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「メタバース」に映像業界、マーケターが注目しないといけない理由
ZOORELでも取り上げているテーマに「メタバース」「NFT」といった仮想空間・仮想データの話があります。ここまでメタバースについて何度か解説をしてきました。仮想空間は3DCGにおける世界ですから映像業界と密接な関係があります。しかし、一方で通常のアナログな撮影とは違うので「似て非なるもの」と思う声も大きいように思えます。
今回はテーマを絞ってなぜ映像業界がメタバースに注目をしないといけないのか? という理由を紹介いたします。
映像の解像度は8Kが限界?
ブラウン管を利用したテレビからハイビジョンに変わっていこうテレビの映像解像度は飛躍的に進歩してきました。東京オリンピックを契機に4K、8Kを売りにしたテレビがお茶の間に広まりました。
当面はこれ以上、つまり16Kだ32Kだという世界には広がらない予定です。その代わりに登場するのが「イマーシブメディア」と呼ばれる3次元の仮想空間への没入体験だといわれています。つまり、4K、8Kの次がなんなのか?というと解像度をあげるのではなくて仮想空間に移ろうという動きなのです。
一方で8Kの映像を現実的に楽しめているかというとまだまだソフトウェアの部分では至らないところがあるように思えます。また、一般のデジタルカメラ等でも8Kの映像が撮影できるものはおろか4K対応もすべての機種に搭載されているわけではありません。
メタバースは動画マーケティングの一種
これまで映像業界では映像を撮ること、そしてそれを販売することでしか利益構造がありませんでした。
ところが「メタバース」の世界は現実の世界の代わりに仮想空間上で社会生活を送るということがテーマになっています。すでにメタバース内で物を売ること、デジタルデータに価値をつけることは「NFT」をはじめ大きなブームになっています。
では、映像づくりの世界でできることは何かないのでしょうか?
『ReelNReel』は、メタバースの世界は「動画マーケティングの一種である」と指摘しています。将来的には映像・動画を見た視聴者の反応は顔の表情やジェスチャーを読み取ることで満足度を解析するようになるといわれています。その中には3Dの没入体験だけではなく、気になった製品のCMを見る、取り扱い説明の動画や企業のPRのための動画を作るといった従来の動画・映像の使い方の延長戦上にも大きな期待がかかります。
メタバースはSFではなくリアル
一方で『Influencer Marketinghub』は、メタバースはSFの世界が描いた未来ではないとも指摘しています。Z世代やミレニアル世代においてVRやARは未来の技術ではなく現在進行形で触れ合った技術です。海外の同世代に流行っている『Roblox』と呼ばれるオンラインゲーミングプラットフォームではすでにグッチ(GUCCI)のアイテムがRobolox上で販売され2億8,600万Robux(仮想通貨の単位)を売り上げました。
マーケターにとっては未来の技術かもしれませんが若世代のことを念頭にいれなくてはいけません。上述の『Ifluencer Marketinghub』は「インフルエンサーキャンペーンの一つ」と捉えるべきだと指摘しています。
一方で加熱する報道に対して批判的なメッセージも存在します。メタバースの先駆けともいえる「セカンドライフ」がかつて失敗したからです。そして、いま現在ではVR・ARの機器や対応デバイスが普及しているとは言い難いです。しかし、昨今オンラインミーティングやオンライン飲み会が恒常化したように、世界は劇的にメタバースの世界を受け入れる土壌へと変化しています。
大事なことは現在はまだ実験を繰り返している段階であるということです。様々なマーケターがメタバースを使ってどう動画マーケティングをしていくのかを見守りたいと思います。
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