MARKETING

動画が急成長って言うけれど、そのスピード感は?
過去の動画市場予測と結果の考察

動画が急成長って言うけれど、そのスピード感は? 過去の動画市場予測と結果の考察

急激に変化のスピードが早くなっている現在、広告も紙媒体中心だったものがネットを介した市場へと移行してきました。特に動画による広告は注目され、市場も急激な成長が見られます。

ただ、その進化のスピードがどれくらいなのかがピンとこない……。そんな人のために過去のデータからその進化のスピードを紐解いていこうと思います。

5年前の動画広告市場とその予測は?

今から5年前の2014年、世間では動画の成長をどのように予測していたのか。

日本のITベンチャーの代表格サイバーエージェントの当時のプレスリリースによると、国内動画広告市場規模が300億円代と予測されていた2014年、3年後の2017年の市場規模を約2.8倍の880億円になると予測していました。

実際の結果は……

結果は驚異の急成長!

2017年の動画広告の市場規模は1,374億円、なんと3年前に比べ市場規模は4倍以上になりました。

Copyright © CyberAgent, Inc. All Rights Reserved.

いかに急成長したかの裏付けとして、前年度にあたる2016年当時の予測でさえ1,178億円と、1年前の予測ですら大きく上回ってしまうほどの成長スピードがありました。

急成長をもたらした理由は?

この急成長をもたらした理由はなんだったのか。こちらもサイバーエージェントの記事を参考に2017年までの各年度毎の市場の変化を見てみました。

2014年はスマホの急速な普及と通信環境の高速化による動画視聴時間の増加と、ソーシャルメディアで動画コンテンツを活用した情報発信や視聴が日常化。大手広告主がトライアル出稿の段階から広告予算のメディアポートフォリオの一部として組み込んできたという変化がありました。
出典:サイバーエージェント、国内動画広告の市場調査を実施

2015年はソーシャルメディアの普及によるオンライン動画視聴の急拡大とソーシャルメディアや情報サイトを中心としたコンテンツの動画化。これまでテレビCMのプロモーション活用の補完的な役割とされていた動画広告が、重要なプロモーションの一つとして、より広い広告主に動画活用が普及したという大きな流れがありました。
出典:サイバーエージェント、国内動画広告の市場調査を実施

2016年はスマホユーザーの動画視聴が幅広い世代に広がり日常習慣として定着化したことにより、コミュニケーションでの動画活用の拡大とSNSのタイムライン上で提供されるコンテンツの動画化が加速。

これにより企業のインターネットマーケティングの動画活用と高品質化が進行、さらに新たな動きとして新技術を備えた動画広告商品の開発・提供が進んだことがポイントとされています。
出典:サイバーエージェント、2017年国内動画広告の市場調査を実施

そして2017年〜2018年にかけ、ユーザーのオンライン動画視聴がテレビ視聴と同様に日常的な習慣として定着。

さらにソーシャルメディアの動画広告活用は静止画と同水準に達し、ユーザーは視聴するだけではなく、若年層を中心により双方向的なコミュニケーションの手段になってきました。
出典:サイバーエージェント、2018年国内動画広告の市場調査を実施

Copyright © CyberAgent, Inc. All Rights Reserved.

企業の情報発信でも、動画はユーザーとの一般的なコミュニケーションの手段とされ、媒体・広告フォーマット・広告クリエイティブなどさまざまな面で動画広告の活用における進展がありました。

スマホの普及が動画広告市場を押し上げた

動画広告市場の急成長にはスマホの急速な普及、そしてソーシャルメディアを介してのコミュニケーションが大きく影響していました。

動画市場規模のグラフからも読み取れるように、5年前の2014年当時は動画広告の市場規模は2017年にスマホがその過半を占めると予想されていました。

ですが実際には翌年2015年の段階でスマホが過半を占め、2018年の予測では85%をスマホが占めると予想されています。動画広告の市場規模の急成長はコミュニケーションツールの主役として普及したスマホによって支えられていたのです。

動画広告市場は今後も成長を続ける?

スマホの普及が牽引してきた動画広告、スマホ自体の普及は一服した感もある中で果たして今後も成長していくのでしょうか。

おそらくスマホがコミュニケーションツールの主役としてあり続ける限り、今後も市場規模は保たれていくと思われます。

さらにこれまではテレビからスマホへの移行という流れでしたが、最近ではテレビでのオンライン動画視聴も普及しつつあり、動画の視聴環境はあらゆるデバイスに広がりつつあります。デバイスの変化があっても動画によるコミュニケーションとその広告の需要はまだまだあるので、成長は保たれると想定されます。

まとめ

今回は動画の急成長について過去の予測を元にまとめましたが、動画だけではなくあらゆる事象の変化の速度が上がっています。

近い将来、生まれた時からスマホが身近にあった世代が社会に出てきたとき、今の我々では予測のつかない変化が起きることは想像に難くありません。変化のスピードに驚くだけではなく、そのスピードに合わせられるだけの準備を日頃から心がけていきましょう。

▼「動画広告」にまつわる記事はこちら
動画広告でブランディング効果を高める3つのポイント

この記事を書いた人

伊藤尚平
エレファントストーンの取締役COO / プロデューサー

伊藤尚平の書いた記事一覧へ

タグ

RELATED ARTICLES 関連記事