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ドキュメンタリー=ありのまま?
フィクションとは違うドキュメンタリーの面白さ

ドキュメンタリー=ありのまま? フィクションとは違うドキュメンタリーの面白さ

エレファントストーン ディレクターの奥野です。

ドキュメンタリーを撮りたいと思い始めて、はや3年くらい経ちましたが、まだ行動に映していません。ドキュメンタリーと聞くと、「ありのまま」というイメージを持つ人は多いですよね。実際辞書を開くと、

ドキュメンタリー: 「虚構を用いず実際のままを記録した性質を持つこと」

という言葉が出てきます。

その通りと思うのですが、一方で製作者が、特定のコンセプトに基づきシャッターを意図的に押して、カット編集をして、音楽を選定して….. etcという諸々の製作者の意図が入っている以上、「ありのまま」も製作者の意図がある程度含まれた限定的なものだと個人的には思っています。

そして、被写体の魅力とは別に、そこにもドキュメンタリーという表現の魅力が詰まっていると思います。それを有り体に言えば、ディレクターのコンセプトメイキングであり、テーマを突き詰める根性であるのかと思います。と言いつつも、まどろっこしい話は置いといて、ドキュメンタリーのYouTubeチャンネルで個人的に好きなものを紹介したいと思います。

ディスカバリーチャンネル

これを見るまで僕は、パタゴニアはブランド名だと思っていたし、オタマジャクシの味について考えたことありませんでした。ディスカバリーチャンネルは、とにかく身体を張っていて、体当たりでという印象が強いですが、よくよくみてみると、全ての映像でストーリーの起承転結がしっかりと整えられており、撮影はもちろん、カット編集も凄く拘って製作されています。

過酷な環境で、水を飲むシーンでもしっかり4カット撮っています。直射日光を避け、水場の確保をするサバイバルの基本をはじめ、凄絶な環境を生き残る心意気や判断力を学ぶことができます。

流砂から脱出する方法や

海底探査についても勉強できます。控えめに言ってめちゃくちゃ面白いです。

ナショナルジオグラフィックTV

ディスカバリーチャンネルと若干キャラ被りするかと思いきや、こちらは大自然や動物をメインに描きつつ、物理や科学をネタにしたコンテンツが豊富です。暇なときに見ていますが、本当に暇つぶしになります。

VICE

i-D magazineの買収により、ファッションカルチャーのイメージが強いですが、元々はカナダ発のユース向けのカルチャーメディアで本当に幅広い多種多様なコンテンツを記事と映像で大胆に取り上げ、現在では“インターネット上のテレビ局”と言われるほどに不動の地位を確立しています。

大学時代にVICE JAPANのインターンに応募して落ちた経験がある僕は今でも大ファンで、彼らの映像からは毎回、ストリート感のある、型にハマらない映像やコンセプトメイキングを学んでいます。

今回は、海外のVICE発信の映像と、

VICE JAPAN発信の映像を記載します。

i-D

VICEに買収されましたが、i-Dのアカウントは健在でVICEのコンテンツとはまた全然異なるテイストやテーマを追求しています。ファッション色が強いと思いきや、こちらも幅広く広い意味でのカルチャーコンテンツを配信しています。もちろんファッションは極めてかっこいいですが。

VICEよりも、映像表現的にはかなり凝った映像が多く、各動画ごとの個性も非常に強く、見ていて全く飽きません。

・    ・    ・

 

いずれのチャンネルにも共通しているのは、「決めたテーマをとことん突き詰め、最高のとれ高を常に狙い、視聴者の立場に立って映像のストーリーを作り上げている」という点な気がします。

それは目の前の被写体や現象に対して、嘘偽りなく誠実であること、現場でその瞬間に何が自分にできる最高のパフォーマンスなのか考えて映像を撮影、編集していることに他ならないのかなと思います。映像製作者の方々は分かるかと思いますが、これって非常に高いクオリティの成果物を期待すればするほど、相対的にすごく難しくなっていくんですよね。

まだまだドキュメンタリーを説明的なインタビューと捉えている人は一定数いると思いますが、そうではないフィクションの映像より遥かに面白いものが実は山ほどあるんです。暇つぶしも兼ねてよければ見てみてください。

マルチクリエイターから学ぶ演出表現【写真家×映像作家】
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この記事を書いた人

奥野尚之
エレファントストーンのディレクター。好みの映像は、『天使の涙』『めがね』『Fish Tank』『20th Century Women』。

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