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ライブコマースが日本でも活性化!見本にしたい企業はこの4つ

ライブコマースが日本でも活性化!見本にしたい企業はこの4つ

ライブ配信によるインタラクティブなコミュニケーションとモノ・コトの販売がセットになったECビジネス「ライブコマース」。

数年前から中国を中心に世界的な広がりを見せている新しいスタイルのオンラインショッピングは、コロナ禍をうけ日本でも今後の急速な進展が予想されており、ライブコマースが当たり前な日常はすぐ目の前にまで迫っています。

前回は、ECの世界で「10年先をいく」とも言われる中国でのライブコマースの現状と具体例についてお伝えしましたが、それに比べると日本はまだ発展途上の段階にあります。今回はそんな中でも、国内でのライブコマースの代表的な事例を4つほどピックアップしてご紹介。

なかなか街中での自由なお買い物を楽しめるでいる現在、リアル店舗のようなライブ感が味わえるライブコマースはコミュニケーションツールの一つとして知っておいて絶対に損はないので、理解を深めつつぜひ実際にショッピングの体験をしていただけると幸いです。

BEAMS

アパレル業界の中でいち早くライブコマースを導入しているのが、ハイセンスなセレクトで20代30代の男性を中心に人気を博しているBEAMSです。

2020年の3月27日に初のライブコマースを実施。スーツやネクタイなどの紳士向けアイテムを紹介。1時間あまりの配信で6000人以上の視聴者が訪れ、100万円弱の売り上げを記録しています。


https://cdn1.beams.co.jp/special/live/?live_id=4jdXymTp1ukNCvB77B0N

ホームページで公開されているアーカイブを視聴すると、全身の細かなサイズ感や着用感、さまざまなコーディネートヴァリエーションを対面の接客感覚で確認できるのがいいですね。

今年の9月29日には、女性向けにライブコマース「BEAMS LIGHT-Women’s Styling」を配信。多様なスタイルの提案とともに生配信で直接来ているものをオンラインで直接購入できる新しいショッピングの形を実現しています。

また上の動画のように、BEAMSではYouTubeチャンネルの「BEAMSテレビ」、Instagramでのライブ配信も定期的に行っているのでぜひチェックしてみて下さい。

三越伊勢丹

百貨店の中で、ここ最近ライブコマースに対してひときわ攻めの姿勢に出ているのが、老舗の三越伊勢丹です。昨年の10月に開催された英国展で初となるライブコマースを導入。その時の模様をアーカイブとしてYouTubeで一般公開しています。

配信プラットフォームにはインスタライブを活用し、レストランの予約チケットやスコーンなどの食べ物の取り置き、ジャムの販売をオンラインで実施。事前のプロモーションは、伊勢丹のウェブサイトやSNSで展開。ライブコマースの視聴者には、限定特典が付くというお得感もあり、予想を上回る好評を博したようです。

また、今年の5月から6月にかけて3回にわたって開催され大きな反響を呼んだ「三越伊勢丹お中元ライブコマース」では、視聴者は3万人以上を記録。お中元のアイテムを商品づくりのこだわり、ストーリーや背景を伝えながら紹介し、その都度過去最高のセールスをマークしています。


https://isetan.mistore.jp/seibo/live/20201114_live.html;jsessionid=3E4BB096C71417CF25BCC23C3AEEF439?live_id=K7yOUvJTrwLh1HulX6NU

お歳暮シーズン真っ只中な先日の2020年11月14日にも、昨年に続いて「お歳暮ライブコマース」を行い、料理理研究家イラストレーターである杏耶さんをスペシャルゲストに迎え、好評を博しています。

三越伊勢丹では、「オンライン接客アプリ」の運用もスタートさせているので今後もライブコマースを使ったイベントの実施が活発化することは間違いないでしょう。

ちなみに今月のニュースでは新しいECアプリを開発し、数年後には伊勢丹新宿店の全アイテムを買えるようにする、販売員のインターネットでの販売を強化すると堂々宣言しています。

資生堂 ライブコマースを本格スタート

実演販売との親和性の高さから中国ではライブコマースの主戦術となっている化粧品業界。立ち遅れが見られる日本ですが、国内ではKoseが先陣を切って導入し話題を呼びましたが、ここのところライブコマース化を加速化させているのが最大大手の資生堂です。

先日の11月13日・14日にライブコマース型のオンラインイベント「あたらしい毎日を、あたらしいコスメと。Shiseido BEAUTY EXPO by watashi+」を開催。

会場にいるスペシャルゲストとライブ配信を通じて直接コミュニケーションを取りながら、同社の商品を購入することができるユーザー参加型のコンテンツで、一部イベントが現在ホームページのアーカイブで一般公開されています。


https://www.shiseido.co.jp/cms/onlineshop/campaign/beautyexpo2020/index.html?inflowcd=ad_native_00096978&autoplayLiveShopping=XZtpnCRgpFcvRoNR5Svo&shareLiveShopping=4f8dda92-7908-4955-9141-eb934f1d4f42#liveshopping-XZtpnCRgpFcvRoNR5Svo

筆者もリアルタイムで視聴していたのですが、芸能人や人気インフルエンサーを多数起用した非常に豪華なイベントになっていて、テレビのバレエティー番組を見ながら有名人と会話をしてショッピングを楽しむような感覚を味わえました。

そのエンターテイメント性抜群なコンテンの数々に、ライブコマースに対する資生堂の本気度を感じずにはいられません。

また、同社では、今年の7月22日から伊勢丹三越と提携し、オンラインストア「meeco」上でオンライン接客によるライブコマースを導入。その後も定期的なライブストリームが配信されており、今後のさらなる進展が期待されます。

アパレル業界を中心に急速に浸透しているアプリケーション「STFF START(スタッフスタート)」を化粧品メーカーでは初めて導入させ、美容部員が商品販売からメイクアップのコツまでリアルタイムでコミュニケーションをとりながらさまざまに提案しています。

アプリ「STFF START」は実店舗、ECサイト、カトログ通販、ソーシャルメディア等の全販売経路を統合するオムニチャンネル化に最適なツールで、

ファンケル

アパレルや化粧品以外の商品でも、コロナ禍によって打撃を受けた実店舗の売り上げをライブコマースで補填しようとする動きは活性化しています。

美容製品だけでなく健康食品やサプリメントの販売も手がけるファンケルでは、今年の7月21日から視聴者からのリアルタイムのコメントや質問にも対応するオンラインショッピングをスタート。

コスメやメイクアップのコンテンツだけでなく、健康運動指導士や商品PR担当が登場し健康食品やサプリメントのライブ販売、おうちごはんの実演なども配信。

コロナの影響で巣篭もりの時間が多くなると、どうしても食べ過ぎや運動不足など健康面でのケアが気になり始めますよね。そうした影響からか、視聴数が6000人を超える回もあり、好意的な感想も多くみられ、ファンケル側も配信に手応えを感じているようです。

現在も継続的にライブショッピングが行われているので、これからのさらなる広まりに期待大です。

まとめ

国内では最大手と言われるメルカリがライブコマースビジネスで苦戦しており、アプリケーション未成熟・ネットの分散化、高価なサーバー代など課題も多く、日本ではいまだ発展途上の段階にあるライブコマースの世界ですが、コロナの影響もあり今回ご紹介した事例のように本格導入をスタートさせている企業の動きがここのところ目立っています。

これまで見られなかった新しいサービスが次々と生まれる伸び盛りの時期を迎えていて、非常に面白いトピックなので、また面白い事例を見つけたら今後も随時ご紹介していく予定です。

個人的にはインスタラクターによる実演指導やARを活用した仮想コーディネートなど、フィトネス業界やインテリア業界とも親和性の高いサービスだと思うので、そこらへんでまた何かあればなーと思っています。どうぞお楽しみに!

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/コスモス武田
慶應義塾大学卒。大学時代から文学や映画に傾倒。缶チューハイとモツ煮込みが大好き。映画とマンガと音楽が至福のツマミ。

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