりやすくまとまっていて努力の後が伺えるサイトになっています。

VRを駆使する東京大学

従来のWEBの枠組みで勝負した東北大学に対して、VRを使ってキャンパス紹介を行ったのが東京大学です。
オープンキャンパス:http://cdn.pr.u-tokyo.ac.jp/entry.html

高校生を対象にしたオープンキャンパスはWEBなのに事前登録制、リアルタイムでのライブ配信、オンライン動画説明会とYouTuberさながらの「生放送」重視の姿勢です。目玉は大学のVR化。3Dで描かれた赤門や安田講堂をWEB内で散策することができます。

それでも東京大学は「大学債」を発行し、一般から資金を募ることを明らかにしています。大学の資金繰り、運営はこれからより一層大変なのではないか、という見方があることもまた否めません。

オンデマンドでもOK!親切さが光る北海道大学

東京大学と同じくライブ配信を主軸に据えたのが北海道大学です。学部別模擬講義、ライブ配信を行いました。北海道大学の売りは「オンデマンド」です。さらに、開催当日もライブ配信の参加受け付けを行う門戸の広さがウリです。
オープンキャンパス:https://www.hokudai.ac.jp/bureau/open20/

「北海道大学に来ることはできなくても、学部の雰囲気を感じ、学生生活を想像できるよう、オンラインオープンキャンパスを開催します」とWEBサイト上で記載をしています。その言葉通りの取り組みといえるでしょう。

ライブ配信は定数が決まっているものの入退場が自由、そして、オンデマンドの売りは学生側が北海道大学の複数学部の模擬授業を受けることができる点です。

オンデマンドのコンテンツは学部により内容が異なっており理学部は最大24個!!の映像を用意するなど意欲が伺えます。こうしたオンデマンドの売りは、学部はまだどれにするか決まっていないけれど北海道大学へ行きたい、というような学生も取り込むことができる点でしょう。

まとめ

今回は3つの大学をモデルケースに見て行きました。オンラインオープンキャンパスはまだ今年が初年度、それだけに「定型」が決まっておらず各大学のオリジナリティあふれる取り組みが見受けられます。

国立大学を中心に見てきましたが、私立大学はもっとフランクなようにも感じます。例えば、立教大学はオンラインオープンキャンパスは8月1日から31日までと一か月の長きに渡り行い、動画もアーカイブ化することで情報を継続して伝えています。

私立大学での取り組みは今後また記事にして見ていきたいと思いますが、大事なことは「オンラインオープンキャンパス」とりわけ「映像をいかに駆使できるか?」で今後の大学の学生募集の成否を握っているということです。

これまでは学園祭、スポーツの部活動による好成績、高校へ行ってのPR活動、広告など地道な活動も鍵を握ってきました。しかし、現在は実施できないイベントも多いためです。

「オンラインによるコンテンツ」というと、日本はまだまだ弱い印象があります。それを学問を提供する側から開拓していくことは、今後の日本国内でのITリテラシーの向上にもつながるのではないか……なんていうのは深く考えすぎでしょうか?

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

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