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周年記念映像の制作事例10選と制作のポイント

周年記念映像の制作事例10選と制作のポイント

周年事業とは、企業が創業から10年、20年、50年、100年などの節目を迎えた際の式典イベントや新商品の発売などを指します。近年、そんな周年事業の一環に周年記念映像を活用する企業が増えており、弊社エレファントストーンへのご相談も増加しています。

一般的に周年映像と言うと、社史を振り返る映像を式典会場のスクリーンに写したり、WebサイトやYouTubeチャンネルに掲載したりするケースが多いです。一方、対面の場が限られる昨今では周年式典をオンラインライブ配信の形で行う企業も増えており、周年事業において動画が用いられるシーンは多様化しております。

しかし、周年事業は頻繁に行われる施策ではないため、周年事業のノウハウが蓄積されている企業は少なく、ましてや動画の活用方法まで整理するのは容易なことではありません。

そこで本記事では、周年記念映像を制作する際に押さえておきたい周年記念映像を制作するメリットや種類、事例、制作のポイントをまとめました。周年事業で映像の活用を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

周年記念映像を制作するメリット

周年事業において、動画を制作することのメリットとして大きく以下の3つが挙げられます。

  1. 資産として残し、社内外へ発信できる
  2. 式典参加者の期待を高められる
  3. 商品・事業のプロモーションに繋げられる

周年記念映像があれば、周年記念の式典に参加している社員の感動、共感、モチベーションアップに繋がるだけではありません。参加できなかった社員に式典イベントの様子を届けることや、顧客や株主に対して日頃の感謝を伝えることも可能です。さらに、周年事業に絡めて従来商品や新商品のプロモーションに繋げている企業もあります。

まず本項では、周年記念映像を制作するメリットを一つずつ解説します。

1、資産として残し、社内外へ発信できる

映像は資産として残り続け、社内外問わずいつでも視聴してもらえます。周年記念イベントに参加できなかった社員や取引先、顧客に映像を通して社史や日頃の感謝を伝えるツールとして活用できます。

最近は動画の活用方法として、周年記念映像をYouTubeチャンネルにアップし、さらに周年事業用の特設Webサイト上にも公開する企業が増えています。また、プレスリリースの文中に動画を入れ込み、テキストや写真を補完する役割を担うケースもあります。例えば、株式会社グロービス様の30周年時のプレスリリースでは、周年映像と特設Webページをメインで紹介しています。

大規模なイベントが催行しにくい昨今、ステークホルダーとの関係性を深めるツールとして周年記念映像が活用されています。

2、式典参加者の期待を高められる

周年記念イベントの開幕時に動画を流すことで、参加者の期待感・一体感を高められます。

式典当日に映像があれば、社員自身が在籍していなかった頃の歴史もなぞることができ、現在に至るまでの紆余曲折を振り返ることができます。さらに、今後のビジョン、企業の将来像まで映像にすることで、会社の向かっていく未来をビジュアルで訴求し、社員の向上心や社外からの期待感に繋げることもできます。式典のオープニングから盛り上げることで、当日の参加者の一体感を醸成することも期待できます。

3、商品・事業のプロモーションに繋げられる

周年記念映像を通して、商品の持つ歴史や背景に触れる機会を作り出せるため、結果として商品・事業のプロモーションに繋げることが可能です。映像を通じて社史だけでなく、商品や事業が生まれた背景や創業からの想いを動画に反映させ、商品や企業へのイメージアップを狙うことができます。

実際に、周年記念のタイミングに合わせて新商品・新事業をリリースしたり、限定商品を販売し、制作した周年記念映像を絡ませた広報・販促活動を行っていたりする企業は少なくありません。いわゆるBtoC向け商品との相性が良く、周年限定の味・デザインを展開し、周年を迎えていることを消費者にアピールしつつ、商品もプロモーションしているケースがあります。

周年記念映像の種類

周年記念映像は「ヒストリー紹介」「式典収録」「オープニング」の3種類に分けられます。

本項では3種類それぞれの特徴を紹介し、その上で、各種制作する際の完成イメージにしやすい事例としてYouTubeに掲載されている他社事例をピックアップしています。気になる事例がありましたら、是非視聴してみてください。

1、ヒストリー紹介動画

ヒストリー紹介動画は創業当初のエピソードや企業が歩んできた歴史を共有する周年記念映像です。周年事業で映像を用いる場合の多くが、この「ヒストリー紹介」に当てはまります。

ヒストリー紹介動画でよく見られる表現としては、創業当初の写真や動画を用いて、当時から大切にしていた想いや歩んできた年表を紹介するケースです。パンフレットの文字・テキスト情報や式典の登壇者による話だけでは想起しづらい、歩んできた歴史や今後の歩んでいく未来を視覚化することで社員の向上心にも繋げられます。

なお、最近では3周年、5周年、10周年という比較的早い段階での節目にも制作されるベンチャー企業が増えています。

まず本項では、ヒストリー紹介動画の5事例をご紹介します。

1-1、株式会社ノーリツ – 70周年企業ムービー「みんなで、次へ」

株式会社ノーリツの70周年記念映像です。ノーリツグループが一丸となって体現し続けてきた、創業当初から変わらない想いが伝わる映像となっています。社史を振り返りつつも、後半では実写では現在の社員の働く姿にフォーカスしており、ビジョンをこれからも体現していくという力強いメッセージが伝わる内容となっています。社外へ公開し、企業PRも兼ねたい企業にとって参考にしやすい事例です。

1-2、京王プラザホテル – 開業50周年記念動画

京王プラザホテルの開業50周年に制作された映像です。社史を振り返るパートでは当時の静止画や動画データが使用されています。自社内に動画の素材になるデータが豊富にあれば、本事例のように編集のみを制作会社に依頼することで、撮影にかかる費用を抑えることもできます。

ホテルをはじめ、施設を営む企業が参考にしやすい周年記念映像です。視聴者の企業イメージ向上に繋げ、現在の施設への来訪のきっかけになることも期待できます。

1-3、豊田市 – 豊田市制70周年記念映像

豊田市の市制70周年記念映像です。孫とおばあちゃんの会話形式のナレーションを入れ、市制施行から2021年当時に至るまでの歴史を振り返っています。当時の画像・映像データが豊富に残っている場合、本事例のようなヒストリー紹介映像が制作できます。尺も2分程の短尺なものなので、式典当日にオープニング映像として使用することもできることでしょう。

なお、豊田市のWebサイトにある特設ページ上にも掲載されているため、サイト上に配置するイメージの参考にしてみてはいかがでしょうか。

1-4、Uber Japan株式会社 – Uber Eats 5周年記念ムービー

Uber Eatsが日本でサービス開始してから5周年記念として制作された映像です。地域ごとに人気のあるメニューをはじめ、5年間の統計データをオリジナルソングで振り返る内容に仕上がっています。主に無形サービスを取り扱っている企業として参考にしやすい事例で、本事例のようにオリジナルソングや全編アニメーション映像に仕上げるのも一つの手です。

【期間限定】Uber Eats 5 周年 大感謝キャンペーン!」という特設のウェブ記事上にも当該動画が埋め込まれております。

2、式典収録動画

式典収録動画は式典イベント当日の様子を収録した動画です。当日、数多くの関係者を招き、大々的に式典イベントを行う場合は式典収録動画を検討すると良いでしょう。

さらに細かい種類としては、式典の様子を最初から最後まで納めるフル尺映像と、編集して10分ほどの尺にまとめたダイジェスト版があります。フル尺は会社の資産として残しておき、ダイジェスト版は社外のステークホルダーにも式典当日の様子を伝えるといった使い分けをしている企業が多いです。

なお、映像の主な掲載先としてはYouTubeチャンネルや周年記念特設サイト、企業ホームページのニュース記事に共有されるケースが多いです。本項では、事例を2つほどご紹介します。

2-1、東京女子大学 – 創立100周年記念式典

「東京女子大学創立100周年記念式典」当日の様子をダイジェスト的にまとめた式典収録動画です。4分弱の尺で式典会場の雰囲気や登壇者の表情、讃美歌やハンドベルの演奏があったことなど、当日の様子がダイジェスト的に伝わる構成となっています。全体の尺は4分以内にまとまっており、主に社外の人へ周年を迎えたことを伝える映像として参考にしやすい映像です。

なお、当該動画は100周年特設サイト上にも掲載されています。動画の埋め込みを行わずとも、画像をクリックするとYouTube動画へ遷移する形でWebサイトに掲載されています。

2-2、知多市 – 知多市制施行50周年記念式典

愛知県知多市の市制施行50周年記念式典の収録動画です。冒頭は10分間の「ヒストリー紹介動画」を差し込み、以降はほとんどノーカットの式典の様子が映されています。複数台のカメラで撮影し、登壇者や参加者、会場全体と視点を変えたり、名前のテロップや常に左上にワイプで手話の同時通訳者を映したりと、視聴しやすさにもこだわり抜いた映像となっています。

構成より、数十年後にも振り返って視聴することを前提として制作されたものと推測され、式典当日の様子を資産として余すことなく映像に残しておきたい場合、本事例を参考にしてみてはいかがでしょうか。

3、オープニング動画

オープニング動画は社内で完結する式典イベントを催行する際、会場にいる社員の結束力やモチベーションの向上を狙いたい場合に使用されます。式典イベントの開会時に再生され、アニメーション表現を通して社史を1分ほどで端的に振り返りつつ、最後には「式典開会!」といったワードで締めくくり、参加者を引き込む表現をしているケースが多いです。

式典会場に社員や取引先など多くの参加者が集まることが決まっている場合、検討してみると良いでしょう。式典オープニング時に参加者の期待感や一体感だけでなく、式典の満足度も高めることに貢献できます。

3-1、松美化建工業株式会社 – 50周年式典オープニング

松美化建工業株式会社の50周年式典で使用されたオープニング動画です。前半部では社史をダイジェストで振り返り、会社の歩んできた歴史を紹介しています。後半部では、BGMの盛り上がりに合わせた文字アニメーションで参加者を盛り上げる映像に仕上がっています。

「ヒストリー紹介」と「参加者の盛り上げ」どちらにも機能しており、オープニング映像として参考にしやすい事例です。

3-2、株式会社システムエグゼ – 設立20周年記念式典オープニングムービー

株式会社システムエグゼの「設立20周年記念式典」で使用されたオープニング動画です。大きなテロップがBGMに合わせて表示され、静止画も挟みながら社史を紹介しています。撮影は行なっておらず、会社ロゴや創業期の静止画があれば制作できるため、編集費のみで比較的安価に制作を依頼することができます。

創業当時の写真が潤沢にない中、創業ストーリーや創業期から継承している想いをテキストで伝えたい場合、本実例は参考にしやすい事例です。

3-3、株式会社一井 – 創業50周年記念式典 オープニングムービー

一井工業の創業50周年記念式典で使用されたオープニング動画で、社史を創業当初の静止画と交えて紹介しています。1つのシーンごとの文章量が抑えられているため、数秒間でもその年に起きた出来事が直感的に理解しやすい工夫がされています。なお、1:55〜の現在の工場や社員の働いているシーンには動画の撮影データが用いられています。

プロの手で撮影を行い、映像内に入れ込むだけでも数十万円は金額が上がります。コストをかけてでも、撮影データを用いてオープニング動画のクオリティを追求したい場合、本事例のようなクオリティを想定してみてはいかがでしょうか。

周年記念映像の制作ポイント

続いて、周年記念映像の制作ポイントをご紹介します。

制作会社に依頼するケース、自社で制作するケースどちらの場合においても下記のポイントをあらかじめ固めてから着手することで、制作段階で判断に迷った際に立ち返る指標となります。

  • 目的   :制作することで、成し遂げたいゴールは何か
  • 視聴層  :誰に対し、どんなメッセージを伝えるか
  • 配信シーン:いつ、どこで、どの媒体で配信・掲載するのか
  • 種類   :3種の周年記念映像の内、どれが適切か
  • 制作者  :制作は誰が(どの会社が)行うか

上記の中でも、制作の目的が特に重要です。周年記念映像と一口に言っても目的が異なれば、社内向け、社外向け、式典参加者向けなど想定視聴者も変わり、動画を掲載するべき媒体も異なってきます。

なお、今回ご紹介した「ヒストリー紹介」「オープニング」「式典収録」それぞれの掲載先となる候補としては、下記の通りとなります。

 

動画の種類 主な掲載先
ヒストリー紹介 自社YouTube、周年特設Webサイト / ページ

企業サイトの「ニュース記事」、プレスリリース
自社SNS、記事・動画広告

式典収録 自社YouTube、周年特設Webサイト / ページ

企業サイトの「ニュース記事」

オープニング 自社YouTube、企業サイトの「ニュース記事」

※式典当日に使用されるのみで、
他媒体へ掲載されないケースが多い。

周年記念映像の制作期間について

制作会社に依頼して進めていく場合、余裕あるスケジュール感で進行するためには、3ヶ月前に制作会社に問い合わせておくことを推奨します。

上記の図のように、映像制作には企画・撮影・編集のフローがあり、各フローに約1ヶ月かかるケースが多いです。しかし、撮影を行わず創業時の写真を元に社史を振り返る周年記念映像をご希望であれば、企画・編集のみとなるため1〜2ヶ月での納品も現実的です。また、納期が差し迫っている場合、制作したい周年記念映像のイメージを元に制作会社に相談してみるのが良いでしょう。

なお、周年映像の内容は社長や役員層などにも確認いただくケースが多く、弊社の経験ベースですと経営陣との意思疎通に日にちがかかる場合は自ずと、映像へのフィードバックもスムーズに行えなくなってしまいがちです。そのため、自社の確認ペースに合わせ、3〜4ヶ月前には制作会社に問い合わせておくことで、各工程での確認作業などに追われてしまう局面を防ぐことに繋げられます。

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周年記念映像を外注する場合の費用

弊社エレファントストーンの場合、50〜150万円ほどで周年記念映像の制作をお請けするケースが多いです。幅がある理由として、周年記念映像の場合は撮影の有無によって30〜50万円ほど費用が変動することが挙げられます。静止画や会社ロゴ、イラストといったお客様からの支給素材のみで制作する場合は50万円前後でご対応できる場合がありますが、現在の会社や働く社員の様子を1~2日ほどで撮影すると制作に関わる人数や工数が増え、費用も100万円以上になるケースが多いです。

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まとめ

周年記念映像の制作事例や制作のポイントをご紹介しました。社内のみで完結するオープニング映像であれば映像制作を得意としている社員に依頼し、自社内で制作することも可能です。しかし、社外への公開も視野に入れた式典収録やヒストリー紹介は自社企業のイメージにも関わってくるため、映像を仕事にしている制作会社やフリーランスなどに依頼し、プロの手腕に任せた方が無難です。

もちろん、式典当日を撮影だけ行う、ないし自社にある写真や動画を素材として、アニメーション表現でのヒストリー動画を制作するといった、スポット的にご依頼するのも一つの手です。かかる工数に比例して制作費用がかかるため、一部分での依頼の方が費用を抑えることにも繋がります。

周年記念映像は一般公開しにくいジャンルであるため、本記事内では弊社エレファントストーンの事例はご紹介できませんでしたが、弊社でも周年記念映像の制作事例はございます。本記事内でご紹介したように制作期間は約3ヶ月、費用は50〜150万円ほどで制作することが可能です。

周年記念映像の制作をお考えでしたら、まずは下記ボタンよりお気軽に無料ご相談ください。お客様のご状況に合わせ、どのような映像をどのくらいの費用感で制作できるかご案内させていただきます。

この記事を書いた人

登陽一朗
エレファントストーン経営戦略室企画課所属

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