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「家族の絆」を描いたグッとくる感動系CM

「家族の絆」を描いたグッとくる感動系CM

ここのところ、ショートフィルム仕立ての企業CMや広告動画を目にする機会が多くなってます。

感情を強く揺さぶる物語構成は、感動をシェアしたいという欲求を喚起する心理的な効果だけでなく、強い印象を心に刻むことで記憶力を活性化し、メッセージの宣伝効果そのものを高めるメリットをもたらします。

企業色や宣伝色を出来るだけ表に出さず、ストーリーを前面に打ち出した作品作りは、さまざまなプロモーション動画にも応用することが出来ますよね。そこで今回は、グッとくる感動系の企業CM・PR動画の中でもとくに人気の高い「家族の絆」をテーマにした名作を厳選してご紹介します。

10年以上の歴史。東京ガスの「家族の絆」シリーズ

「家族の絆」をテーマに心に刺さるCMシリーズを制作し続けている東京ガスの最新作がこちらです。

仕事帰りに出迎える父の愛情……。2008年に初公開されたシリーズの第一作では、山菜の煮物を題材に記憶をなくしても色褪せることのない祖母と孫娘の絆を描いていました。

シリーズを通して、東京ガスの社名が登場するのは最後のほんの数秒だけなのもまた好印象ですよね。私たちの生活にそっと寄り添うインフラであるように、という思いから宣伝色を可能な限り排除しているそうで、企業フィロソフィーが見事に反映されたその作品作りに脱帽です。

企業CMの既成概念をひっくり返した感動作

地方の小さな会社が制作した企業CMが、人々に大きな感動の渦を巻き起こし国際的な注目を集めた一本がこちらです。

岩手県で音楽教室を展開する株式会社大山堂が、地元盛岡のクリエイターを起用して手がけた作品で、広告のフェスティバル「アジア太平洋広告祭2015」のフィルム部門で銀賞を受賞しています。

結婚式の披露宴で父親が娘へ向けて家族の思い出が詰まったクラシックの名曲「カノン」をピアノで演奏するというショートストーリー。「やめてよ」というセリフとともに揺れ動く新婦の心のドラマを、3分半という時間的な制約の中で繊細かつ丁寧に描いています。

先ほど紹介した東京ガスのCM同様、本作でも「結婚式」「父と娘の絆」がキーポイントになっているように、私たちの感情を揺さぶる物語構成や物語設定には普遍的なスキームがあります。東山堂は、その類型的なスタイルで企業CMをシリーズ制作しており、他の作品も大きな反響を呼んでいます。

息子の結婚式のためにサックスを一からスタートさせた父親が披露宴で演奏するというある種の王道的な内容なのですが、この作品のすごいところは、まごうことなきノンフィクションであり本物のドキュメンタリー映像であること。

仕事一筋な父親の練習風景から、打ち合わせリハーサル、披露宴本番の風景、そのすべてが実録。

実在の出来事を長尺(4分45秒)のドラマ仕立てで鮮やかに描く手法は、15〜30秒のフィクションものがメインがだった当時の企業CMの世界では非常に珍しく、企業CMの既成概念をひっくり返したとも言われる画期的な名作です。

家族写真でタイムスリップ!ライオンが描く「家族絆」

ドキュメンタリースタイルの企業CMをもう一つ。生活用品の大手メーカー「ライオン」が「家族の絆」をテーマに描いた、120周年の企業広告。

2分間と企業CMとしては長尺で物語に大きな起承転結があるわけではないのですが、終わりまで飽きることなくじわじわと胸に熱いものがこみ上げてきて、家族が全員集合するラストシーンでは、感動が一気に押し寄せてきます。

おそらくその理由は、本物の家族写真と歳月を経て成長した生身の姿をフィルムにおさめた、作り物ではない実在感にあります。日本全国から応募した数十組のご家族の協力のもとで制作された、フィクションではないノンフィクションのドキュメンタリー広告だからこそ、映像と一緒になってタイムスリップをしているような視聴者のリアルな共感を自然と生み出すことに成功しているのでしょう。

まとめ

どれもメッセージがストレートで共感しやすい作品になっており、テレビドラマや映画のワンシーンを観ているようなエモーショナルなひと時を経験することができたのではないでしょうか。

・感動するとその印象が記憶に強く残る
・思わず誰かと「シェア」したくなる
・嫌味のない自然なブランディングが行える

人々の心を強く揺さぶり感動を誘う動画には、上記のような明確なプロモーション効果があります。口コミの拡散や商品・サービス・企業のイメージアップを確認に期待できるその手法は、ビジネスだけでなく地方創生やさまざまなシーンで有効ですよね。

グッとくる企業CMにはそのお手本となる作品が多いので、今後も面白いものがあれば継続的にお届けしていくつもりです。お楽しみに!

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/コスモス武田
慶應義塾大学卒。大学時代から文学や映画に傾倒。缶チューハイとモツ煮込みが大好き。映画とマンガと音楽が至福のツマミ。

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