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セミナー動画を作る上で押さえておきたい6つのポイント
セミナー動画とは、セミナーの内容を1本の動画にして、いつ・どこでも視聴できるように主にオンライン上で配信するものを指します。
対面での場でセミナーが行い辛くなった昨今、セミナー動画をオンライン上で上手に活用すると様々なメリットを享受することができます。商品・サービスの認知拡大はもちろん、Webサイトへの誘導・お問い合わせ獲得、また、お客様の情報を集めることができるタッチポイントとしての役割を果たすこともできます。
しかし、いざセミナー動画を作ろうとすると
「一体、何から始めればいいんだろう?」
「そもそもセミナー動画ってどんな動画を指すのだろう?」
このような疑問を持たれるのではないでしょうか。
当サイトを運営するエレファントストーンでも、そんなお客様のお声をよく耳にします。
そこで、この記事ではセミナー動画の3つの種類それぞれについて事例を踏まえて解説します。また、セミナー動画を自社内で作るのであれば気をつけておきたいポイントは何なのか。外部の制作チームに依頼するのであれば、どれくらい費用がかかるのか、どうしたら費用が抑えられるのかといったポイントについても解説しています。セミナー動画を作ろうとお考えであれば、ぜひ参考にしてみてくださいね。
セミナーを動画化することで得られる効果とは?
まずは、セミナー動画を作ることによるメリット、デメリットを整理していきましょう。
セミナー動画をつくることによるメリット
まずはメリットから見ていきましょう。
オンラインでいつ・どこでも視聴できるため、参加者(視聴者)が集まりやすい
オンライン上で気軽に視聴できるため、会場で行うよりも参加者が集まりやすいのが魅力です。会場に行くまでにかかる時間・費用といったコストがかからず、自宅をはじめ参加者の都合にあった場所・時間で視聴できます。参加者を増やすことに寄与できるのは、セミナー動画を作る大きなメリットです。
社員への研修教材として、何度も繰り返し使うことができる
社内の新人研修をはじめ、ナレッジの共有としてもセミナー動画は有効です。同じような内容の社内研修を開催するために、その都度話したり実演していたりしては、費用も労力もかかってしまいます。一度作っておいたセミナー動画を見せることによって、社員同士の情報格差が開いてしまうことも防ぐことができます。
対面で行うセミナーよりも大幅にコストを削減できる可能性がある
オンライン上のみで完結するセミナー(ウェビナー)であれば、大幅にコスト削減できるケースもあります。例えば100人規模のセミナーをリアルの場で行うのであれば、大きめの会場のレンタル費や、誘導するスタッフにかかる人件費などが必要です。
一方で、オンライン上のみであれば小さめのスペースで、配信環境を整える必要最低限の人件費のみで済みます。もちろん規模によりますが、オンライン上のみで完結するセミナーであればコストを大幅に下げることができます。
セミナーに参加できなかったお客様にもセミナーの内容を伝えられる
興味があるものの、セミナーには参加できなかった方にセミナー動画は有効です。会場の雰囲気や登壇者の話し方など、動画はテキストよりも伝えられる情報量が多く、セミナー参加者と同じように感じてもらうことができることでしょう。アーカイブができるので、見たいタイミングで、どこでも配信できるのもメリットです。
また、ネット上でシェアされることも考慮に入れると、潜在層に広く認知してもらえる可能性があります。このように、セミナーに参加していないお客様への効果を見込むことができます。
オンラインでのセミナー開催のデメリット・注意点
一方で、オンラインでセミナーを開催する際には、下記のような点を気をつけましょう。
安定したインターネット環境が必要(ライブ配信の場合は配信者・視聴者ともに)。
ライブ配信をするのであれば、配信者・視聴者ともに強固なネットワーク環境が必要です。特に配信者側の環境が良くないと、視聴者全員に影響を与えてしまいます。セミナーの内容が滞りなく、集中して試聴できるような環境のために、通信環境はあらかじめ整えておきましょう。
撮影・編集(ないしは配信)するのに一定の技術が必要。
1人の話者によるセミナーなら、PCの内カメラを使って運用できます。しかし、複数人でその場で話す対談形式の場合は、現場にカメラマンが必要になるでしょう。また、あらかじめ録画した動画を流す場合には、編集技術が必要です。配信形式によっては一定の知識が必要になってきます。
ライブ配信の場合、周りに人がいない環境下のため、登壇者が話しづらさを感じてしまうことも。
対面の場では、聞き手のリアクションを感じ取ることができますが、ライブ配信の場合はリアクションが掴みにくいです。そのため、話し手によっては話しづらさを感じてしまうことも。そういった場で話すことに対する一定の慣れが必要となってきます。
いつ・どこでも見ることができる反面、途中離脱しやすくなってしまう
対面でのセミナーの場合、基本的には最初から最後まで参加者がその場にいるので、内容も余すことなく伝えることが可能です。一方で、オンライン上でのセミナー動画ですと途中離脱されやすいのも事実です。この点に関しては、コンテンツを通して「このセミナーは自分にとって有益そう」と感じさせることが一番の対処法となるでしょう。
1. セミナー動画の制作の目的を明確にしよう
ご紹介したように、セミナー動画を制作するメリットはいくつもあります。しかし、なんとなくでセミナー動画を制作してしまうと思ったような効果が得られなくなってしまうことも。そのため、少なくとも下記の点に関してはしっかりと整理しておきましょう。
- 想定する視聴ターゲット
- 何を伝えたいのか
- ターゲットに、どのような行動を起こしてほしいのか
- セミナー動画の大まかな構成案
上記を明確にしておくことで、セミナー動画の内容がブレることはなくなることでしょう。企画にあたる部分なので、抜かりなく詰めておきたいところです。
2. セミナー動画の種類を3つのパターンから選ぼう
はじめに「フルタイム」「ダイジェスト」「ライブ配信」のうち、どの種類のセミナー動画にするのか決めましょう。参考として、この項ではそれぞれの特徴についてセミナー動画の事例を踏まえたうえで解説します。
ダイジェスト形式ならより高度な編集技術が必要になるケースが多く、ライブ配信するなら告知をはじめ、当日に向けて入念に準備していく必要があります。目的に合ったセミナー動画の種類を選んでおきましょう。
「どの種類にするかを決めきれない」場合は、セミナー動画を作る目的をもう一度確認することをオススメします。そうすることで自ずとどの種類にすべきか明確になるはずです。
「ライブ配信」の特徴と事例紹介
ライブ配信の特徴としては、下記の通りです。
○ いわゆる「ウェビナー」とも呼ばれる、ライブ配信形式のセミナー動画。
○ リアルタイムで質問できるため、「聞き手の方達と話者でインタラクティブなセミナーにしたい」場合におすすめ。
○ 配信環境を整えてしまえば、編集なしでセミナー動画を届けることができる。
○ アーカイブすることで「フルタイム」的に残しておき、視聴してもらうことが可能。
【事例】DMM MARKETING CAMP x マケスタコラボ
上記のDMM MARKETING CAMPとマケスタのコラボによるライブ配信動画は配信後もYouTube上に残っており、ライブ配信に参加できなかった方でも視聴できるようになっています。ライブ配信セミナーの様子を感じ取ってみたいという方は、上記の事例を参考にしてみてくださいね。
「フルタイム」の特徴と事例紹介
フルタイムの特徴としては、下記の通りです。
○ その名の通り、セミナー当日の様子を(ほとんど)ノーカットで動画にしているもの。
○無観客でもセミナー開催ができる。話す人と撮影チームのみで制作可能。
○ 必要最低限の編集のみで公開できるため、あまり工数を割くことなく、セミナーを動画にしておきたい場合に有効。
○ 視聴者としては会場の雰囲気が伝わり、セミナーに参加しなくてもまるでその場でセミナーを受けているかのような臨場感が感じられる。
○ メモしておきたい時は停止してメモでき、画面丸ごとキャプチャすることもできる利便性の高さも魅力。
【事例】カラーミーショップ byGMOペパボ
上記の事例はGMOペパボ株式会社のネットショップ開業・作成サービス「カラーミーショップ」の導入~運営までのポイントをフルタイムでまとめています。最近では、ライブ配信したものをアーカイブしておき、フルタイムとして2度活用するという手法もありますので、ライブ配信とセットで考えてみるのも一つの手です。
「ダイジェスト」の特徴と事例紹介
ダイジェストの特徴としては、下記の通りです。
○ セミナーの要所をかいつまんで3分ほどの尺にまとめたセミナー動画のこと。セミナーの中でも結論にあたる部分だけをまとめて、内容をギュッと凝縮するケースが一般的。
○ 一方で、セミナーに行こうか迷っている方をターゲットにして、内容の一部分を見せて「気になる方はご来場ください」と締めくくることで、行動を促すことも期待できる。
○ 視聴者としては、短時間でセミナーの大枠をつかむことができる。そのため、視聴の際の心理的なハードルは低く、気軽に視聴できる。
○ 限られた時間で、セミナーの概要を伝える編集をするために、シーンの取捨選択をする必要がある。また、動画の途中で離脱されないような工夫も必要となってくる。
【事例】メンタリストDaiGo:超集中力実践セミナー
上記はメンタリストDaiGoさんの「超集中力実践セミナー」の様子をまとめているダイジェスト動画の事例です。セミナー会場の様子やどのような内容を話しているのか伝わってくるうえ、重要なポイントについてはカットされており「もっと知りたいし行ってみようかな」という興味を引き出しやすくなっています。
3、目的に合った配信プラットフォームを検討する
配信プラットフォームは大きく分けて「オープンな環境」と「クローズドな環境」の2つがあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
オープンな環境
不特定多数の人に見られても問題ないセミナーの場合、オープンな環境としてYouTubeでの配信がおすすめです。使い慣れている人が多く、新たに再生用のアプリをダウンロードする必要がないなど、視聴するハードルが低いのがメリットです。できる限り多くの人に見てもらいたい場合はYouTubeでの配信がおすすめです。
クローズドな環境
社員、有料会員、無料ながら事前登録が必要なケースなど限られた人のみに視聴してもらいたい場合は、クローズドな環境で配信するようにしましょう。いくつか方法はあるのですが、基本的には以下の4つに分けられます。
▼ZoomなどのWeb会議ツール
アーカイブする必要がない場合は、ZoomをはじめとしたWeb会議ツールがおすすめです。参加者のみにURLを送ることでクローズドな環境下でセミナーを開催することができます。会員登録が必要なく、参加者にとっても使いやすいのもメリットです。
▼自社サイト
ログイン機能のある自社サイトに公開する方法です。有料会員のみ視聴できるように設定しておけば、不特定多数の人の目に触れられることなく、オンライン上でセミナー動画を配信することができます。Webサイト上での設定は別途必要になってきますが、別途費用もかかってこないので、一番に検討しておきたい方法です。
▼その他の有料動画ポータルシステム/サイト
自社サイトでの運用が難しい場合には、他社の動画ポータルシステムを使うのも一つの手です。会社の研修用に使うセミナー動画をいくつも格納しておきたい場合など、一元的に膨大な動画データを管理しておきたい場合には検討しましょう。
▼DVD・ブルーレイ
アナログな方法ではありますが、購入した人のみが視聴できるという意味ではDVD・ブルーレイなどの記録媒体を用いるのもクローズドな配信の一つの手です。
なお、どのプラットフォームで動画を配信するか決めかねている方はぜひ以下の記事もチェックしてみてくださいね。
関連記事:ライブ配信プラットフォーム
4、カメラは据え置きと手持ちの2台を準備しよう
フルタイムやダイジェストで作成する場合、据え置きカメラは最低限用意しておきましょう。ブレないように三脚で固定し、(資料の文字が読めるくらいの近さの限りで)セミナー会場の後ろに据え置く形で撮影します。
これだけでもセミナーの内容は伝わってくるのですが、視聴者を飽きさせないようにもう一台のカメラを手持ち(もちろん、こちらも三脚を使うのも可)で用意しておき、講師やセミナー会場の参加者の表情の映像を挟むとクオリティが上がることでしょう。
もし、一つのカメラしか準備できないのであれば、話し手に正対するような形でカメラを置きます。胸から上、写した時に頭から上は空間が空きすぎないような構図で撮影しましょう。イメージとしては、ニュースキャスターがニュースを読み上げているような構図で、聞き手が「話しかけられている感」が出るように意識します。
また、カメラが長時間録画対応しているかどうかもチェックしておきましょう。もちろん、前日に充電をしておくことも忘れずに。
5、音声録音は専門スタッフの協力がベター
その道のプロですら、口を揃えて「難しい」と言うのがキレイに音声を録音すること。セミナー会場の状況(広さや参加者がいるかどうか)によって音声の収め方は変わってくるうえ、編集時の調整にも技術が必要です。
よくやってしまいがちなNGな音声の録音方法は、セミナー会場の後方に置いたカメラで音声を捉えること。会場で反響した音声を拾ってしまうため、言わばエコーの効いた音になってしまい、聞きづらいものになってしまいます。
プロはピンマイクを使うことが多いのですが、使うのには一定の知識が必要になります。そこでおすすめなのが手持ちのマイク。環境音などを拾うことなく、話し手の声をクリアに拾うことができます。
6、テンポの良い編集を行う
特にダイジェスト形式でセミナー動画を作成するのであれば、テンポの良い編集が求められます。セミナーの中でも結論となる部分をメインに収め、根拠となる部分や例え話は極力削ぎ落とし、テンポの良い編集を心がけるようにしましょう。
また、フルタイムの場合、基本的に尺を縮める必要はありませんが、あまりにも本筋と関係がない話だったり、当日機材のトラブル等でセミナーが止まってしまったりといったシーンはカットしておくと、視聴者もストレスなく見ることができるでしょう。
テロップがあると、より分かりやすい動画に
聴覚情報だけだと、ポイントを聞き逃してしまうことも考えられます。そのため、録画したセミナー動画については基本的にテロップを入れておくことをおすすめします。特に数十分の尺になるセミナー動画においては、ずっと聞き逃すことなく聞いているのは難しいことでしょう。
また、言い間違いについてもテロップで正しい言葉にしておくことで誤解を防ぐような効果も期待できます。要所だけでもいいので、テロップは入れておくようにしましょう。
編集のみ制作会社に依頼するのも一つの手
自社内で編集するのが難しい場合、セミナーの様子を撮影したデータを持ち寄って、映像制作会社に編集のみ依頼するのも一つの手です。撮影は行わず、ミーティングもWeb上で完結できるので、リモートで発注〜納品まで完了できます。撮影は自社内で行い、編集は制作会社、という手法も検討してみてはいかがでしょうか。
セミナー動画を制作会社に依頼する際には
「社内リソースの関係上、社内で制作するのは難しいそう」と感じられるのであれば、いっそ映像制作会社に依頼するのがおすすめです。
その際、一番に気になるのは費用だと思います。この点については会社によって異なってくる部分なので、複数社にアイミツという形でお見積もりをもらうのがおすすめです。
「とは言えど、制作会社がたくさんあって選べない……」という方は、制作会社のホームページを確認し、制作実績を見てイメージに合うものができそうかどうか確認してみましょう。
ちなみに、映像制作のスタイルによって費用は大きく変動します。安いなら安いなりのカラクリがあります。この点については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてチェックしてみてください。
最後に
セミナー動画と一口に言っても、「フルタイム」「ダイジェスト」「ライブ配信」の3種類があり、どの種類を選ぶかで準備することや編集内容はガラッと変わります。今回ご紹介した作成時のポイントを参考にして、ぜひ効果的なセミナー動画を作ってみてくださいね。
なお、当サイトを運営するエレファントストーンはセミナー動画の制作を得意としています。「どんなセミナーにするかまでは決まっているのだけど、動画については何も決まっておらず、動画の知識がないので不安……」という方も、まずはお気軽にご相談ください。視聴者に見てよかったと思われるようなセミナー動画が作れるよう、一緒になって考えていきましょう。
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