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「努力は夢中に勝てない」“夢中”をつくれたらどんな仕事も大抵面白い。

「努力は夢中に勝てない」“夢中”をつくれたらどんな仕事も大抵面白い。

本日は、私が座右の銘を聞かれた時にいつも答えている、「努力は夢中に勝てない」について紹介しようと思います。この言葉は弊社の行動指針にも通じる部分もあり、社内メンバーにも発信している言葉でもあります。このように記事として発信するのは初めてなので照れ臭いような気もしますが、ぜひ最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

目にした時に腑に落ちた「努力は夢中に勝てない」という言葉

「努力は夢中に勝てない」は、memberページの好きな言葉に書いていたり面接でも話していたり、あとは新入社員研修でも伝えている言葉です。これはBEAMS代表の設楽洋さんがインタビューで仰っていた言葉で、この言葉を見た時にすっと自分の中に入ってきたのを覚えています。

実際のインタビュー記事はこちら
設楽 洋 インタビュー | 変革を恐れない大人たちへ贈るフリーペーパー「BOND」

今までを振り返ると、「受験だから勉強がんばりましょう」「就職だから就活頑張りましょう」とか、無目的に“やらなきゃいけないから頑張る”といったことがすごく苦手で。一方で、スイッチが入って楽しい!と思ったことはとことん頑張れるんですよね。頑張っている感覚もなくただ夢中だったのですが。

夢中になっていた経験でよく覚えているのが、高校時代の学習時間です。自分が通っていた高校は勉強に厳しい学校で、7限まであるのに寮に帰ってから+2、3時間の学習時間がある(強制的に)というような学校でした。当時は「あ〜、すごいとこに入っちゃったな」と思ってましたが、その学習時間に読んでいた海外の音楽新聞に夢中になっていたんです。

当時、イギリス音楽が好きで色々な情報を知りたかったのですが、高校生の時は携帯ではなくポケベルでしたし、ネット環境も全然整っていなかったんです。海外の情報が入るのは月一で発売される内容の薄い雑誌しかない状態でした。「もっと色々な情報が手に入らないかな…」と思っていた時にみつけたのが、当時タワレコで週1で発売されていた『NMV』という海外のミュージック新聞です。

NMVには海外アーティストのリアルな情報がたくさん載っていて、日本より堂々とアーティスト同士が付き合ったり、叩き合ったり。日本では知り得ない情報を得ることができて、全てがすごく新鮮でした。特段英語が得意という訳ではなかったですが、英文も全然辛くなくて自然と読めたというか。当時は「英語を勉強しよう」って努力した感覚はありませんでした。

「努力」はよく称賛されますが、「辛いけど頑張る」というニュアンスが含まれている気がして、自分的に「努力する」というのがあまり好きではないんです。英語の勉強の話もそうですが、別に努力してるわけではなく自然とそうしてるだけだなと。

そういった経験があったので、「努力は夢中に勝てない」が自分の中ですごく腑に落ちたんですよね。その記事を読んだのが2015年頃で、そこから社内へも発信していくようになりました。

社内メンバーの「夢中」エピソード

いくつか社内メンバーのエピソードをお伝えできればと思いますが、案件成功や成長の背景には「夢中になっている」というのがある気がしています。

例えば、嶺くん(ディレクター/マネージャー)が、今川崎フロンターレさん(以後、フロンターレ)の案件に携わっているんですけど(※2022年10月時点)、元々はサッカーもやらないし見ない、興味すらなかったんです。そんな嶺くんも、今や社内でも自分に次ぐほどのフロンターレサポーターになっています。試合を観てユニフォームを買うにとどまらず、半休を取って試合を観に行ったり、アウェイ戦も遠征に行ったりしています。クライアントのことを知ろうとして「フロンターレのことを毎日5時間考えます」より、普段から純粋に楽しみ、夢中になって自然とフロンターレを調べている状態。

もちろんきっかけは案件だったかもしれないですが、「鶴目さんにこの案件やってと言われたから」とか、「仕事だから」というわけではないんですよ。この夢中な状態って映像づくりや最終的に出来上がってくる作品にも繋がるんですよね。

元々サッカーも見ないインドア派のばんちゃん(エディター)も、フロンターレとの案件に没頭して楽しんでくれていると思います。例えば、フロンターレという組織・サポーターのカラーを知らないとできないような、フロサポが喜んでくれるであろう遊び心を加えた選手紹介映像の演出や編集なんかは、実際にSNSでも多くの反響があります。もちろん大変な時もあると思いますが、それって本人がフロンターレの担当者さんとコミュニケーションをとって、一緒に夢中になって楽しみながらやっているからだと思います。そうじゃないとあの映像のクオリティにはならないだろうなと。

夢中になって仕事をしているのは制作メンバーに限った話ではありません。例えば、秋山さん(経営戦略室 企画課)にも言えることで、もともとWEBマーケターとして入社していたけど、今はマーケティングの業務を全て他のメンバーに引き継いで、広報を中心としたブランディングや採用担当として会社を作ってくれています。それって、何かしらの面白さに気づいたり、モチベーションを見つけたりしてくれているなと感じます。

決して、楽しいこと・面白いことだけを一生懸命やればいいわけではない

この言葉でよく誤解されてしまうのが、「じゃあ夢中になっていれば好きなこと・楽しいことだけをやっていて良いのか」ということです。弊社の行動指針4「群れず、はぐれず、個を出そう。」も、初めて聞く人には「好きなことできるんだ、やっていいんだ」と捉えられやすいですが、決してそうではなくて。

この指針に込められている意味は、その人の経験による強みやスキルを、エレファントストーンという土台で存分に発揮してほしいってことです。好き勝手にやりたいことをやっても良いですよ、ではなく、何かしらで得たスキルや経験を元にして、あなたの強みを会社で発揮してほしいということ。

気が向かないようなことに対しても自分で夢中状態に持っていき、結果楽しめた・何かを得ることができた、という成功体験が一回でもある人は次にそういった場面になっても夢中マインド(本人は努力しているつもりはなくても、自然と吸収していくマインド)に持っていけると思います。

本当に自分ができないことは無理にやらなくても良いと思いますが、夢中スイッチを入れて気張って得たものは成功体験として必ず自分の経験値になります。どんなことにも夢中になれるかどうかが、その後の成長にも大きな差が出てくるんじゃないかと思います。

夢中状態は成長にも直結する

夢中になるって自分を成長させるためにもとても重要なことでもあります。夢中が成長に繋がっているエピソードも少しお伝えできればと思いますが、奥野くん(ディレクター)の案件への向き合い方を見ていると、まさに夢中になっているんだと思います。

クリエイティブを考えるためにチームや部署を跨いでターゲットに近い社員とブレストしたり、お客様にイメージを掴んでもらいやすくするよう提案書の段階でセリフや参考画像をしっかりと形にしたり。さらにカメラマンをはじめとしてアサインするスタッフにも妥協せず、現場では出演者やスタッフが最大限力を発揮できるような空気づくりを大切にしています。各制作フローでしっかりと熱量をかけられるクリエイターもそう多くはないです。

そうやって時間と手間をかけている分、今、奥野くんはエレファントストーンの高額な案件を多く任されている。短期的な視点だけでは、大きな案件の依頼がくる状態にはなっていなかったと思います。奥野くんの場合、「やらなきゃいけない」というより、「夢中になってとことん考え抜く」という感じなんですよね。その制作スタイルが、結果として個人の成長とか、クリエイターとしての価値にも繋がっていると思います。実際にクライアントから「期待を超えてくれた」というご感想も度々寄せられています。

「夢中になっていて思ったより時間がかかってしまった」なんてことももちろんあると思います。弊社では案件ごとに予算や工数を管理する仕組みを導入していますが、時間がかかった=良くなかったと一概に判断することは決してありません。

「夢中で時間がかかってしまったけど、結果としていいものができた。」

それが次の仕事に繋がったり、あるいは自分の成長に繋がったりすることもたくさんあります。でも、時間がかかっていることを記録として残さないと、何に時間がかかっているのか基準が見えないというか。数字としてデータを残した上で、じゃあクオリティを保ったまま短縮できる点はなかったかとか、自分の課題は企画だから企画力を強化しようとか。課題を見つけて改善したり強化したり、最終的に何かに繋がることが大事な気がしています。

奥野くんの例を出しましたが、夢中になってやっていて成長しているのは中堅以上のメンバーだけではありません。新卒のメンバーも初めてで大変なことも多いだろう中、意欲的に新しいことに挑戦して、今はもうメインディレクターとして多くの案件を回すようになっています。新卒のメンバーがここまで成長しているというのは、一つ一つのことに真剣に向き合っているからなんだろうなと感じています。

視点を変えるとどんな仕事も大体楽しい

先ほどと重複しますが、「自分の苦手なこと・あまり経験や知識がなくて尻込みしてしまうようなことに対して、どう自分でスイッチを入れて夢中の状態に持っていけるか」が、物事を楽しむ上では大事なんだろうなと。じゃあどうやって夢中状態に持っていくのか、個人的には“視点の柔軟さ”“想像力を働かせる”というのが重要だと感じています。

単純に自分自身の成長なのかもしれないですが、世の中のことって大抵面白いと思えるんですよね。どんな企業のどんな事業も面白いですし、一見「なんだこれ」と思うようなコンテンツも、少し視点を変えたら面白いなと思うこともよくあります。視点を変えた上で、なんでこれを発信しているんだろうとか、背景には企業のどんな想いがあるんだろうとか、想像してみると自分自身考えさせられることがあったりします。視点を柔軟に変えて物事をみる、そしてそれにどう向き合っていくか。その心持ちや姿勢が大事なんじゃないかなと。

まとめ

今回取り上げた「努力は夢中に勝てない」は、まさに弊社の行動指針3「自分で自分の背中を押して、知的興奮を呼び起こそう。」に繋がるところでもあります。

ただ仕事をするより自分で夢中状態に持っていき、努力しているというより自然と「知りたい、できるようになりたい」という欲が勝って夢中になる。気が乗らない仕事でも、「あ、この仕事も実は面白いじゃん」って思いながら仕事をする方がシンプルに楽しいです。

「努力」を完全に否定している訳ではなくて、ずっと努力状態だけだと上手くいかないと思うんです。行動指針にも入っている「自分の背中を押す」とか「気張る」って言葉は、意味的には一踏ん張り必要な時もあるということですが、その状態が無理やり頑張るというよりも夢中であまり苦にしていない状態だといいんじゃないかなと思っています。

他の行動指針についてはこちらから
エレファントストーンの社員が体現している6つの「行動指針」を映像で見てみよう!

この記事を書いた人

鶴目和孝
エレファントストーンの代表取締役CEO Twitter:@tsuruphantstone

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