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絞り値(F値)の基本
【デジタルカメラの基礎講座(第9回)】

絞り値(F値)の基本 【デジタルカメラの基礎講座(第9回)】

前回のデジタルカメラの基礎講座はアスペクト比(縦横比)について説明しました。ここからのテーマは「露出の三角形」です。

映像や写真の写り方を決める最も基本的な3つの要素「絞り値(F値)」「シャッタースピード」「ISO」を、「露出の三角形」といいます。この3つの組み合わせによって画が決まるため、狙っている画やその時の状況に合わせて、それぞれの数値を設定をしながら撮影を行います。

今回はまず、「絞り値(F値)」についてご説明します。

絞り値(F値)とは?

絞り値とは、これまでの講座で説明してきた「撮像素子(イメージセンサ)」に写る像の明るさのことです。F2、F2.8、F4、F5.6……というように表されます。

絞り値を変えると、「明るさ」と「被写界深度」が変わる

絞り値の数値を調整すると、レンズの穴が開いたり閉じたりして大きさが変わります。これにより、「明るさ」と「被写界深度」の2つが変わります。

「明るさ」が変わる

絞り値を大きくすると、絞りが絞られるためレンズを通る光が少なくなり、暗い画になります。反対に、絞り値を小さくすると、絞りが開かれるためレンズを通る光が多くなり、明るい画になります。

「被写界深度」が変わる

「被写界深度」とは、ピントの合う範囲のこと。手前から奥までピントが合っている状態を「被写界深度が深い」、ボケやすい状態のことを「被写界深度が浅い」という言い方をします。

絞り値を大きくすると、絞りが絞られ被写界深度が深くなり、反対に絞り値を小さくすると、絞りが開かれ被写界深度が浅くなります。

例えば、手前の”花”だけを強調する場合。それ以外の部分をあえてボケさせることで、特定の部分に意識を集中させることが可能になります。ただ、同時に明るさが暗くなります。

次回予告

次回のデジタルカメラの基礎講座では、露出の三角形の「シャッタースピード」について取り上げたいと思います。

▽デジタルカメラの基礎講座
第1回:基本的な構造と各パーツの特性
第2回:カメラの選び方。画質の良さは”3つの要素”で決まる
第3回:撮像素子とは?サイズが大きいメリット、デメリット
第4回:撮像素子「フルサイズ」と「APS-C」の違い
第5回:撮像素子のサイズ比較「スーパー35mm」が業界のスタンダード
第6回:画像処理エンジンとは?rawデータで撮影するメリットとデメリット
第7回:4Kってどういいの?映像の”解像度”とは
第8回:アスペクト比(縦横比)とは?
第10回:露出の三角形「シャッタースピード」の基本
第11回:露出の三角形「ISO感度」の基本
第12回:写り方を決める露出の三角形まとめ
第13回:”高性能のレンズ”って何?

この記事を書いた人

ZOOREL編集部
エレファントストーンが運営する「ZOOREL」の編集部です!映像のトレンドにまつわることなどをピックアップしてご紹介します。

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