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工場紹介動画の活用事例7選と制作時のポイント

工場紹介動画の活用事例7選と制作時のポイント

工場に直接足を運んでもらいにくい昨今、弊社エレファントストーンに工場紹介動画の制作を相談くださる企業様が増えております。

動画があれば工場に行かなくても外装、設備、働いている従業員の様子を感じ取ってもらうことができます。さらに、機械の内部構造や普段は立ち入れないスペースといった、工場に訪れても見ることができない部分まで紹介できるのは動画ならではの特徴です。

また、工場紹介動画は企業・商品プロモーション、社内教育、さらには求職者への採用促進といった様々な目的のもとで制作されています。

本記事では、工場紹介動画を制作するメリット、事例、制作時のポイントを解説します。会社の用途に合った事例や、制作する上で使える知識が見つかるかもしれません。工場紹介動画の制作を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

工場紹介動画を制作するメリット

一口に工場紹介動画と言っても、企業や商品のプロモーション、社内教育、さらには求職者への採用促進と、制作する目的はさまざまです。

そんな工場紹介動画を制作するメリットとしては、主に以下の3点が挙げられます。

  1. 工場に足を運ぶことなく、工場内部の紹介ができる
  2. 会社や商品のイメージアップに繋がる
  3. 工場見学では見ることができない工程も紹介できる

まずは、工場紹介動画を制作するメリットを詳しく見ていきましょう。

1、工場に足を運ぶことなく、工場内部の紹介ができる

工場を訪問するのが難しい遠方の社員や取引先に工場の様子を伝える場合、工場紹介動画があればいつ、どこでも工場紹介が可能です。さらに静止画では伝わりにくい、機械の動き方、工場ラインにおける従業員の作業・技術といった情報もその場で見ているかのように伝えることができます。また、制作した動画はYouTubeにアップしておくことで、求職者や一般消費者の方達の目に触れるきっかけが創出でき、顧客や取引先にも共有しやすくなります。

2、会社や商品のイメージアップに繋がる

企業や商品のプロモーションをお考えの場合にも工場紹介動画は有効です。商品がどのような環境下で生産されているかが伝わるため、映像から受ける印象がそのまま会社や商品へのイメージに繋がります。例えば、馴染みのあるお菓子の生産過程を映したり、最新のマシンによる精巧でスピーディな技術を映したりしたインパクトのある映像は視聴者の興味を引きます。商品として並ぶまでの企業努力が伝わり、信頼感に繋がることでしょう。一般消費者が見慣れている商品を生産している企業の場合、このような効果が見込みやすい傾向にあります。

さらに、制作した工場紹介動画をYouTubeで一般公開しておくことにより、企業・商品を知らなかった層に認知してもらう機会が創出できます。すると、視聴者が今後競合商品ではなく自社商品を購入するきっかけや、工場で働きたい求職者へ働く環境をアピールすることにも繋がります。

3、工場見学では見ることができない工程も紹介できる

衛生上、従業員以外は入室できない部屋や、安全確保のため近づいて見ることができない機械の内部でも、動画を通じて見てもらうことができます。普段見ることができない工程を見せたり、機械内部を3DCGで表現したりした映像があれば、一般消費者への紹介だけでなく社員研修にも活用できることでしょう。

工場内部にいると見慣れている生産工程や、当然のように行っている衛生管理でも、初めて見る人からすると驚き、感動、学びに繋がることがあります。動画であれば、工場見学では見せられない内容さえも伝えることができます。

工場紹介動画を制作する目的と活用方法

続いて、 工場紹介動画を制作する目的と活用方法を紹介していきます。まず、工場紹介動画を制作する目的は大きく下記の3つに分けられます。

  1. 商品プロモーション
  2. 採用における会社紹介
  3. 社内教育用

工場紹介動画を制作する目的に応じて、制作する映像に求められる視点や、制作した映像をどのように活用するかが異なります。と言うのも、それぞれの目的によって想定視聴者も変わってくるためです。

例えば、「採用における会社紹介」を目的とする場合、求職者が想定視聴者となり、働く環境や従業員のインタビューシーンを差し込むことが有効です。また、「社内教育用」であれば、専門用語や細かな工程、従業員視点での気をつけるポイントなどを入れ込むと良いでしょう。

このように、一口に工場紹介動画と言っても制作する目的や想定される視聴者によって内容が変わってきます。そこで本項では、工場紹介動画の種類と特徴、活用方法を解説していきます。ご自身の用途に近しいものを見つけ、制作する映像のイメージを固める判断材料にしてみてください。

1、商品プロモーション

一般消費者向けの商品プロモーションに繋げるべく、工場紹介動画を制作するケースがあります。視聴者は動画を通して見慣れている商品が、普段目にすることのできない工場内部でどのような品質管理や工程を経て、スーパーやコンビニの商品棚に陳列されるのか理解できます。さらに、工程を伝えていく上で企業理念や、商品・企業の歴史の長さを絡めて紹介することで自社のファン獲得にも繋がります。

最近では360度動画で撮影することで、視聴者が好きなように画面を回転させ、その場で見学している擬似体験ができる仕掛けを施している企業も増えています。

また、人気のある飲食メーカーに限らず、例えば、ハウスメーカーの工場で管理している建築用木材がどのような環境下で切り出され、管理されているかを映像にすることで、材質ひいては家の品質に対してイメージアップに繋げることができます。

自社の強みとして独自の技術力や徹底した品質管理といった、普段目につかない部分まで拘り抜いていることを他社との差分として見せることで、商品プロモーションに繋げている企業が増えています。

2、採用における会社紹介

採用プロセスの中で、工場紹介動画を活用している企業が増えています。工場勤務にはいわゆる「3K(きつい・汚い・危険)」のようなマイナスイメージを持っている人もいる中で、工場内部の衛生状態、働いている人のインタビュー、安全対策が行き届いていることを動画を通じて伝えることで、求職者は働くイメージがつきやすくなり、安心感に繋がります。

さらに、自社事業やビジョンへの理解・共感ができる人に入社して欲しいと考えている企業は、動画内で求職者に働く環境や入社後の期待を伝え、入社後のギャップを少なくしています。

採用を目的にした工場紹介動画は、会社説明会や企業HPといった既に自社に興味を持っている求職者に対して視聴してもらうケースが多いです。一方、知名度が低い中小企業の工場では動画をYouTubeにアップ、ないし広告配信することで自社の認知拡大に繋げているケースもあります。

3、社内教育用

工場紹介動画は社内教育の面でも役立てることができます。動画を通じ、商品が生産されるまでの工程や自社ならではの製法、技術への深い理解に繋がります。

営業担当が競合製品との違いや品質管理の高さを説明する際、工場内の生産工程を絡めて話すことで、商品の魅力がより伝わりやすくなり、受注率向上も期待できます。なお、映像の内容としては、社外の人たちに見てもらう工場紹介動画に比べて専門用語が多用され、工程や機械構造もより詳細に説明される傾向にあります。

また、工場が遠方にある場合、社員研修の度に工場に赴いていては人件費が膨らんでしまいます。研修コスト削減のために、工場紹介動画を検討される企業も少なくありません。

なお、制作した映像は社内システムにアップロードするだけでなく、社外秘の内容がない限りは自社YouTubeチャンネルに掲載する企業も増えています。一般公開しておくことで、URLさえ共有すれば取引先や顧客に手軽に視聴してもらう機会を創出できるためです。

工場紹介動画の活用事例

続いて、工場紹介動画の活用事例として複数の事例を見ていきましょう。本項では、YouTube上にある工場紹介動画の参考事例にしやすいものをピックアップしました。

なお、各映像の掲載先Webページも紹介しております。映像と併せて特設Webページの制作までお考えの方はリンク先もご参照ください。

1、食品工場での活用事例

1-1、ネスレ日本株式会社 – 「キットカット」オンライン工場見学

チョコレート菓子「キットカット」の製造過程を実際の工場内での映像を交えて紹介する映像です。4つの工程に分け、それぞれのパートごとに2〜3分ほどの動画を制作しており、気になる工程のみ視聴しやすいようになっています。子どもから大人まで多くのファンがいるお菓子なので、説明が簡易的で子どもでも理解しやすい内容になっています。

なお、ネスレ日本株式会社は公式サイト上に「オンライン工場見学」の特設ページが公開されています。工場紹介用の特設サイトを制作をお考えであれば、本事例のように短尺の動画を複数作って掲載することで、ユーザーにとって分かりやすいサイトに仕上げられることでしょう。

1-2、カゴメ株式会社 – VR360°カゴメバーチャル工場見学MOVIE

カゴメ株式会社の契約農家で収穫したトマトがジュースになるまでの様子を360°動画に収めています。工場内をぐるぐると見回すことができたり、クイズの答えが画面を横に回転させることで見えるようになったり、視聴者が体験を通して工場見学ができるような仕様になっています。商品プロモーションの一環として工場紹介動画を制作する場合、本事例のように360度カメラを用いた体験型の動画に仕上げることでより興味を持って視聴してもらう仕掛けになり得ます。

掲載Webページ:カゴメトマトジュースバーチャル工場見学

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1-3、株式会社大阪王将 – 大阪王将 冷凍食品工場を全公開!(工場の成型工程 編)

株式会社大阪王将の餃子の冷凍食品が成型されていく工程を動画にしています。1分間に150粒の餃子を包む機械や、目視での検品を行なっている品質管理の高さを実写映像とテロップ、一部アニメーションを用いて紹介しています。冷凍餃子という複数の競合商品があるジャンルにおいて、工場紹介動画を通してこだわりや品質管理が行き届いていることを伝えることで、消費者に商品を手にとってもらうきっかけに繋がることでしょう。工場紹介を行う上で、品質管理や商品への拘りを訴求したい場合、本事例の構成や撮影カットが参考になります。

2、自動車 / 建設機械工場での活用事例

2-1、株式会社 日立製作所 – 電車のつくりかた 前編

鉄道総合インテグレーターである株式会社 日立製作所による、電車が作られるまでの制作工程から線路へ輸送される様子まで映像に収めています。専門用語が要所で用いられており、主に大人の鉄道ファンに向けて制作されていることが伺えます。本事例のように、根強いファンを抱える商品を取り扱っている企業は、主に大人のファン向けに製品ができるまでの工程や工場紹介をややマニアックな用語や知識と合わせて映像にすることで、よりファンの心をくすぐり、人気を獲得できることでしょう。

2-2、ヤンマー建機株式会社 – ヤンマー建機 工場紹介 ”MADE FROM THE HEART”

ヤンマー建機株式会社の工場紹介動画です。4:35の尺の中で、沿革、拠点、工程、会社の「DNA」や「HEART」まで凝縮してまとめられている事例です。工場紹介のパートがメインであるものの、会社紹介映像としても成立する内容となっています。求職者向けに工場紹介動画を制作する予定であれば、本事例のような映像を会社説明会の序盤に放映することで、会社の想いや沿革をきちんと伝えられ、入社意欲の向上や入社後のミスマッチを防ぐことに寄与できることでしょう。

掲載Webページ:ものづくりの現場、生産工場紹介

3、出版 / 部品メーカー工場での活用事例

3-1、凸版印刷株式会社 – トッパン 川口工場紹介映像

凸版印刷株式会社の、「新世代印刷工場」であることを訴求する工場紹介動画です。工程を1つずつ追っていく構成ではなく、新技術や品質の高さ、多様なニーズに応えられる柔軟性などを工場内部の様子と共に紹介しています。1分21秒と短めな動画の長さのため、ウェブサイト内の一部に入れ込んだり、自社のSNSなどで配信を行なったりしても、視聴者が最後まで見やすいのも特徴。本事例のように、企業や商品のブランドイメージを刷新したい場合にも工場紹介動画を活用することができます。

3-2、株式会社 丸十 – 工場見学動画

精密板金加工、 各種筐体の組立などを行なっている、株式会社 丸十の工場見学動画です。ナレーションやテロップ情報のない実写映像で、工場内にある機械や働く人たちの様子が伝わる内容となっています。BtoB向けのメーカーにおいては工場内部を映像にしている会社は数少なく、ウェブサイトなどで情報収集している見込み顧客が映像を見ることで、興味を持ってもらいやすくなるでしょう。また、本事例は工場勤務に対する「3K(きつい・汚い・危険)」のイメージに反した、スタイリッシュな作品に仕上がっているため、求職者向けの事例としても参考にできます。

掲載Webページ:株式会社 丸十 お知らせ「動画で工場見学!」

工場紹介動画を自社内で制作するときのポイント

工場紹介動画から受ける印象が、企業や商品へのイメージにも繋がります。特に「採用における会社紹介」や「商品プロモーション」の目的で制作する場合、求職者や顧客となり得る層に見られるため、イメージアップに繋がる映像にする必要があります。

そこで本項では、視聴者が見ていて面白い、為になる、気になって最後まで見てしまうというような動画を目指すために押さえておきたい6つのポイントをご紹介します。

  1. 工場の外装から内部の順番で映し、事業や商品には前半で触れておく
  2. 生産工程における強み、他社との違いは特に注力して企画、撮影する
  3. 採用活動でも使用する場合、2〜3名の社員インタビューシーンを織り交ぜる
  4. 360度動画での撮影をする場合、画面を回したくなる工夫を施す
  5. 音声のクオリティは重要なため、ナレーションはプロの手に任せる
  6. 特設Webサイトを作成する場合、工程ごとに分けた2〜3分尺の映像を複数作成すると、分かりやすいコンテンツに仕上がる

上記は、弊社エレファントストーンで制作している映像、他社事例を問わず、クオリティが高く良く再生されている工場紹介動画に見られる傾向です。なお、ご紹介したポイントの中でも、2、3、5は必ず押さえておくことを推奨します。是非、自作される場合には参考にしてみてください。

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なお、工場紹介動画を自社内で制作する際のポイントをご紹介しましたが、映像制作を本業としている社員、ないしは経験していた社員でない限り、これらのポイントを押さえた映像制作は難易度が高いと言えます。

実際に、本記事でご紹介した映像の全てが映像制作のプロによる制作がされています。特に社外の人の目に触れる「採用における会社紹介」や「商品プロモーション」を目的に制作する場合は、制作会社への依頼を検討すると良いでしょう。

工場紹介動画を制作会社に依頼する場合の費用や期間の目安

本項では、実際に映像制作会社に依頼した場合にどれほどの費用がかかり、相談してから納品されるまでどのくらいの期間を見ておけば良いか解説していきます。

弊社エレファントストーンで制作するケースのご紹介になりますが、他の制作会社とも費用やスケジュール感は大きくは変わりません。

工場紹介動画制作の費用の目安は「約100万円~200万円」

工場紹介動画制作の費用の目安としては「約100万円〜200万円」となります。1日で撮影した映像素材をカットで繋ぎ、文字情報を要所で入れ込み、2、3名の社員インタビューを入れ込むケースですと100万円〜120万円ほどでの制作が可能です。

その上で、ドローンを使って工場を上から撮影する、プロの演者を入れる、工場機械の仕組みを3DCGで紹介するといった、よりリッチな映像表現が加わると数十万円費用が高くなり、200万円前後になるケースもございます。

また、撮影費に関しては撮影日数に応じて変動するため、全国にある複数の工場を回って撮影する場合、撮影する工場の数だけ掛け算方式で撮影費がかかってきます。複数工場を撮影する場合においても、費用が200万円以上になると考えておくと良いでしょう。

▼費用の詳細についてはこちらの記事もご参考ください
動画制作や映像制作の費用相場について

工場紹介動画の制作期間の目安は「約2〜3ヶ月」

工場紹介動画制作の期間の目安としては「約2〜3ヶ月」となります。

参考までに、各工程における期間をご紹介します。まずはご相談いただいてから、ヒアリングや企画提案、見積もりに約2週間。さらに企画内容を元に工場へのロケハンや機材準備、シナリオ作成などに約1ヶ月。準備ができたら現場で撮影を行い、撮影データを元にして編集するのに約2週間〜1ヶ月。問い合わせ〜納品までは約2〜3ヶ月ほどかかるケースがほとんどです。

ただし、1ヶ月以内で制作したいお客様にも特急プランとしてご対応できることもあります。例えば、構成をある程度準備されていたり、複雑なアニメーションなどの編集を要しない場合は短い制作期間で制作することもできます。

弊社エレファントストーンでは、短納期の場合でも柔軟にご対応しております。

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動画制作の流れとスケジュールについて

まとめ

工場紹介動画の種類や事例、制作のポイントをご紹介しました。自社内で制作する場合、押さえるべきポイントは多数ありますが、視聴者が気になって最後まで見てしまう映像を目指すと良いでしょう。

とはいえ、本記事内でも触れたように工場紹介動画の多くはプロの手で制作されることが多いのが事実です。社外に一般公開する場合、まさに自社の商品が作られる環境を見せるため、映像から受ける印象が企業や商品への印象へと繋がります。自社内に動画制作のノウハウがない限り、プロの手による映像制作を行うのが良いでしょう。

弊社エレファントストーンも、工場紹介動画の制作実績が多数あります。まずは、弊社事例をご覧いただくだけでも構いませんので、ぜひ無料相談をご利用ください。


 

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この記事を書いた人

登陽一朗
エレファントストーン経営戦略室企画課所属

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