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期待を超えた企画でコンペも勝ち取る。突き詰めることに妥協せず、お客様を1番幸せにする提案を【社員インタビュー#9】
こんにちは、エレファントストーンの渋井です!
みなさまの2月はいかがでしたか?
最近また寒くなっているので身体に気をつけてお過ごしくださいね。
さて、“社員の想いを象る”シリーズと題して連載企画でお届けしている弊社の社員インタビュー第九弾として、今回はディレクターの瀬戸口にインタビューしました。
働く中で自覚した強みや企画提案において感じる難しさ等、ディレクターとしてのこだわりをご紹介します。
【ディレクター/瀬戸口 史賀 プロフィール】
1998年生まれ、静岡県出身。東京学芸大学で芸術学を学ぶ。大学で演劇や映像に携わる中、自分が制作したもので、人が楽しんでくれることに喜びを感じる。卒業後もより多くの人の心を動かす仕事がしたいと思い、2021年エレファントストーンに入社。 好きな映画は「サマーウォーズ」とジブリ作品。
待っているだけでは実現しない仕事も、企画力を強みに自ら掴む
ーー映像ディレクターとして活躍されている瀬戸口さんですが、エレファントストーンのディレクターとはどんなお仕事ですか?
瀬戸口「エレファントストーンのディレクターは制作の責任者であり、映像のクリエイターです。案件のご相談をいただいた0の状態から企画を作り、撮影の準備をし、撮影をし、オフライン編集を行い、映像を完成させるところまでを担当しています。
各所で資料の作成、スタッフや演者さんへのディレクション、ロケ地や衣装・機材の選定、クライアントとのコミュニケーションなど、色々な人と関わりながら映像をつくっていくのがお仕事です。」
ーー制作の全工程に関わるポジションなんですね。瀬戸口さんはその中でも特に映像の企画を0から生み出すことに強みをお持ちだと伺いました。
瀬戸口「企画をつくることは好きですし、向いているかもしれないです!
実際、新卒の頃からコンペ形式の案件※を任せていただくことが多かったのですが、入社半年後の秋から1年ほど、自分でつくった企画をプレゼンして、連続してコンペで案件を勝ち取ることができていました。
これはクライアントさんとの巡り合わせや先輩方のフォローがあったからこその成果なのですが、コンペに勝てる企画がつくれていたというのは自分の自信に繋がって、“企画って楽しいな。自分の強みにしていきたいな。”と思うようになりました。」
※コンペ形式の案件とは、複数の提案の中から、企画内容やコストなどを総合的に勘案し、クライアントが最善と判断した提案を行った業者が選ばれ、仕事が発注される形式の案件のことです。
ーー実際にその企画力がご自身の成果に繋がっていると感じる場面はあるのでしょうか。
瀬戸口「一度コンペで選んでいただいたお客様からさらに別のお仕事を発注していただいた際に企画力が活きたと感じますね。
自分の強みが会社とクライアントさんとの間に新しく関係性を構築するきっかけになっていて、それは自分の成果だけでなく会社としての成果にも繋がっているなと。」
ーー強みが会社の成果にも結びついているんですね。企画力が活きたからこそ獲得できた瀬戸口さんにとってのチャンスなどもあるのでしょうか。
瀬戸口「あります!やっぱりコンペ形式の案件が当てはまりますね。
コンペ形式の案件は、個人的に面白いと思うものやナショナルクライアントの方とご一緒できるものが多いです。待っていたら実現しない案件でも、企画提案さえできれば私の方から案件を迎えに行けて、獲得できて、最後の納品まで携われます。
例えば、自分史上1番大きかった案件はコンペで選んでいただいて、無事納品まで担当できました。その映像はテレビCMでも配信されるのですが、自分でお仕事を獲得できて、最後まで手をかけて育てて完成させるところまでご一緒できたので、とても嬉しかったです。」
物事の本質を突き詰めた結果、期待を超える企画が生まれる
ーー瀬戸口さんは、採用される企画と採用されない企画の違いはどこにあると考えていますか?
瀬戸口「①企画に関わるヒト・モノ・コトの現状、②“なぜその企画が適しているのか”という理由、③クライアントさんの納得、この3つが結びついているか否かかなと思います。難しいし、おこがましいですが……!
“社会/クライアントさんの現状/伝えたいことが〇〇だから、この企画や演出が適している”ということの筋を通して、クライアントさんに伝えた先に納得と安心を獲得できるのが採用される企画かなと。採用されない企画は、そのどこかの要素が欠けているのではないかと思います。
上記は企画書の中で勝負できる要素と、クライアントさんとのコミュニケーションによって獲得していく要素に分けられるため、一概に企画の良し悪しで判断できないなと考えていますし、私も試行錯誤を繰り返しているところです!」
ーー色々な要素が合致した結果、良い企画が生まれるんですね。先ほどのお話にもあった通り瀬戸口さんはコンペ形式の案件を勝ち取る機会も多くあったのではないかと思います。お客様の期待を超える企画を提案できている理由は何だとお考えですか?
瀬戸口「案件をもらってから、クライアントさんのこと、その案件に関わる商品やサービスのこと、それに付随する社会のこと等、その案件に関わることをとにかく考えているからだと思います。
企画って何もないところからは生まれないと考えていて、そのヒト・モノ・コトに付随することをたくさん考えて初めて立てられるものなんですよね。なので、“どんな企画にするか”を漠然と考えるのではなくて、伝えたい物事や、それに関係する人々、社会の動向などを細部まで分解して、分析して、そこから企画をつくります。
例えば、クローゼットのプロモーションをするなら、“収納って、つまりどういうこと?”と考えて、“収納=ものを保管すること→物にはたくさんの思い出や時間が詰まっている→物に付随する時間や気持ちも一緒にしまっておける”と考えていって、「じゃあ“クローゼットの中には、たくさんのものと、家族の歴史と気持ちが詰まっている”という視点から企画を作っていこう」みたいに。
期待のその先に届く企画を出すためには、“この物事の本質ってなんだろう?”をしっかり考えることが必要だと思っています。」
ーー“瀬戸口さんはやりすぎなくらい突き詰めて企画を考えるタイプ”という声が社内で上がっていたのですが、納得ですね!
瀬戸口「確かにちょっとやりすぎな部分もあるかもしれないです。笑
ただ、企画って基本的にやりすぎて良いと思っていて、やりすぎなくらいやらないと自分が納得できる企画にならないですし、自分が納得できない企画ではお客様にも納得してもらえないですよね。
お客様につくった企画を提案する時は、自分の企画に一番自信を持って“これやったら絶対楽しいですよ!絶対良くなる!”っていう状態でいたいです。そのために企画の核を突き詰めて筋道立てて考えるところにはこだわっていますね。
クライアントさんやプロデューサーから“ここまで考えてくれてありがとう”と言ってもらえるのも、突き詰めて企画を考えたからこそかなと思っています。」
ーー自分がクライアントだったらそこまでしっかりこだわってくれるのは嬉しいです!逆に企画提案が上手くいかないケースはあるのでしょうか?
瀬戸口「ありますね。“自分なりに分析していたけれど、クライアントさんが知りたいことってこれじゃなかったな”とズレが生じることがあって。
初期のヒアリングの段階で上手くすり合わせができていないと、そもそもの分析の入口が違って企画の軸がズレてしまうので、難しいなと感じています。これから解決していきたい自分の課題です。」
ーークライアントさんの意図と企画の齟齬が生まれないようにするために何か取り組まれていることはありますか?
瀬戸口「これは現在も試行錯誤している部分ではあるのですが、フレッシュな目で見てもらえるっていう点で、社内確認をしてフィードバックをもらうことが一番良いのかなと考えています。
何かを一人で突き詰めていくと、企画が崩れていることに気づかないんですよね。のめり込んで、新しい視点で物事が見えにくくなって……。
そのままクライアントさんの意図に反した企画を提案しても当たり前に上手くいかないので、社内で随時すり合わせを行って、目指すべき方向性を共有しておくのはすごく大事だなと最近実感しています。」
ーー一人で突き詰めるだけではなく、周りと協力しながら作られているんですね。ここ最近企画力についての評判がぐっと上がっている瀬戸口さんですが、1年前と比較して企画を提案することに対しての心構えや考え方の変化はありましたでしょうか。
瀬戸口「1年前と比較して、今は自分が責任者という意識が強くなりました。
以前は“私なんかが”とか“選んでくれるかな?”とか“選んでくれたの!?”とか、自分が企画を作ってクライアントさんに提案するということに対しての現実味が薄く、“私が責任者なんだ!”という自覚が足りなかったように感じます。
ただ、初めてご一緒する担当者さんが“本当に信用して良いのかな?”と不安に思っているかもしれないという中で自分を選んでもらい、満足していただくには“私の企画を選んでもらって、クライアントさんを幸せにする!”という気持ちで臨むことが必要です。
実際、今は“自分を選んでくれたら皆さんのことを1番大事にできるし、幸せにできる”という気持ちで企画を提案していますし、本当にそう思って企画を作っています。」
ーーそのスタンスの変化は行動の変化にも繋がりそうですね!
瀬戸口「そうですね。以前は“こういうのどうですか?”という提案ベースだったところも、今は一人のディレクターとして、“私はこの映像(企画)が皆さんにとって1番良いと思っています!”という提案ができるようになりました。
他にも、“案件を獲得した後”のことまで明確に考えて企画を提案するようになったのは大きな変化かなと思います。1年前は企画を作ってプレゼンするまでを1つのゴールとして捉えていました。なので、“案件が獲得できたらまた改めて考えよう”という意識で臨んでいたんです。
ただ、企画提案をする時に意識するべきなのが、1に繋がるための0として企画をスタートする必要があるということ。よくありがちなのが“とりあえず案件を獲得して、獲得してから考えよう”という企画の仕方ですが、そういうフローで企画をすると制作の過程で実現できないことが分かって、“思っていた/聞いていたのと違う”とズレが生じる可能性が高く、危ないです。
だからこそ私は“とりあえず案件を獲得しよう”ではなく案件を獲得した場合に想定している映像の色味、構成、演出、尺、撮影日数、予算などを明確にイメージできている状態でご提案するようになりました。」
ーーその変化が具体的な成果に繋がったと感じる場面はありますか?
瀬戸口「1年前には言われなかった“映像を明確にイメージできました!”というお声をいただけることが増えました。
この言葉は、クライアントさんの中で私のプレゼンとその先の映像制作のイメージが繋がったからこそいただけているものだと思うので、嬉しい成果です。
実際、企画の段階で検討していた登場人物の設定を納品までずっと使っていただいたことがあって……!
“このキャラクターっぽいロケ地はどこだろう?このキャラクターはこういう動きはしないんじゃないかな?”等、最初の提案の時の設定に親しみを持ってくれて、その企画を信じてくれているんだなっていうことが分かって、すごく嬉しかったです。」
ーー逆に、オリジナルの企画提案ができるようになって新たに感じた難しさはありますか?
瀬戸口「やっぱり、勉強することが肝であり難しい部分だなと思います。
クライアントさんや映像にしたいヒト・モノ・コトを知らなければ、“その商品ならでは”“その会社らしい”は作れないです。なので、その“らしさ”を生み出すためにひたすら勉強して知って考えることが必要で、楽しくもあり難しくもありますね。」
ーー追求する難しさを超えた先に見つけた“お客様らしさ”が企画に落とし込まれていくんですね。
瀬戸口「そうですね。なので、企画を考える時は該当のことに関してとことん考えています。
新卒の頃は、自治体PRや街おこし等のコンペ形式の案件のご相談をいただいた際に休日にその場所に行って、自分の目で見て考えるということをしていました。実際にその場所に行ってみたことで、そこでの景色や、暮らしている人々、空気を肌で感じることができるので。
最近は、お客様のことやその案件に関わる社会のこと、映像の演出に関わることに関して70個ほどの記事や論文を読み漁って情報収集をしています。それでもまだ全然足りないな〜と思っていますが、こだわり抜いた結果、企画の核がズレてしまうことも防ぎたいので、ひとつの視点に集中しすぎず、大きな視点と集中的な視点を使い分けられるよう心がけています。」
人生の余白を楽しんで新たな気づきを与えられる人に
ーーこれから瀬戸口さんはどんな人になっていきたいですか?
瀬戸口「人生の余白を楽しめる人間でいたいです。
具体的に、以前、友人と6,000円払って観た舞台が本当につまらなかったのですが。笑
その後「6,000円払ってめちゃくちゃつまらない演劇が観れて、私たちも中々豊かだね〜」って話した時間がすごく良くて。
3ヶ月前のことですが、いまだにその日の出来事をふと思い出して「すごく豊かな日だったな」と穏やかな気持ちになります。
当たり前ですが、仕事には効率を求められる場面が多いです。ただ、私生活は別なので、効率を考えず目の前に起こったことを大事にして自分らしく不器用な生き方をしたいなと思っています。
つまらない舞台を観たとか、知らないおばあちゃんと仲良くなったとか、そういうことが自分の人生をつくっていくんだろうなと思いますし、ひいて良い物語、企画、意見を生み出すことに繋がっていくと思っています。」
ーー素敵です。そうした人になることで、エレファントストーンや周囲にどんな影響を与えられそうなどのイメージはありますでしょうか?
瀬戸口「自分がいることで新しい何かを提供できたら良いなと思っています。“そんな視点なかった!”ということを咄嗟に言ってくれる人っていると思うのですが、それってすごいと思っていて。
“今これをこのタイミングで言えばもっと良くなるんじゃないか”と考えられる配慮ができたり、その言葉自体を感覚的に出したりできたら理想ですね。」
まとめ
今回のインタビューでは、瀬戸口さんが働く中で自覚した強みや企画提案におけるこだわりをお伝えしました。瀬戸口さんの「“自分を選んでくれたらクライアントさんのことを1番大事にできるし、幸せにできる”という気持ちで企画を提案する」という言葉が印象的でした。
“社員の想いを象る”シリーズはこちらからご覧ください!
第一弾:お客様と一緒に作る。丁寧なコミュニケーションで安心感を与えられるディレクターに【ディレクター/奥野 尚之】
第二弾:良い映像とは、本当の想いを捉えた映像。エディターの枠を超えてお客様のイメージを形にする【エディター/西堀 菜々子】
第三弾:一人一人の強みが会社の強みになる。展示会プロジェクトリーダーとして、会社をひとつのチームに【経営戦略室 企画課/渡辺 知里】
第四弾:可能性に期待する。変化を続ける映像ベンチャー役員のリーダー論【取締役COO兼プロデューサー/伊藤 尚平】
第五弾:“縁の下に隠れ続けない” 映像ベンチャーの健やかな運営基盤をつくるコーポレートデザイン課で働く意義【経営戦略室 コーポレートデザイン課/鈴木 彩】
第六弾:映像制作未経験・新卒2年目なりにコツコツ積み重ねた結果、ついてきたのが成長。お客様との制作へのこだわりが毎日をアップデートする。【ディレクター/小笠原 亮】
第七弾:お客様への共感から引き出した魅力を映像に。寄り添ったコミュニケーションで信頼を勝ち取る。【ディレクター/真木 千鶴】
第八弾:模索を続けて見つけた自分らしい営業スタイル。プロデューサーが提供できる価値は、お客様が体験する全て【プロデューサー/木村 綾乃】
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