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「“アイデアを出しやすい自分の状態”が見つかるワークショップ」開催!アイデアを出すのがもっと楽しくなるメソッドとは?

「“アイデアを出しやすい自分の状態”が見つかるワークショップ」開催!アイデアを出すのがもっと楽しくなるメソッドとは?

こんにちは。エレファントストーン ディレクターの瀬戸口です。

最近、とある仮説を立てています。それは、企画などのアイデアを出すとき、「アイデアを出そうと頑張る」のではなく、「アイデアを出しやすい自分の状態・周りの環境づくり」が大切なのではないかということです。

これについて、スポーツを例に考えてみます。スポーツ選手は、試合で自分の最大限のパフォーマンスを出すために、1週間ほど前から食事を調整します。試合当日は決まった時間に決まったパワーでウォーミングアップをし、決まった時間に軽食をとり、集中力を高めるためにお気に入りの音楽などを聴きながら過ごします。

つまり、良いパフォーマンスを引き出しやすくするための自分の状態づくり・環境づくりの方法を知り、それをルーティンにすることで能力を引き出す値を平均化・最大化しているということです。

それって、アイデアでも同じなのではないでしょうか。自分の状態・周りの環境づくりの方法を知れば、もっとアイデアを考えることが楽になるのではないでしょうか。

置かれる状況でこんなに違う?!
アイデアの広がり方の“違いを体感する”ワークショップを実践

そんな仮説を元に今回は社内のメンバー9人に協力してもらい、「アイデアが出やすい状態ってなんだろう?」を考えるワークショップを行いました。私が所属するディレクターチームの皆さん、経営戦略室・企画課の宮坂さん、快くご協力いただき誠にありがとうございます!

ワークショップでは「魔法の箱」というゲームを行いました。ルールは下記の通りです。

①2人組になる。2人の中で、AとBを決める。
②AがBに、架空の箱を渡すジェスチャーを行う。Bは箱を受け取るジェスチャーを行う。
③Bが箱の中から何かを取り出すジェスチャーをする。
④AはBに、「それは何ですか」と聞く。Bは「これは〇〇です」と答え、取り出したものを近くに置くジェスチャーをする。(箱から取り出すものはなんでもOK。思いついたものを言う。)
⑤③〜④繰り返し

要約すると、「架空の箱から取り出したものが何かを答えていくゲーム」です。

こちらを3パターンに分けて実践してみました。

●普通にものを取り出す
●面白くてクリエイティブなものだけを取り出す
●「アイデアの審査員」がいる状態でものを取り出す

パターンごとに場の雰囲気が変化したので、3パターンの特徴を記載させていただきます。

普通にものを取り出す

社内でこのゲームを行うのが初めてのため、最初は皆さんの中にルールが落とし込まれるまで少々時間を要しました。しかし、慣れてくると段々と場が温まり、それぞれのペアで楽しそうにゲームを回していました。

【A】役のメンバーは、【B】役のメンバーが出したものに対して自然とポジティブな反応(「すごい!」「面白いですね」)と返していました。

面白くてクリエイティブなものだけを取り出す

次に、上記の「魔法の箱」にとあるルールを加えます。「面白くてクリエイティブなものだけしか取り出してはいけない」というルールです。「皆さんは面白くてクリエイティブなものを出すのが得意ですよね。」というプレッシャーをかけさせていただき、こちらのパターンを実践しました。

ルールをお話しすると、戸惑いの表情を浮かべるメンバーが多数いました。ものを取り出す速度が落ち、「何を取り出すか」で考え込むシーンが増えます最初に行った「魔法の箱」よりもぎこちない空気が流れました。

「アイデアの審査員」がいる状態でものを取り出す

最後に、「取り出すものは普通のものでOKだが、取り出したものを審査する「アイデアの審査員」がいる」というパターンを実践しました。4人1組になり、2人が魔法の箱をやっている間、残りの2人は「アイデアの審査員」になります。

審査員の2人には、威圧的な態度を取っていただきました。腕と足を組んで魔法の箱を観戦しながら、時々「へえ・・・。」「ふ〜ん。」「なるほど。」と相槌を打っていただきます。

最初のパターンよりも場の緊張感が高まり、「魔法の箱」を実践するメンバーはやりづらそうな表情を浮かべていました。こちらのパターンでもものを取り出す速度が落ち、「何を取り出すか」で考え込むシーンが増えます。

3パターンが終わり、ワークショップの参加メンバーに「どのパターンが一番ものを取り出しやすかったですか?」という質問をしました。全員一致で「最初のパターンがやりやすかった」と答えてくださいました。

ワークショップから考える、「頭の中から普通にアイデアを取り出す」とは

人間の脳は普段生活をしている中で自ら検閲をかけ、言葉に発すること・表現することを取捨選択していると言われています。社会に生きる人間として頭に浮かんだものを検閲し、「表現して良いこと」と「表現してはいけないこと」に分け、「表現して良いこと」だけを表に出すようにできているということです。

例えば普段の生活の中で人に頭がおかしいと思われそうなこととか、ごくごく普通なこと、ハレンチなことって頭に浮かんでもそのまま表現はしないですよね。私たちが日常生活を送る上で、その検閲はとても大切です。

しかし、検閲=脳の制約なので、アイデアを考えるとき・広げるとき、その検閲はない方が良いのです。色々な制約から脳を開放し、頭をできる限り柔らかい状態にした方が色々なことを思いつくということです。

今回のワークショップで言うと、「普通にものを取り出す」パターンは検閲や制約がない状態です。条件的・精神的に何の制約もなく、思いついたものを普通に口に出していく。【B】役のメンバーが【A】役のメンバーが出したものに対して自然とポジティブな反応を返していたのも、【A】役のやりやすさを助長させていました。

反対に、「面白くてクリエイティブなものだけを取り出す」パターン、「「アイデアの審査員」がいるパターン」は、「面白いアイデアを出さなくてはいけない」「人に認められるアイデアにしなくてはいけない」という緊張的な意識・環境が制約となっています。その制約が精神的・身体的な(表情や身動きなど)強ばりに繋がり、「アイデアを出しにくい」という状況を生み出していったのです。

日常生活に置き換えると、「この人と話しているとき/この場所にいるときはすごく考えが捗る」「この人と話しているとき/この状況のときは全然思うように思考・発言ができない」ということがあるのではないでしょうか。状況によって思考・発言のしやすさの違いが発生することには色々な要因が由来していると思いますが、おそらく大部分が意識的・環境的な制約の差によるものだと考えます。

「日常生活や仕事の中で自分はどういうときにアイデアが出やすくて、どういうときに考えが捗らないのだろう。」と紐解いていくと、自ずと自分なりの「アイデアを出しやすい自分の状態・周りの環境づくり」の方法が導いていけるかもしれません。

他者とアイデアを出し合う場で重要な「検閲を外す」という共通認識

最後に、私なりの見解としてアイデアを考える・広げる際、「脳の検閲がない状態」を作るコツを紹介させていただきます。

まずは、「アイデアを考える・広げる時間」と「考えたアイデアを現実的な条件に落とし込む時間」を分けることが大切です。ブレストなどの際、この2つが混ざってしまうことがよくあるのではないでしょうか。

この2つは「検閲と制約を外す必要がある時間」と「検閲と制約をかける必要がある時間」であり、脳の使い方が正反対なので、両立することは難しいです。私はこの2つの時間をしっかりと分け、それぞれの時間でそれぞれの作業に集中するべきだと思っています。

これについて、今回のワークショップ後に参加メンバーに感想を聞いた場にて「ブレストで参加メンバー全員がその認識を持っていることが大切」だという話になりました。誰か1人だけが「アイデアを考える・広げる時間」と「考えたアイデアを現実的な条件に落とし込む時間」を分けようとするのではなく、メンバー全員がそのルールと必要性をしっかりと把握していなければいけない、ということです。

確かにそうだと思いました。アイデアを考える際、1人で考えるときと誰かと一緒に考えるときとがあると思います。誰かと一緒に考えるとき、メンバー間でその場でのルールや方向性を共通認識としてしっかりと持ち、なぜそのルールがあるのかも把握することで、効率的に活気的に、みんなにとってやりやすくその場が回っていくのだと思います。

弊社のブレストマスター嶺は、ブレストのルールとして「出た意見や発想に対して批判(否定)しない」「質より量を重視(悩まない、考え過ぎない)」「積極的にのっかり、話の共通点を見出す」「すぐに結論を出さず、話を広げていく」という4か条を掲げています。これら4か条はどれも今回の記事に共通していると思いますし、活気的な発想の場づくりとして本当に大切なことだと思います。

ブレストについてもっと知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください!

関連記事:「ブレスト」を使いこなしてアイデアを導き出す方法【ブレスト超実践講座 前編】

私の次なる目標は、自分のアイデアや発想に関する考え方とブレストのルールの重要性とを、その考え方やルールがある意味も含めてもっと社内に発信していき、発想の場を向上させていくことです。きっと、もっともっと発想の場を活気的にすることができる、かつ弊社メンバーのポテンシャルが生かされていくはずと思っています。

自分にも他人にも、検閲をかけようとしないこと

話は逸れましたが、私なりの見解としての、アイデアを考える・広げる際に「脳の検閲がない状態」を作るコツをもう1つご紹介します。

それは、自分自身・他人に「検閲をかけようとしない意識を持つ」ことです。これは、自分の脳・他人の脳があらゆる検閲や制約から開放されている状態か、開放させるにはどうしたら良いかを常時気にしながらアイデアを考えていくということです。

こちらも、先ほどご紹介した嶺流ブレストのルール「出た意見や発想に対して批判(否定)しない」「質より量を重視(悩まない、考え過ぎない)」「積極的にのっかり、話の共通点を見出す」に大きく通じています。

自分のアイデアに対して、自分自身で「これは面白くないアイデアだから口に出さない」「普通すぎるアイデアは出しちゃダメだ」と否定してしまったり、他人から「それは無理なんじゃない?」と否定されてしまったりすると、「アイデアを考える・広げる」ことよりも「思考や発言の正解を探す」ことに意識が向かいます。

「アイデアの審査員」が自分の中/ブレストなどの発想の場にいる際、どんどん脳に検閲と制約がかかってしまいます。自分や周りの緊張状態が高まり、思考回路が狭まり、アイデアを出しにくい状態になってしまいます。ガチガチに固くなった脳や空間で、面白いアイデアが出せるでしょうか。

持論ですが、アイデアを考える・広げる場においてアイデアに正解なんてありません。魔法の箱でいう「普通にものを取り出す」状態で良いのです。それが一番脳が柔らかく、アイデアが繋がっていく状態です。頭に浮かんだものを口に出してみる、そこからどんどん色んな場所に繋げていけば、きっと楽しく、思いもよらぬところに派生していくのだと思います。

アイデアを出しやすい状態を作るために、自分自身・他人に「検閲をかけようとしないこと」=「アイデアを否定しないこと、アイデアを出しやすい場にするための振る舞いをすること」が重要だと思います。自分や他人のアイデアに対し、ポジティブな思考回路で「いいじゃんいいじゃん、もっとこうしたら更に面白そうじゃん!」と盛り上げていってみてください。

自分の心の中/目の前に腕や足を組んだ「アイデアの審査員」がいるときよりも、活気的に楽しくアイデアが広がっていくと思います。これがうまくいけば一種のゾーンのような状態に入ることができ、異次元的に思考が回転していきます。

まとめ

長々と書いてしまいましたが、いかがでしたでしょうか。ここまで読んでくださってありがとうございます。

アイデアを考える際、どうしても「どういうアイデアを考えるか」ということだけを頑張ってしまいがちだと思います。ですが一歩視点を引いてみて、「良いアイデアを考えるために、自分の状態・周りの環境をどう作っていくべきか」について考えてみてください。

きっと、今よりもっとアイデアを考えることが楽に、楽しくなるはずです。この記事を読んでくださった方が、ご自身なりの「自分の状態・周りの環境づくり」を模索し実践していただければ嬉しいです。

この記事を書いた人

瀬戸口史賀
エレファントストーンのディレクター

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